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第19章 150年目の鉄道の日 at 鉄道博物館
150年目の鉄道の日③
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車両ステーションに足を踏み入れると、最初に出迎えてくれるのは蒸気機関車だ。
「おお、これこれ」
早歩き気味に、最初の展示に近寄る。側まで寄って見上げてみると、こじんまりとした黒い鉄の塊が静かに鎮座していた。
「小さな機関車」
感嘆の声を上げるひばり。
「だよね。でもね、こんな小さな子が日本の鉄道史の始まりだったんだよ」
先頭には金色の文字で『1』と記されている。
「1号機関車ってやつだよ」
「1号機関車?」
「そう。日本初の鉄道を開業するときに、イギリスから輸入された蒸気機関車の1つでね。一番最初に日本に来たから、1号機関車なんだよ」
ひばりを挟みながら、私とさくらが解説する形。
「そうなの。じゃあ、この子が最初の鉄道なのね」
「そういうことになるかな」
「あんま使い勝手は良くなかったみたいだけどな」
「って聞くよね」
改装するのに苦心したとかなんとか。そんな逸話は聞いたことがある。
「で、こっちは新橋駅のホームを再現したものだね」
1号機関車に隣接したホームへと上がる。日本の鉄道は新橋~横浜間が最初の開業だ。つまり、鉄道始まりの地を再現した姿ということになる。
「でも、今の新橋ではないのよね?」
「そうそう」
当時の新橋駅は後に汐留駅という貨物駅になる。現在の新橋駅とは、名前が同じだけで異なる駅なのだ。ちなみに、旧新橋停留場は当時の場所に当時の駅舎を再現する形で資料館がオープンしている。そっちも今度行ってみようかな。
新橋駅の再現ホームを降りると、更に別の蒸気機関車たちが出迎えてくれる。弁慶号に善光号、9850形蒸気機関車。どれも鉄道黎明期を支えた輸入型蒸気機関車だ。
車両を下から覗けたり、内部の構造がわかるように開かれていたりと、どれも中々に興味深い。
蒸気機関車のゾーンを抜けると、今度は客車や電気機関車が出迎えてくれる。
「ほら、これとか昔の三等客車だよ」
客車の一部を切り取った展示だ。座席にも座れるみたい。
木張りの床は、踏みしめるとギシギシと音が鳴る。座席も、壁も、天井も、全てが木造だ。温かい色合いの電球が車内を照らす。茶色の塗装が光を反射してピカピカと光っていた。
実際に座ってみると、改修されているおかげか座り心地は悪くなかった。緑色のモケットだけが異質な存在感を放っている。ここだけ木じゃないから。
「まだ窓ガラスもなかった時代だものね」
窓には何もはめられていない。手を伸ばすと、何物にも邪魔されることなく外まで腕を伸ばせた。こりゃ、手や足を出してたような人もいただろうな、当時。
「結構狭いのね」
「確かにね」
2人並んで座るだけでもぎゅうぎゅう。向かいの座席に膝頭がぶつかってしまうほど、シートピッチも狭かった。
「昔の人の体格に合わせて作られてるからじゃね?」
「昔の人はこんなに体が小さかったのね」
それには同意だ。欧州の血が入っているひばりはともかく、私でも窮屈に感じるくらい狭い。現代人の体格がいかに大きくなっているかがわかる。なるほど、鉄道1つとってもこうした発見があるのか。
次に私たちが向かったのは、オハ31形客車。戦前とはいえ、昭和に製造された車両だ。流石に我々のイメージする客車という形ができあがっている。
こちらも中に入ることができた。クロスシート主体の木製の座席。車内中央には、だるまストーブが設置されていた。どうも、津軽鉄道に譲渡後、ストーブ列車として使われていたらしい。このストーブは津軽鉄道時代の名残ということだ。
オハ31を後にすると、連なるように並んでいるのはクモハ40形電車。焦げ茶色に染められた両運転台の車両は、いわゆる旧型国電というやつだ。いよいよ電車が登場し始めた。
御茶ノ水駅を再現したホームに隣接している。サボも立川と書かれているし、どうやら中央線を再現しているらしい。
車内はオールロングシート。いかにも通勤型車両という趣だ。相変わらず木製なので、床がギシギシ鳴る。昔はこんなので通勤していたのだろう。
混雑はどうだったのだろうか。どれだけ人を捌けたのだろう。中央線といえば、今は都内屈指の混雑度を誇る路線だ。当時はどうだったのだろう。
車両の端まで向かう。運転席がある。非常に狭い。人1人、ようやく入れるくらいの大きさだろう。
「なんだか路面電車みたいね」
ひばりの感想が言い得て妙だった。
御茶ノ水駅のホームを降りて、EF55形電気機関車の前を抜けると、いよいよ車両ステーションの中心だ。転車台とC57形蒸気機関車が置かれている。
そのC57に背を向けて、頭上を指さした。
「ひばり、見て」
EF55の隣に並ぶように立つ信号機を示す。
「あれが腕木式信号機だよ」
「腕木式?」
「こないだ銚子電鉄の車庫で見たろ? あれだよ、あれ」
「ああ! これがそうなのね!」
銚子電鉄の車庫で、腕木式信号機の部品を見たのは記憶に新しい。あれからずっと、ひばりに本物の腕木式信号機を見せてあげたいと思っていたのだ。やっとそれが叶った。
「信号の横から赤い棒が出てるでしょ? あれが腕木っていって、あれを上下させて信号を現示するんだよ」
ちなみに、今は真横に伸びているので停止現示だ。あれが下に下がると、進行現示になる。
「流石みずほさん。よくご存じね」
「そ、そんなことないよ」
やめろやめろ、褒めるな。照れるじゃないか。
「……」
「何?」
さくらがジトッと私を見つめていた。
「いや、なんでも。次行こうぜ」
何よ、全く。まあ、良いか。転車台を超えて次のゾーンへと向かう。
ここからは、戦後の電車ゾーンだ。特急車や急行車がズラリと並んでいる。
「あら?」
その中の1つ、ボンネット型の特急電車にひばりが反応した。クハ481だ。
「ひばりって私?」
引き寄せられるように近づいていく。流石にこのくらいの電車特急になってくると、見上げると大きい。先頭にはデカデカと『ひばり』と記されていた。
「特急ひばりだな」
「上野から仙台を結んでいた特急だね」
ひばりは興奮気味にヘッドマークを指さしていた。
「ひばり! 私!」
初めて会ったときからずっと思っていたのだ。かつての特急ひばりと名前が同じだな、と。
そんなこと言ったら私とさくらだって同じなんだけど。
でも、彼女と親交を持てたのは、ひょっとしたら運命なんじゃないか。そう思えたのは、私もさくらも、そしてひばりも、全員かつての特急列車の愛称と同じ名前を持っているという共通点があったからなのだ。
「写真撮ってあげようか?」
「本当に!? 良いの!?」
すごく嬉しそう。
彼女は特急ひばりの存在を知らなかったのだろう。まるで運命の出会いかのようなはしゃぎぶりだ。大人っぽい彼女のそんな姿を見られたのは、ちょっぴり新鮮で嬉しいかも。目の前の国鉄型特急に感謝しないといけない。ありがとう。
特急ひばりと写真を撮り終えたひばりは、なおも「私と同じ名前の特急さん……」と恍惚そうな表情を浮かべていた。そんな彼女の姿も、こっそり写真に撮っておいた。
「盗撮かよ」とさくらからツッコまれたが、これは断じてそういうわけではない。彼女はどうせ嫌がらない。後でオッケーしてくれる。だから、問題ないのだ。言い訳すると、またキモいとかなんとか罵声が飛びそうだからやめておいたけど。
このゾーンは、いわゆる国鉄型の宝庫のような場所だ。クハ481に限らず、急行型の455系、直流用特急車の181系、そして寝台特急あさかぜに使われていたブルートレインこと20系寝台客車。一度は乗ってみたかったような車両が、ずらりと並んでいるのだ。
そして、極めつけは200系新幹線。東北・上越新幹線で主力として活躍していた懐かしの新幹線だ。まるっとした先頭車が可愛らしく、クリーム色に緑色のラインという懐かしのカラーリング。車両ステーションのトリを飾るに相応しい車両と言えた。
「なんか、ここまで来ると随分時間経った感じするよな」
200系新幹線の3人用座席について数秒。しんみりとさくらが切り出した。
「まあ、1号機関車から色んな時代の車両見てきたからね」
ここまで見切るのに1時間ちょっとは経っただろうか。それだけの時間で、およそ100年分の鉄道の歴史を振り返ってきたのだ。なんだか少し疲れたような気分。まだまだ展示はいっぱいあるんだけどね。
「流石に200系はさ、乗ったことあるからさ、なんか思い入れ出ちゃうよな」
「わかる。一緒にラストラン行ったよね」
もう10年くらい前だろうか。さくらのお父さんに連れられて行ったんだっけ。
そうか、この子は私の記憶の中に存在する子なんだ。1号機関車とかボンネット特急とか、資料としてしか知らない車両じゃない。
そう思うと、本当に鉄道の歴史を一瞬で網羅していったんだなと実感できた。時間の流れって、想像以上にあっという間なんだなぁ。
「鉄道開業150年の日に相応しいものを見たのかもね」
「かもな」
やっぱり鉄道博物館ってすごい。今日という日にここに来られて、本当に良かったと思う。
「私もラストランとか行ってみたかったわね」
「ひばりは……そっか」
そういう友達いなかったんだっけ。
「これから一緒に思い出作っていけば良いよ。私たちと一緒にさ」
「ええ。ありがとう。私もそのつもりよ」
うん。彼女が前向きなら、私は安心だ。
「よっし。じゃあ、次行こうか」
「次は何見る?」
「そりゃ決まってるよ」
まだもう1つ、車両ステーションの展示を見ていないのだから。
「0系を見に行こう!」
「おお、これこれ」
早歩き気味に、最初の展示に近寄る。側まで寄って見上げてみると、こじんまりとした黒い鉄の塊が静かに鎮座していた。
「小さな機関車」
感嘆の声を上げるひばり。
「だよね。でもね、こんな小さな子が日本の鉄道史の始まりだったんだよ」
先頭には金色の文字で『1』と記されている。
「1号機関車ってやつだよ」
「1号機関車?」
「そう。日本初の鉄道を開業するときに、イギリスから輸入された蒸気機関車の1つでね。一番最初に日本に来たから、1号機関車なんだよ」
ひばりを挟みながら、私とさくらが解説する形。
「そうなの。じゃあ、この子が最初の鉄道なのね」
「そういうことになるかな」
「あんま使い勝手は良くなかったみたいだけどな」
「って聞くよね」
改装するのに苦心したとかなんとか。そんな逸話は聞いたことがある。
「で、こっちは新橋駅のホームを再現したものだね」
1号機関車に隣接したホームへと上がる。日本の鉄道は新橋~横浜間が最初の開業だ。つまり、鉄道始まりの地を再現した姿ということになる。
「でも、今の新橋ではないのよね?」
「そうそう」
当時の新橋駅は後に汐留駅という貨物駅になる。現在の新橋駅とは、名前が同じだけで異なる駅なのだ。ちなみに、旧新橋停留場は当時の場所に当時の駅舎を再現する形で資料館がオープンしている。そっちも今度行ってみようかな。
新橋駅の再現ホームを降りると、更に別の蒸気機関車たちが出迎えてくれる。弁慶号に善光号、9850形蒸気機関車。どれも鉄道黎明期を支えた輸入型蒸気機関車だ。
車両を下から覗けたり、内部の構造がわかるように開かれていたりと、どれも中々に興味深い。
蒸気機関車のゾーンを抜けると、今度は客車や電気機関車が出迎えてくれる。
「ほら、これとか昔の三等客車だよ」
客車の一部を切り取った展示だ。座席にも座れるみたい。
木張りの床は、踏みしめるとギシギシと音が鳴る。座席も、壁も、天井も、全てが木造だ。温かい色合いの電球が車内を照らす。茶色の塗装が光を反射してピカピカと光っていた。
実際に座ってみると、改修されているおかげか座り心地は悪くなかった。緑色のモケットだけが異質な存在感を放っている。ここだけ木じゃないから。
「まだ窓ガラスもなかった時代だものね」
窓には何もはめられていない。手を伸ばすと、何物にも邪魔されることなく外まで腕を伸ばせた。こりゃ、手や足を出してたような人もいただろうな、当時。
「結構狭いのね」
「確かにね」
2人並んで座るだけでもぎゅうぎゅう。向かいの座席に膝頭がぶつかってしまうほど、シートピッチも狭かった。
「昔の人の体格に合わせて作られてるからじゃね?」
「昔の人はこんなに体が小さかったのね」
それには同意だ。欧州の血が入っているひばりはともかく、私でも窮屈に感じるくらい狭い。現代人の体格がいかに大きくなっているかがわかる。なるほど、鉄道1つとってもこうした発見があるのか。
次に私たちが向かったのは、オハ31形客車。戦前とはいえ、昭和に製造された車両だ。流石に我々のイメージする客車という形ができあがっている。
こちらも中に入ることができた。クロスシート主体の木製の座席。車内中央には、だるまストーブが設置されていた。どうも、津軽鉄道に譲渡後、ストーブ列車として使われていたらしい。このストーブは津軽鉄道時代の名残ということだ。
オハ31を後にすると、連なるように並んでいるのはクモハ40形電車。焦げ茶色に染められた両運転台の車両は、いわゆる旧型国電というやつだ。いよいよ電車が登場し始めた。
御茶ノ水駅を再現したホームに隣接している。サボも立川と書かれているし、どうやら中央線を再現しているらしい。
車内はオールロングシート。いかにも通勤型車両という趣だ。相変わらず木製なので、床がギシギシ鳴る。昔はこんなので通勤していたのだろう。
混雑はどうだったのだろうか。どれだけ人を捌けたのだろう。中央線といえば、今は都内屈指の混雑度を誇る路線だ。当時はどうだったのだろう。
車両の端まで向かう。運転席がある。非常に狭い。人1人、ようやく入れるくらいの大きさだろう。
「なんだか路面電車みたいね」
ひばりの感想が言い得て妙だった。
御茶ノ水駅のホームを降りて、EF55形電気機関車の前を抜けると、いよいよ車両ステーションの中心だ。転車台とC57形蒸気機関車が置かれている。
そのC57に背を向けて、頭上を指さした。
「ひばり、見て」
EF55の隣に並ぶように立つ信号機を示す。
「あれが腕木式信号機だよ」
「腕木式?」
「こないだ銚子電鉄の車庫で見たろ? あれだよ、あれ」
「ああ! これがそうなのね!」
銚子電鉄の車庫で、腕木式信号機の部品を見たのは記憶に新しい。あれからずっと、ひばりに本物の腕木式信号機を見せてあげたいと思っていたのだ。やっとそれが叶った。
「信号の横から赤い棒が出てるでしょ? あれが腕木っていって、あれを上下させて信号を現示するんだよ」
ちなみに、今は真横に伸びているので停止現示だ。あれが下に下がると、進行現示になる。
「流石みずほさん。よくご存じね」
「そ、そんなことないよ」
やめろやめろ、褒めるな。照れるじゃないか。
「……」
「何?」
さくらがジトッと私を見つめていた。
「いや、なんでも。次行こうぜ」
何よ、全く。まあ、良いか。転車台を超えて次のゾーンへと向かう。
ここからは、戦後の電車ゾーンだ。特急車や急行車がズラリと並んでいる。
「あら?」
その中の1つ、ボンネット型の特急電車にひばりが反応した。クハ481だ。
「ひばりって私?」
引き寄せられるように近づいていく。流石にこのくらいの電車特急になってくると、見上げると大きい。先頭にはデカデカと『ひばり』と記されていた。
「特急ひばりだな」
「上野から仙台を結んでいた特急だね」
ひばりは興奮気味にヘッドマークを指さしていた。
「ひばり! 私!」
初めて会ったときからずっと思っていたのだ。かつての特急ひばりと名前が同じだな、と。
そんなこと言ったら私とさくらだって同じなんだけど。
でも、彼女と親交を持てたのは、ひょっとしたら運命なんじゃないか。そう思えたのは、私もさくらも、そしてひばりも、全員かつての特急列車の愛称と同じ名前を持っているという共通点があったからなのだ。
「写真撮ってあげようか?」
「本当に!? 良いの!?」
すごく嬉しそう。
彼女は特急ひばりの存在を知らなかったのだろう。まるで運命の出会いかのようなはしゃぎぶりだ。大人っぽい彼女のそんな姿を見られたのは、ちょっぴり新鮮で嬉しいかも。目の前の国鉄型特急に感謝しないといけない。ありがとう。
特急ひばりと写真を撮り終えたひばりは、なおも「私と同じ名前の特急さん……」と恍惚そうな表情を浮かべていた。そんな彼女の姿も、こっそり写真に撮っておいた。
「盗撮かよ」とさくらからツッコまれたが、これは断じてそういうわけではない。彼女はどうせ嫌がらない。後でオッケーしてくれる。だから、問題ないのだ。言い訳すると、またキモいとかなんとか罵声が飛びそうだからやめておいたけど。
このゾーンは、いわゆる国鉄型の宝庫のような場所だ。クハ481に限らず、急行型の455系、直流用特急車の181系、そして寝台特急あさかぜに使われていたブルートレインこと20系寝台客車。一度は乗ってみたかったような車両が、ずらりと並んでいるのだ。
そして、極めつけは200系新幹線。東北・上越新幹線で主力として活躍していた懐かしの新幹線だ。まるっとした先頭車が可愛らしく、クリーム色に緑色のラインという懐かしのカラーリング。車両ステーションのトリを飾るに相応しい車両と言えた。
「なんか、ここまで来ると随分時間経った感じするよな」
200系新幹線の3人用座席について数秒。しんみりとさくらが切り出した。
「まあ、1号機関車から色んな時代の車両見てきたからね」
ここまで見切るのに1時間ちょっとは経っただろうか。それだけの時間で、およそ100年分の鉄道の歴史を振り返ってきたのだ。なんだか少し疲れたような気分。まだまだ展示はいっぱいあるんだけどね。
「流石に200系はさ、乗ったことあるからさ、なんか思い入れ出ちゃうよな」
「わかる。一緒にラストラン行ったよね」
もう10年くらい前だろうか。さくらのお父さんに連れられて行ったんだっけ。
そうか、この子は私の記憶の中に存在する子なんだ。1号機関車とかボンネット特急とか、資料としてしか知らない車両じゃない。
そう思うと、本当に鉄道の歴史を一瞬で網羅していったんだなと実感できた。時間の流れって、想像以上にあっという間なんだなぁ。
「鉄道開業150年の日に相応しいものを見たのかもね」
「かもな」
やっぱり鉄道博物館ってすごい。今日という日にここに来られて、本当に良かったと思う。
「私もラストランとか行ってみたかったわね」
「ひばりは……そっか」
そういう友達いなかったんだっけ。
「これから一緒に思い出作っていけば良いよ。私たちと一緒にさ」
「ええ。ありがとう。私もそのつもりよ」
うん。彼女が前向きなら、私は安心だ。
「よっし。じゃあ、次行こうか」
「次は何見る?」
「そりゃ決まってるよ」
まだもう1つ、車両ステーションの展示を見ていないのだから。
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