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4章、弟がやって来た
第29話
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私は魔法学園に通わなくてはならないし、ウォルターにも仕事がある。
私たちは週末の休みの日に会う約束をしてその日は別れた。
ライメルスの暦は日本と少し違う。
1年は12カ月、1日は24時間、ここは一緒。でも1か月が36日で6週間あり、1週間が6日間。
5日働くと1日休日がある。ライメルスの人はあまりキツキツに仕事を入れない。魔獣が出る以外は案外のんびりと暮らしている。
ウォルターが来たことを話すと侍女のニーナもビックリしていた。
「お父様の仕事を手伝っているみたいなの」
「あたしもウォルター様にお会いしたかったです」
ニーナが恨めしそうに言った。
「女子寮は男子禁制だからここには来れないものね」
ウォルターはホーン男爵領の女子たちに絶大な人気がある。
攻略対象者だけあって銀色の巻き毛と若葉のような瞳が麗しい。その上、穏やかな性格をしていて頭脳も優秀とくればモテない訳がない。
ウォルターを見かけた他領の令嬢からの婚約打診も引きも切らない。
これは格上の女児しかいない家から婿養子に入って欲しいと言っくるもので、ウォルターから見れば玉の輿になる。
この国では親に決められたいいなずけは持たない。これも魔力関係なのだが夫婦仲が良い家の方が高い魔力の子供が生まれるらしい。女神の祝福が受けられると言われている。
もちろん遺伝的なものもあるから一概には言えないが、ラブラブな下級貴族の間に思わぬ高魔力の子供が生まれたりする。親に決められた結婚より恋愛結婚が好まれる土壌がライメルス王国にはあった。
「今度はウォルター様といつ会うんですか?」
「次の休日に会う約束をしたの。ニーナも一緒に来る?」
「使用人が付いて行ける訳ないじゃないですか」
そう言いながらもニーナがソワソワしているのがわかる。
「ウォルターは気にしないと思うけどな」
「付いては行けないけど、会う場所は教えてください。
こっそり覗き見します」
ニーナは本当にウォルターが好きだな。
私とニーナは同い年だ。彼女は10歳の頃から侍女見習いとして家で働いている。
ニーナが侍女見習いとして我が家に入った理由がウォルターである。
ウォルターの少しでも近くで働きたかったらしい。
まあ、仕事はきっちりやるからいいんだけど、時々私よりもウォルターを優先させるのがなぁ。
自分の欲望に忠実なニーナは可愛らしい。
茶髪をふたつ縛りにしたニーナの瞳は猫みたいな金色だ。ちょっと吊り上がった目元、猫耳とかつけたら最高に似合うと思う。
「ジュリア様、またおかしなことを考えていますね」
「えっ、何かしら?」
「誤魔化そうとしてもムダですよ。
変な動物の耳やら尻尾を作っても、もう着けたりしないですからね」
「えっ、もう既に猫耳メイド、やってたのー!
写メはないの。ああ、見たかったのに。
もう一回やってみようよ?」
「絶対にゴメンです。
ウォルター様が見たがっているなんて嘘をついたこと、今でもおこっているんですよ。ウォルター様に笑われて、どれだけ恥ずかしい思いをしたか」
ニーナが冷たい視線をよこした。
ウォルターもだけど侍女のニーナも私の考えを読んでくる。
幼なじみって侮れないな、と思った。
私たちは週末の休みの日に会う約束をしてその日は別れた。
ライメルスの暦は日本と少し違う。
1年は12カ月、1日は24時間、ここは一緒。でも1か月が36日で6週間あり、1週間が6日間。
5日働くと1日休日がある。ライメルスの人はあまりキツキツに仕事を入れない。魔獣が出る以外は案外のんびりと暮らしている。
ウォルターが来たことを話すと侍女のニーナもビックリしていた。
「お父様の仕事を手伝っているみたいなの」
「あたしもウォルター様にお会いしたかったです」
ニーナが恨めしそうに言った。
「女子寮は男子禁制だからここには来れないものね」
ウォルターはホーン男爵領の女子たちに絶大な人気がある。
攻略対象者だけあって銀色の巻き毛と若葉のような瞳が麗しい。その上、穏やかな性格をしていて頭脳も優秀とくればモテない訳がない。
ウォルターを見かけた他領の令嬢からの婚約打診も引きも切らない。
これは格上の女児しかいない家から婿養子に入って欲しいと言っくるもので、ウォルターから見れば玉の輿になる。
この国では親に決められたいいなずけは持たない。これも魔力関係なのだが夫婦仲が良い家の方が高い魔力の子供が生まれるらしい。女神の祝福が受けられると言われている。
もちろん遺伝的なものもあるから一概には言えないが、ラブラブな下級貴族の間に思わぬ高魔力の子供が生まれたりする。親に決められた結婚より恋愛結婚が好まれる土壌がライメルス王国にはあった。
「今度はウォルター様といつ会うんですか?」
「次の休日に会う約束をしたの。ニーナも一緒に来る?」
「使用人が付いて行ける訳ないじゃないですか」
そう言いながらもニーナがソワソワしているのがわかる。
「ウォルターは気にしないと思うけどな」
「付いては行けないけど、会う場所は教えてください。
こっそり覗き見します」
ニーナは本当にウォルターが好きだな。
私とニーナは同い年だ。彼女は10歳の頃から侍女見習いとして家で働いている。
ニーナが侍女見習いとして我が家に入った理由がウォルターである。
ウォルターの少しでも近くで働きたかったらしい。
まあ、仕事はきっちりやるからいいんだけど、時々私よりもウォルターを優先させるのがなぁ。
自分の欲望に忠実なニーナは可愛らしい。
茶髪をふたつ縛りにしたニーナの瞳は猫みたいな金色だ。ちょっと吊り上がった目元、猫耳とかつけたら最高に似合うと思う。
「ジュリア様、またおかしなことを考えていますね」
「えっ、何かしら?」
「誤魔化そうとしてもムダですよ。
変な動物の耳やら尻尾を作っても、もう着けたりしないですからね」
「えっ、もう既に猫耳メイド、やってたのー!
写メはないの。ああ、見たかったのに。
もう一回やってみようよ?」
「絶対にゴメンです。
ウォルター様が見たがっているなんて嘘をついたこと、今でもおこっているんですよ。ウォルター様に笑われて、どれだけ恥ずかしい思いをしたか」
ニーナが冷たい視線をよこした。
ウォルターもだけど侍女のニーナも私の考えを読んでくる。
幼なじみって侮れないな、と思った。
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