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第二章 誰が為の出会い

第八幕 ただいま

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「リナ様ー!やっっと帰ってきたー!!お帰りなさいませー!!」

息を弾ませて、足早に小柄で可愛らしい金髪の女性がリナに駆け寄ってきた。
その後ろを、よく似た顔立ちの金髪の青年が苦笑いを貼りつけて、追いかけてきた。

「姉さん、心配だったのはわかるけどリナ様、まだ馬上じゃないか…失礼だよ。」

「ルイったら…自分だってさっきまでずーと、帰ってこないってヤキモキしてたくせに!だって、急にユーリ様連れて、王城行っちゃうし心配で心配で…」

リナは馬上から降り立ち、息が上がり汗ばんでいる、愛馬のアスランを優しく撫でた。

「ただいま。マリーとルイ、お留守番ご苦労様」

満面の笑顔でリナは、二人に声を掛けた。

「「おかえりなさいませ。」」

マリーとルイも胸に手を当て敬礼をする。リナの天使の様な笑顔を見て、マリーとルイの頬は少し赤くなった。

「今日もマリーは、熱烈なお出迎えだね。私も一緒に帰ってきたのに、眼中にないのかな?」

ユーリも馬上から地上に降りて、笑っている。マリーとルイの視線がユーリに移動する。

「「ユーリ様もお帰りなさいませ。」」

「ユーリ様は、リナ様とご一緒だったから、私達に歓迎されなくてもいいじゃないですかー。私達は久しぶりに、リナ様から離れてお留守番だったんですよ!」

マリーが、可愛い顔をまるでリスの様に膨らませてユーリに抗議した。

「負傷兵の治療の為に残ってくれて、ありがとう。早速、救護テントに行ってその後は、お昼ご飯を食べながら、隊長達と今後の流れを確認したいんだけど…」

「そーおしゃると思って、お昼の準備もバッチリですし、隊長達にも集合の旨伝えてあります!」

「さすがマリーとルイ!ありがとうね。」

ルイが、リナとユーリの馬の手づなを預かり馬小屋に連れて行く。

リナの帰還に気づいた、周りの兵達が騒めき出した。
リナが歩いていると、声を掛けてくる。
「姫将軍様おかえりなさいー!」

その声に応えつつ、リナが救護テントに入って行くと、何人もの包帯姿の怪我人達が簡易ベットに寝ている。

白衣を着た初老の男性と若い助手の男性がベットに横たわる、怪我人を診ていた。

「ロー先生、患者達はどーですか?」

リナに話しかけられたロウは、振り向いた。

「姫さま、お帰りなさいませ。姫さまの采配で軽傷の人は、近くの村に移送済みです。重傷者はみな、こちらのテントで寝ています。後は、安静にする事が一番です。」

ベットに横たわる兵の中で、意識のある兵達がリナが来たことで、敬礼をしようと起き上がる。リナは、それを手で静止しながら声をかけた。

「休んでる所ごめんなさい。みなさん身体をゆっくり休めてください。」

そして、リナは一人一人の名前を呼んで声をかけて回った。

「生きていて良かったです。ゆっくり休んでください」

救護テントの中は殺伐とした雰囲気から一変していた。リナの声掛けに感動して兵達が涙を浮かべていた。

ユーリとマリーとルイは、そんなリナと兵士達の触れ合いをテントの入り口で見つめている。

リナは声を掛け終わると、救護テントを後にした。





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