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3章、貴族も楽じゃない

第23話

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 色々やってやるぞ!なんて思っている時に限って体調が悪くなる。
 生理がきた。ジュリア、生理なんかあったんだ。

 侍女のニーナに生理になったと伝えたら、
 「おめでとうございます」と祝福された。
 初潮が来たらしい。

 ライメルス王国では初潮がくると髪の毛に色とりどりのリボンを編み込んでお祝いするらしい。
 ニーナが髪にリボンを編み込もうとするから嫌がった。
 だって恥ずかしいよ、初潮がきたって宣伝しているみたい。

 「ちゃんと編み込まないと邪霊に取り憑かれてしまいますよ」とニーナに脅された。
 これが日本なら何を子供騙しなこと言っているんだと笑ってやるんだけど、ここって魔物がいるんだよ。
 本当に邪霊がいるのかもしれない。

 銀色の髪に赤、黄色、緑、青、紫、ピンク、色とりどりのリボンを編み込まれた。
 これからカーニバルに行きますって格好だよ。
 いつもの時間に寮を出るとガイがびっくりした顔で私を見た。
 それから真っ赤になった。

 「お、おめでとう」
 何で照れているんだよ。こっちが恥ずかしくなる。
 「ありがとう」
 私も真っ赤になっていると思う。どんな羞恥プレイだよ。

 日本にいた時は12歳で初潮がきた。お母さんがお赤飯を炊いて祝ってくれた。
 下の弟妹たちは気付かなかったけど、兄さんがちょっと赤くなっていて恥ずかしかった。お赤飯を炊くなんてデリカシーがないとお母さんに怒った。でもあんなの家族の中だけのことだ。

 この格好で歩いているとすれ違った人みんながお祝いを言ってくる。
 恥ずかしい、すっごい恥ずかしい。

 生理になったせいか最近はあまりなくなった貧血の目眩がしてきた。
 「ガイ、目眩がしてきたから抱っこしてくれる?」
 「そうか、そうだな。体調も悪くなるよな」
 ガイはいつもならひょいと持ち上げてくれるのに何故か躊躇っている。

 「どうかした?」
 「あのさ、触ってもいいのかな?女性に無闇に触れるのは、その‥‥」
 「今更でしょう。いつも抱っこしていてくれたのに」

 私が気持ち悪くなってグラグラしてきたら、さすがにガイが抱えてくれた。
 でも真っ赤になっている。いつも捕まっている首まで赤く染まっていた。
 意識されるとこちらも意識してしまう。

 何なんだろう。たかが初潮がきただけなのに。
 昨日までマネキンでも抱えるみたいに抱えていたじゃない。

 目が合うとガイが慌てて目を逸らした。

 落ち着かない、落ち着かない、落ち着かない。

 ガイの中で何が変わったんだろう?
 女の子扱いは慣れない。

 ガイは一日中様子がおかしかった。
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