【R１８】チョロインの婚約者はモーーー大変！！！

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　最初の試練を乗り越えてホッとしたけど、攻略対象者はまだまだいる。なんせ全部で108人だ。

　学園に108人も攻略対象者がいるなんて多すぎると思った君、いい読みをしている。学園内の攻略対象者は40人程で（それだって多すぎるけど）あとは学園外にいる。敵は何処にだっているのだ。

　攻略対象者という言葉に違和感が残る。ルビーナちゃんはいつも受け身だ。攻略するんじゃなく、いつも攻略されている気がする。攻略してくる対象者、略して攻略対象者なのかな？他の乙女ゲームをしたことが無いから分かんないけど。



　ルビーナちゃんが学園に入学してすぐ、イリスさんはいい感じに友達になった。
　今まで友達がいなかったルビーナちゃんはすごく嬉しかったようだ。すぐにオレに報告に来た。

 「ローリー、わたし友達が出来たの。
　イリスさんって言ってね、凄く強いのよ。B級の冒険者なの。
　それにすっごい綺麗で素敵な人なの。」

　ルビーナちゃん、本当に嬉しそうだ。
　イリスさんが女性受けしそうだとは思っていた。銀髪を靡かせ細剣を颯爽と振るうイリスさんはオレから見てもカッコいい。

 「そんな凄い人と友達になれて良かったね。」

 「うん。」

　まるで恋でもしているようなルビーナちゃんの様子に思うところはあるけど、幸せそうだから、まっいいか。
　オレは女性には寛容だ。男の敵が108人もいるからな。

　問題はこれからだ。

　これまでのようにシナリオをしっかり把握出来ていない。やっていない攻略対象者もいるから、何処に敵がいるのか分からない。

　ゲームの時間はルビーナちゃんが学園に入学してからの一年間だ。

　一年すると婚約者のオレが学園を卒業し、ルビーナちゃんとすぐに結婚する。ルビーナちゃんは学園を途中でやめてオレの花嫁になる。

　花嫁‥‥オレのヨメ、あんなコトやこんなコトが合法的に出来る。グヘヘ。

　可愛いルビーナちゃんがオレのものになる。あと一年の辛抱だ。



　☆☆☆☆☆



　放課後、ルビーナちゃんを迎えに行くと、いつもはイリスさんと一緒にオレを待っていてくれるルビーナちゃんがいなかった。

 「ルビーナは歴史の小テストで0点を取って、ムーア先生に連れて行かれました。」

　イリスさんが報告してくれた。

　ルビーナちゃんは可愛いけど、勉強はまったく出来ない。

　前に一緒に勉強した事があるけど、興味がない事は右から左へ流れて行ってしまうみたいだ。勉強中は意識が遠くなったようにぼんやりしていて、その様子もまたカワイイ。

　って、まてオレ。ムーア先生？
　フランシス・ムーアか。やばい、あいつは攻略対象者だ。

　オレは慌ててムーア先生がいつも使っている準備室に向かって走り出した。