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春子の願い─2
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結婚式の日を最後に、一年ほどは兄からの音沙汰はなかった。
本当は様子が気になって仕方がなかったが、春子からも近況を尋ねるような手紙は送らなかった。
(お兄様は今どうしていらっしゃるかしら。お元気になさっていればいいけれど。……それにしても、アレン様からもなんの音沙汰がないのは如何なものかしら。私から手紙を送れないことはわかっているのだから、近況報告くらいしてくださればいいのに)
「男はそういうところで気を遣えないから駄目ね」
小さくため息をつくのと同時に、控えめに扉がノックされた。
「どうぞお入りください」
「失礼いたします。お嬢様宛に、こちらの書簡が届きました」
「わざわざありがとうございます。どなたから……」
侍女から封筒を受け取り宛名を確認する。
そこに綴られた名前に思わず封筒を落としそうになった。
「お兄様……っ」
「お嬢様っ、大丈夫ですか?」
「っ、取り乱してしまってすみません。あの、少し一人にしていただけますか?」
「はい、かしこまりました」
侍女が退室すると同時に、震える手で封を切った。
ドクンドクンと心臓が不規則に鼓動する。
良い知らせであればいいが、万が一離婚にまつわる話であったなら──
いや、たとえ何があっても必ず兄は自分が守る。決意を固めて、恐る恐る手紙を開いた。
『新緑が目にしみて青葉若葉のさわやかな季節となりました。
鈴蘭の花の香りが生家の垣根を思い出させます。
ご無沙汰していますが、お元気でお過ごしでしょうか? ──』
兄らしい丁寧で細かな字で綴られた文章を読み進めるたび、ぼろぼろと涙が頰を伝った。
手紙の内容は春子を気遣うものばかりで、別れの日に悪態をついたことへの怒りは微塵も感じられなかった。
優しく控えめな兄らしく、自身のことにはあまり触れていない。けれど最後に一文だけ、嬉しい報告が綴られていた。
『私たち夫夫に待望の第一子が誕生いたしました。
落ち着きましたら、親子三人でご挨拶に伺いたいと思っております。
まずは書中にてご報告申し上げます』
ああ、兄は幸せになれたのだ。
喜ばしい報告にまたしても涙が溢れた。せっかくの手紙が涙で滲んでしまう。
慌てて手巾で顔を拭い、喜びの思いを筆に乗せて返事を書いた。
それから何度か兄と手紙のやり取りを交わし、ブルストロード公主催の祝賀会にて顔を合わせる運びとなった。
「お父様もご一緒に、だなんてお兄様はどこまでお心が広いのかしら。……お父様のことを乗り越えて、今はお幸せに暮らしていらっしゃるのね」
この話を父にすればぐちぐちと文句を言われるに違いない。
兄とは正反対の父親を思い、深いため息をついた。
会場に着くなりすぐに兄の姿が目に入った。その腕にはおくるみに包まれた我が子が抱かれている。また、兄を守るようにして夫であるアレンも傍らに寄り添っている。
大勢の賓客に囲まれて、兄は恐縮しきりの様子で何度も頭を下げていた。
本日の主役たちの姿を遠目に見遣り、父が不快だと言わんばかりに顔を歪ませた。
「わざわざ出向いてやったというのに挨拶もなしか。アイツも偉くなったものだな」
「お父様、そのようなことを仰らないでください。我が家の品性が疑われますわ」
「お前こそ父親に対してなんだその口の聞き方は」
「この年まで育てていただいたことには感謝しておりますが、口の聞き方に気をつけるほど尊敬はしておりませんので」
ツンとそっぽを向いた春子の後頭部に鋭い視線が突き刺さる。
兄が隣国に嫁いでからというもの、父娘の関係は冷め切っていた。
春子が演技をやめたからというのもあるが、やはり兄の存在が欠けたことが一番の要因だった。
父は兄に辛く当たっていたが、一方の兄は常に心穏やかでその場にいるだけで空気を和やかにしてくれていた。兄の存在があったからこそ、春子も父の横暴に耐えられたのだ。
そのことを、いつか父が理解してくれる日がくればいい。そしていつか、これまでのことを心から兄に謝罪してほしいと願わずにいられなかった。
「せっかくのお祝いの場なのですから、口喧嘩で水を刺すべきではありませんわ。お父様もいい加減大人の対応をなさってください」
「お前に言われずともわかっている」
父が不機嫌そうに鼻を鳴らす。子供じみたその態度に呆れたため息をついた時、何度も夢に見た柔らかな声が春子を呼んだ。
「春子、来てくれたんだね。お迎えに行けなくてごめんね。元気そうでよかった」
「お兄様!」
人混みの中から現れた兄の姿にパァと春子の顔が華やいだ。
久々に会う兄の表情は晴れやかで、ほっと胸を撫で下ろした。
目尻に涙を浮かべる春子を見つめ、兄は以前と変わらず優しい笑みを浮かべている。
「お久しぶりです、お兄様! お元気そうで安心いたしましたわ」
「うん、久しぶり。わざわざ会いに来てくれてありがとう。もしかしたら、俺とはもう会いたくないかなって少し不安だったから……」
「まぁ、昔のことをまだ気にされてますの? アレン様のことはもう気にしておりませんから、お兄様もお気になさらないでくださいな」
「ふふ、ありがとう。……お父様もお久しぶりです」
それまでにこやかに微笑んでいた兄の表情が強張った。恐る恐るといった様子で春子の隣に立つ父に視線を向ける。
「ああ、息災なようで何よりだ」
「……ご心配をおかけして申し訳ありません。お父様もお元気そうで何よりです」
「ふん、どうせ口先だけだろう」
「いえ、そのようなことは」
「まぁいい。ああ、これはブルストロード侯爵閣下。愚息がお世話になっております。ご迷惑をおかけしていなければ良いのですが」
「ご無沙汰しております、明石公。迷惑だなんてとんでもない。息子共々、妻にはいつも助けられておりますよ」
「そうですか、それは何よりです。肇、わかっているとは思うが、くれぐれもブルストロード公にご迷惑をおかけしないようにな」
「はい、心得ております」
父と兄の間で交わされる会話を聞きながら、春子は密かに唇を噛み締めた。
父親らしいことなど何一つしてこなかったくせに、公の場でだけわざとらしく父親面をするこの男が許せなかった。
父の態度に憤りを感じたのは春子だけではないのだろう。
アレンの眼差しからは剣呑な雰囲気が感じられた。その眼差しはまるで、兄に近づくなと牽制しているようだ。
父から引き離すようにして兄の肩を抱いたアレンが、申し訳なさそうに眉を下げた。
「すみませんが、挨拶回りがまだ残っているもので。失礼します」
「ああ、それは大変失礼いたしました。ところで孫の顔を──」
「それではまた後ほど」
なおも食い下がろうとした父の声は無視され、アレンは妻の肩を抱いて颯爽と踵を返した。
遠ざかっていく二人の背中を見送り、春子は大きくため息をつく。
「お父様、いつまでお兄様に辛く当たるおつもりですか。アレン様もきっと呆れておりますわ」
「うるさい。それよりお前も早く挨拶をしてこい。お前のせいで明石家の評判が下がったらどうしてくれるつもりなんだ」
「そのお言葉、そっくりお父様にお返ししますわ」
盛大にため息をつきたくなる気持ちを押し殺し、春子は父に命じられるままに挨拶回りに向かった。
本当は様子が気になって仕方がなかったが、春子からも近況を尋ねるような手紙は送らなかった。
(お兄様は今どうしていらっしゃるかしら。お元気になさっていればいいけれど。……それにしても、アレン様からもなんの音沙汰がないのは如何なものかしら。私から手紙を送れないことはわかっているのだから、近況報告くらいしてくださればいいのに)
「男はそういうところで気を遣えないから駄目ね」
小さくため息をつくのと同時に、控えめに扉がノックされた。
「どうぞお入りください」
「失礼いたします。お嬢様宛に、こちらの書簡が届きました」
「わざわざありがとうございます。どなたから……」
侍女から封筒を受け取り宛名を確認する。
そこに綴られた名前に思わず封筒を落としそうになった。
「お兄様……っ」
「お嬢様っ、大丈夫ですか?」
「っ、取り乱してしまってすみません。あの、少し一人にしていただけますか?」
「はい、かしこまりました」
侍女が退室すると同時に、震える手で封を切った。
ドクンドクンと心臓が不規則に鼓動する。
良い知らせであればいいが、万が一離婚にまつわる話であったなら──
いや、たとえ何があっても必ず兄は自分が守る。決意を固めて、恐る恐る手紙を開いた。
『新緑が目にしみて青葉若葉のさわやかな季節となりました。
鈴蘭の花の香りが生家の垣根を思い出させます。
ご無沙汰していますが、お元気でお過ごしでしょうか? ──』
兄らしい丁寧で細かな字で綴られた文章を読み進めるたび、ぼろぼろと涙が頰を伝った。
手紙の内容は春子を気遣うものばかりで、別れの日に悪態をついたことへの怒りは微塵も感じられなかった。
優しく控えめな兄らしく、自身のことにはあまり触れていない。けれど最後に一文だけ、嬉しい報告が綴られていた。
『私たち夫夫に待望の第一子が誕生いたしました。
落ち着きましたら、親子三人でご挨拶に伺いたいと思っております。
まずは書中にてご報告申し上げます』
ああ、兄は幸せになれたのだ。
喜ばしい報告にまたしても涙が溢れた。せっかくの手紙が涙で滲んでしまう。
慌てて手巾で顔を拭い、喜びの思いを筆に乗せて返事を書いた。
それから何度か兄と手紙のやり取りを交わし、ブルストロード公主催の祝賀会にて顔を合わせる運びとなった。
「お父様もご一緒に、だなんてお兄様はどこまでお心が広いのかしら。……お父様のことを乗り越えて、今はお幸せに暮らしていらっしゃるのね」
この話を父にすればぐちぐちと文句を言われるに違いない。
兄とは正反対の父親を思い、深いため息をついた。
会場に着くなりすぐに兄の姿が目に入った。その腕にはおくるみに包まれた我が子が抱かれている。また、兄を守るようにして夫であるアレンも傍らに寄り添っている。
大勢の賓客に囲まれて、兄は恐縮しきりの様子で何度も頭を下げていた。
本日の主役たちの姿を遠目に見遣り、父が不快だと言わんばかりに顔を歪ませた。
「わざわざ出向いてやったというのに挨拶もなしか。アイツも偉くなったものだな」
「お父様、そのようなことを仰らないでください。我が家の品性が疑われますわ」
「お前こそ父親に対してなんだその口の聞き方は」
「この年まで育てていただいたことには感謝しておりますが、口の聞き方に気をつけるほど尊敬はしておりませんので」
ツンとそっぽを向いた春子の後頭部に鋭い視線が突き刺さる。
兄が隣国に嫁いでからというもの、父娘の関係は冷め切っていた。
春子が演技をやめたからというのもあるが、やはり兄の存在が欠けたことが一番の要因だった。
父は兄に辛く当たっていたが、一方の兄は常に心穏やかでその場にいるだけで空気を和やかにしてくれていた。兄の存在があったからこそ、春子も父の横暴に耐えられたのだ。
そのことを、いつか父が理解してくれる日がくればいい。そしていつか、これまでのことを心から兄に謝罪してほしいと願わずにいられなかった。
「せっかくのお祝いの場なのですから、口喧嘩で水を刺すべきではありませんわ。お父様もいい加減大人の対応をなさってください」
「お前に言われずともわかっている」
父が不機嫌そうに鼻を鳴らす。子供じみたその態度に呆れたため息をついた時、何度も夢に見た柔らかな声が春子を呼んだ。
「春子、来てくれたんだね。お迎えに行けなくてごめんね。元気そうでよかった」
「お兄様!」
人混みの中から現れた兄の姿にパァと春子の顔が華やいだ。
久々に会う兄の表情は晴れやかで、ほっと胸を撫で下ろした。
目尻に涙を浮かべる春子を見つめ、兄は以前と変わらず優しい笑みを浮かべている。
「お久しぶりです、お兄様! お元気そうで安心いたしましたわ」
「うん、久しぶり。わざわざ会いに来てくれてありがとう。もしかしたら、俺とはもう会いたくないかなって少し不安だったから……」
「まぁ、昔のことをまだ気にされてますの? アレン様のことはもう気にしておりませんから、お兄様もお気になさらないでくださいな」
「ふふ、ありがとう。……お父様もお久しぶりです」
それまでにこやかに微笑んでいた兄の表情が強張った。恐る恐るといった様子で春子の隣に立つ父に視線を向ける。
「ああ、息災なようで何よりだ」
「……ご心配をおかけして申し訳ありません。お父様もお元気そうで何よりです」
「ふん、どうせ口先だけだろう」
「いえ、そのようなことは」
「まぁいい。ああ、これはブルストロード侯爵閣下。愚息がお世話になっております。ご迷惑をおかけしていなければ良いのですが」
「ご無沙汰しております、明石公。迷惑だなんてとんでもない。息子共々、妻にはいつも助けられておりますよ」
「そうですか、それは何よりです。肇、わかっているとは思うが、くれぐれもブルストロード公にご迷惑をおかけしないようにな」
「はい、心得ております」
父と兄の間で交わされる会話を聞きながら、春子は密かに唇を噛み締めた。
父親らしいことなど何一つしてこなかったくせに、公の場でだけわざとらしく父親面をするこの男が許せなかった。
父の態度に憤りを感じたのは春子だけではないのだろう。
アレンの眼差しからは剣呑な雰囲気が感じられた。その眼差しはまるで、兄に近づくなと牽制しているようだ。
父から引き離すようにして兄の肩を抱いたアレンが、申し訳なさそうに眉を下げた。
「すみませんが、挨拶回りがまだ残っているもので。失礼します」
「ああ、それは大変失礼いたしました。ところで孫の顔を──」
「それではまた後ほど」
なおも食い下がろうとした父の声は無視され、アレンは妻の肩を抱いて颯爽と踵を返した。
遠ざかっていく二人の背中を見送り、春子は大きくため息をつく。
「お父様、いつまでお兄様に辛く当たるおつもりですか。アレン様もきっと呆れておりますわ」
「うるさい。それよりお前も早く挨拶をしてこい。お前のせいで明石家の評判が下がったらどうしてくれるつもりなんだ」
「そのお言葉、そっくりお父様にお返ししますわ」
盛大にため息をつきたくなる気持ちを押し殺し、春子は父に命じられるままに挨拶回りに向かった。
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