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3章、貴族も楽じゃない
第18話
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魔力開封の儀式が終わると順番に大きな水晶のようなものに触れていく。
このシーンはゲームの中と同じだ。魔力開封の儀式はゲームには無かったけど。
この世界とあの乙女ゲームの関係はどうなっているんだろう?
私の番になり水晶に触れると金色の光が瞬いた。
水晶の光によって魔力量がわかる。
青が一番低く緑、黄色、オレンジ色、赤、最高の魔力量が金色だ。
見守っていた全員がどよめいた。
今年の1年生の中に他に金色に光ったものはいなかった。
一番魔力量が多いのが男爵家の私である。
だってヒロインだもの。ちょっと泣きたくなった。
「王族以外のものが金色に光らせるのは珍しいな。
確か先代のルアーノ公爵ぶりか、王族でも金色になるのは少ない。
私も赤止まりだ」
ジェームズ王太子の言葉に私は青くなった。
殿下が声を立てて笑った。
「別に責めているわけではない。
王国の貴族が強い魔力を持つことは良いことだ。
それにしても男爵家の者とはな」
王太子が私をじっと見つめてくる。
ジュリアのバランスの悪さが嫌になる。
体力は最弱、魔力は最高。でも魔力って戦う為にあるんだよね。魔物の前で貧血で倒れたりしたら殺されちゃうと思う。
「ジュリア・ホーン、其方にはまた会いたい」
王太子は王宮へ去るときそう言ったが私はもう会いたくない。
ジェームズ王太子はたぶん攻略対象者ではない。
権力的には最高だけど乙女ゲーム的にはちょっと地味な感じ。第2王子のエドワードに比べてイケメン度が低い。
でもそんなの関係なく王族との付き合いは遠慮したい。
恋愛でなくとも、たとえ友人だとしても、そんな権力者とまともに付き合えるスキルが自分にあるとは思えない。
「ジュリアは凄いな。金色の魔力を持つ男爵令嬢なんて聞いたことがない」
「ガイはオレンジ色だったよね。髪の色とおんなじだ」
「髪の色は魔力を表すからな。金髪や銀髪の人間は魔力が高い。青い髪は体力はあるが魔力に恵まれないと聞いている」
「ふーん、そうなんだ」
私はエドワード王子の護衛をしていた青い髪の騎士のことを思い出していた。
エドワード王子は2年生、その護衛の彼も2年生だから今ここにはいない。
王子の護衛を任されるくらいだ、相当強いのだろう。でも魔力は最弱の青い髪。一体どれほどの努力をしたのか?
私はずっと睨み付けていた感じの悪い彼の評価を、少しだけ上方修正した。
このシーンはゲームの中と同じだ。魔力開封の儀式はゲームには無かったけど。
この世界とあの乙女ゲームの関係はどうなっているんだろう?
私の番になり水晶に触れると金色の光が瞬いた。
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青が一番低く緑、黄色、オレンジ色、赤、最高の魔力量が金色だ。
見守っていた全員がどよめいた。
今年の1年生の中に他に金色に光ったものはいなかった。
一番魔力量が多いのが男爵家の私である。
だってヒロインだもの。ちょっと泣きたくなった。
「王族以外のものが金色に光らせるのは珍しいな。
確か先代のルアーノ公爵ぶりか、王族でも金色になるのは少ない。
私も赤止まりだ」
ジェームズ王太子の言葉に私は青くなった。
殿下が声を立てて笑った。
「別に責めているわけではない。
王国の貴族が強い魔力を持つことは良いことだ。
それにしても男爵家の者とはな」
王太子が私をじっと見つめてくる。
ジュリアのバランスの悪さが嫌になる。
体力は最弱、魔力は最高。でも魔力って戦う為にあるんだよね。魔物の前で貧血で倒れたりしたら殺されちゃうと思う。
「ジュリア・ホーン、其方にはまた会いたい」
王太子は王宮へ去るときそう言ったが私はもう会いたくない。
ジェームズ王太子はたぶん攻略対象者ではない。
権力的には最高だけど乙女ゲーム的にはちょっと地味な感じ。第2王子のエドワードに比べてイケメン度が低い。
でもそんなの関係なく王族との付き合いは遠慮したい。
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「ジュリアは凄いな。金色の魔力を持つ男爵令嬢なんて聞いたことがない」
「ガイはオレンジ色だったよね。髪の色とおんなじだ」
「髪の色は魔力を表すからな。金髪や銀髪の人間は魔力が高い。青い髪は体力はあるが魔力に恵まれないと聞いている」
「ふーん、そうなんだ」
私はエドワード王子の護衛をしていた青い髪の騎士のことを思い出していた。
エドワード王子は2年生、その護衛の彼も2年生だから今ここにはいない。
王子の護衛を任されるくらいだ、相当強いのだろう。でも魔力は最弱の青い髪。一体どれほどの努力をしたのか?
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