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「・・・・さん… ・・・ぇさん…」
意識が朦朧とする中、何処からか人の名前を呼ぶ声がする。
「ぇさん!…・・・さん! !」
(誰だ・・・誰かが呼んでる・・)
視界に靄がかかり上手く見ることは出来ない。その声は可愛らしい声をしている。
(この声は女の子だろうか…若い…)
ボヤける視界に目頭をギュっと凝視する事によって何とか人の形を捉えることが出来た。
その呼びかけはその声は段々と近くなり・・・
『…ぇさん・・・姉さん! ! !』
『はっ!』
眠っていた俺の意識は完全に覚醒する。
起きた目には何処までも続く真っ暗な
闇に染まっていた。
「ここはど・・・むぐっ」
「良かったぁ・・もう駄目なのかと…」
突如声の主の女の子は蚊の鳴くような声で喜び俺に飛びついて来た。
そして貼り付いて離れない。それはまるで粘着爆弾の様に。
(こ、この子は誰なんだ・・さっき俺の事を姉さんとか何とか言って無かったか?ってえっ!!??これって俺今女の子に抱きつかれて… !!!!!)
瞬時俺の頭は緊急事態の知らせが鳴り響く、はずが何故か今回は緊急のベルはならない。
(あれ?なんで大丈夫・・・もしかして俺が女になったからなのか?それに思ってた事なんだけど地面が異様に柔らかい。しかもさっきから目を覚ましたはずのに視界が真っ暗…・・・!?)
理解した時すでに遅し、
柔らかく巨大な"何か"がふたつ自分の頭の上に置かれている訳で。
『ギァァァアアアアアーーー!!!(奇声)』
女子かの如くすぐさま女の子から飛び跳ねる様に距離をとった。
心臓がバクバクと鼓動が早くなる音が相手にも伝わるレベルで感じ取れる。
「ね、姉さん? どうしたのですか? いきなり飛び跳ねたりなんかして・・・顔色も悪いし、具合が良くないのでは・・?」
オドオドと俺の身体を気遣ってくれる女の子。髪はショートでデカイメロンパン2つが印象強く、思わず凝視してしまいそうになりすぐさま目をそらす。
(さっきから俺の事を姉さんと言ってくるけどこの子は誰なんだ?)
何も分からないのは歯がゆい。そこで俺は女の子と話をする事を決意した。
(女の子と会話するのはいつぶりだろうか、一体何から話せば良い?どうしよう何も思いつかない・・・)
汗がダラダラと流れ始める。勇気を振り絞り声を発した。
「君は・・・誰・・なの?」
俺は震えた声で精一杯問いかけた。
女の子は顔を斜めに曲げとぼけ顔で
「何言ってるんですか姉さん… ?? 私は
貴方の"妹"ではありませんか。」
目の前に居るのは美少女巨乳の妹であった。
いやいや、いくら何でもないな、ない。
しかし俺は確認の為、あくまで確認のためにもう一度問いかける。
「本当に妹なの?正真正銘の?」
「さっきから何言ってるのですか姉さん!やはり何処か具合が悪いのでは・・・」
心配してくれる辺り本当なのか、
つまり俺の人生初の膝枕が妹(♂)となった・・事は言うまでもないだろう。
【俺には出来すぎた弟が居る】
生前、これは俺が現実世界に居た時の話だ。俺には2つ歳の離れた弟が居た。名前は秋、
あきに見えるがしゅうと読む。成績優秀スポーツ万能オマケに顔はイケメンかつ性格最高と来た。まるで漫画やアニメの主人公キャラに居そうな。
それに比べて俺は成績普通スポーツ普通顔普通取り柄がないのが俺、拓馬だ。
それが妹になった…
「所で何も変わってねーじゃねーか!!!むしろ精神的ダメージデカすぎるだろーが!!!!」
(異世界でも勝ち組かよ! てか美女で巨乳でズルすぎるだろ!? こいつが妹じゃなかったらコロッと逝きかけてましたけど!?)
ビックリして腰を抜かす美女(♂)を見ながら俺は大きく溜息をつき深く悩んだ末、
とほほと悲しみに暮れながらまずはここの空間について情報を集める事に決めたのであった 。
意識が朦朧とする中、何処からか人の名前を呼ぶ声がする。
「ぇさん!…・・・さん! !」
(誰だ・・・誰かが呼んでる・・)
視界に靄がかかり上手く見ることは出来ない。その声は可愛らしい声をしている。
(この声は女の子だろうか…若い…)
ボヤける視界に目頭をギュっと凝視する事によって何とか人の形を捉えることが出来た。
その呼びかけはその声は段々と近くなり・・・
『…ぇさん・・・姉さん! ! !』
『はっ!』
眠っていた俺の意識は完全に覚醒する。
起きた目には何処までも続く真っ暗な
闇に染まっていた。
「ここはど・・・むぐっ」
「良かったぁ・・もう駄目なのかと…」
突如声の主の女の子は蚊の鳴くような声で喜び俺に飛びついて来た。
そして貼り付いて離れない。それはまるで粘着爆弾の様に。
(こ、この子は誰なんだ・・さっき俺の事を姉さんとか何とか言って無かったか?ってえっ!!??これって俺今女の子に抱きつかれて… !!!!!)
瞬時俺の頭は緊急事態の知らせが鳴り響く、はずが何故か今回は緊急のベルはならない。
(あれ?なんで大丈夫・・・もしかして俺が女になったからなのか?それに思ってた事なんだけど地面が異様に柔らかい。しかもさっきから目を覚ましたはずのに視界が真っ暗…・・・!?)
理解した時すでに遅し、
柔らかく巨大な"何か"がふたつ自分の頭の上に置かれている訳で。
『ギァァァアアアアアーーー!!!(奇声)』
女子かの如くすぐさま女の子から飛び跳ねる様に距離をとった。
心臓がバクバクと鼓動が早くなる音が相手にも伝わるレベルで感じ取れる。
「ね、姉さん? どうしたのですか? いきなり飛び跳ねたりなんかして・・・顔色も悪いし、具合が良くないのでは・・?」
オドオドと俺の身体を気遣ってくれる女の子。髪はショートでデカイメロンパン2つが印象強く、思わず凝視してしまいそうになりすぐさま目をそらす。
(さっきから俺の事を姉さんと言ってくるけどこの子は誰なんだ?)
何も分からないのは歯がゆい。そこで俺は女の子と話をする事を決意した。
(女の子と会話するのはいつぶりだろうか、一体何から話せば良い?どうしよう何も思いつかない・・・)
汗がダラダラと流れ始める。勇気を振り絞り声を発した。
「君は・・・誰・・なの?」
俺は震えた声で精一杯問いかけた。
女の子は顔を斜めに曲げとぼけ顔で
「何言ってるんですか姉さん… ?? 私は
貴方の"妹"ではありませんか。」
目の前に居るのは美少女巨乳の妹であった。
いやいや、いくら何でもないな、ない。
しかし俺は確認の為、あくまで確認のためにもう一度問いかける。
「本当に妹なの?正真正銘の?」
「さっきから何言ってるのですか姉さん!やはり何処か具合が悪いのでは・・・」
心配してくれる辺り本当なのか、
つまり俺の人生初の膝枕が妹(♂)となった・・事は言うまでもないだろう。
【俺には出来すぎた弟が居る】
生前、これは俺が現実世界に居た時の話だ。俺には2つ歳の離れた弟が居た。名前は秋、
あきに見えるがしゅうと読む。成績優秀スポーツ万能オマケに顔はイケメンかつ性格最高と来た。まるで漫画やアニメの主人公キャラに居そうな。
それに比べて俺は成績普通スポーツ普通顔普通取り柄がないのが俺、拓馬だ。
それが妹になった…
「所で何も変わってねーじゃねーか!!!むしろ精神的ダメージデカすぎるだろーが!!!!」
(異世界でも勝ち組かよ! てか美女で巨乳でズルすぎるだろ!? こいつが妹じゃなかったらコロッと逝きかけてましたけど!?)
ビックリして腰を抜かす美女(♂)を見ながら俺は大きく溜息をつき深く悩んだ末、
とほほと悲しみに暮れながらまずはここの空間について情報を集める事に決めたのであった 。
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