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6章、悪役令嬢の登場
第47話
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『恋する乙女は千里を駆ける』のジュリア・ホーンはユニコーンと召喚獣契約して聖女になるらしい。聖女でないヒロインはあり得ないと言われた。
私はゲームの中でも召喚獣契約なんてして無かった。どうしてそんな初歩的なミスしたんだろう?
ゲームを始めたとき、妹のくるみが邪魔していたんだよ。それで文章を読み飛ばして、召喚獣契約のことを知らないままでいたんだと思う。
「聖女になっていないと進めないところがあるから、そのままやっていてもバッドエンドになったはずだわ」
キャサリン様に私の乙女ゲームのやり方を散々酷評された。
特にギャルゲー風の貢ぐ攻略方法に腹を立てた。
「大体、ホストでもあるまいし、攻略対象者に貢ぐなんてあり得ないわ」
「じゃあ、どうやって攻略対象者と親しくなるんですか?」
「攻略対象者はみんな心に傷を持っている。そこに入りこむの。
お金でなくて時間をかけるのよ。それが愛情のバロメーターでしょう」
「わあ、面倒くさい。ギャルゲーのヒロインの方が分かりやすいですね」
「こんな女子力の低いヒロイン、初めて見たわ。
とにかく、あなたは早く召喚獣契約してらっしゃい」
「えー、聖女なんて目立ちそうでヤダなぁ」
目立っていい事なんてひとつもない。聖女なんて面倒ごとに巻き込まれそうで絶対にイヤだ。
「知ってる?聖属性の上級魔法にパーフェクトキュアがあるのよ。
すべての状態異常を治せるの。今のあなたに必要なのではなくて?」
「えっ、じゃあ蓄積した毒も‥‥」
「もちろん、綺麗さっぱり治せるわ。上級魔法はすぐに使えなくても初級魔法のキュアだけで体が随分と楽になるのではないかしら」
この体のダルさから解放される。パーフェクトキュア、夢の魔法だ。
「明日からさっそくユニコーンを探して召喚獣契約して来ます」
「それがいいわ」
キャサリン様がにっこりと微笑んだ。悪役令嬢だけあってちょっと怖そうに見える笑顔だったけど、第2王子にさえ近づかなければ大丈夫なハズ。
キャサリン様の思惑にも気づかず、私はユニコーンと召喚獣契約する気満々になっていた。
勉強室を出ると心配そうな顔をしたガイがそこで待っていた。勉強室と言えども個室に男女では入れない。
「ジュリア、何もされてないか?」
「あら、ガイ・ハベル、酷いいい様ようね。私がジュリアに何をすると言うの?」
一瞬、ガイとキャサリン様が睨みあった。
「ガイ、心配するような事なかったよ。私、キャサリン様に色々と教えて頂いたの」
「ジュリアは可愛いわね。また後で色々とお話ししましょう」
キャサリン様がひらひらと手を振りながら去って行った。
残されたガイが私を見て大きくため息をついた。
私はゲームの中でも召喚獣契約なんてして無かった。どうしてそんな初歩的なミスしたんだろう?
ゲームを始めたとき、妹のくるみが邪魔していたんだよ。それで文章を読み飛ばして、召喚獣契約のことを知らないままでいたんだと思う。
「聖女になっていないと進めないところがあるから、そのままやっていてもバッドエンドになったはずだわ」
キャサリン様に私の乙女ゲームのやり方を散々酷評された。
特にギャルゲー風の貢ぐ攻略方法に腹を立てた。
「大体、ホストでもあるまいし、攻略対象者に貢ぐなんてあり得ないわ」
「じゃあ、どうやって攻略対象者と親しくなるんですか?」
「攻略対象者はみんな心に傷を持っている。そこに入りこむの。
お金でなくて時間をかけるのよ。それが愛情のバロメーターでしょう」
「わあ、面倒くさい。ギャルゲーのヒロインの方が分かりやすいですね」
「こんな女子力の低いヒロイン、初めて見たわ。
とにかく、あなたは早く召喚獣契約してらっしゃい」
「えー、聖女なんて目立ちそうでヤダなぁ」
目立っていい事なんてひとつもない。聖女なんて面倒ごとに巻き込まれそうで絶対にイヤだ。
「知ってる?聖属性の上級魔法にパーフェクトキュアがあるのよ。
すべての状態異常を治せるの。今のあなたに必要なのではなくて?」
「えっ、じゃあ蓄積した毒も‥‥」
「もちろん、綺麗さっぱり治せるわ。上級魔法はすぐに使えなくても初級魔法のキュアだけで体が随分と楽になるのではないかしら」
この体のダルさから解放される。パーフェクトキュア、夢の魔法だ。
「明日からさっそくユニコーンを探して召喚獣契約して来ます」
「それがいいわ」
キャサリン様がにっこりと微笑んだ。悪役令嬢だけあってちょっと怖そうに見える笑顔だったけど、第2王子にさえ近づかなければ大丈夫なハズ。
キャサリン様の思惑にも気づかず、私はユニコーンと召喚獣契約する気満々になっていた。
勉強室を出ると心配そうな顔をしたガイがそこで待っていた。勉強室と言えども個室に男女では入れない。
「ジュリア、何もされてないか?」
「あら、ガイ・ハベル、酷いいい様ようね。私がジュリアに何をすると言うの?」
一瞬、ガイとキャサリン様が睨みあった。
「ガイ、心配するような事なかったよ。私、キャサリン様に色々と教えて頂いたの」
「ジュリアは可愛いわね。また後で色々とお話ししましょう」
キャサリン様がひらひらと手を振りながら去って行った。
残されたガイが私を見て大きくため息をついた。
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