5 / 27
ご
しおりを挟む
「フラット様…?そんなに笑われてどうされたのですか?」
「ああ…話を中断してすまないね。続けてくれ。」
何だろう…このフラット様って人の声。興味がまったく無さそうな感じがする。
サラと浮気していたのに何でこの話に興味が無いんだろう…。
「それでは…サラ、婚約は君の有責で破棄させてもらうよ。金輪際、俺達に関わらないでくれ。」
「レン…ごめんなさい。私は真実の愛に目覚めてしまったの。こればかりは誰にもコントロールできないの。だから分かってちょうだい。フラット様、そうですよね。」
「ん?ああ、サラはレンと別れてしまうんだね。だったら僕ともお別れだね。」
「え?」
あれ?何だか予想外の展開になってる気がするわ。
「僕は君が婚約者がいるにも関わらず近寄って来るのが面白くて一緒にいたからね。別れてしまうならただの擦り寄ってくる女でしょう?興味なんてないよ。」
「そんな!嘘よっ!!」
「僕は君みたいに嘘なんてつかないよ。僕は君に愛してるなんて言った?キスやハグをしたかな?自分に酔ってないでちゃんと聞いていたら分かったはずだよ。」
サラもこのフラットって人も酷い…。
人の心を弄ぶなんて最低!
「あ、あぁ…レ、レン!私フラット様に騙されていたのっ!やっぱり私の理解者は貴方だけっ!!」
「気安く呼ばないでくれ。先程の言葉が覆ることは無い。」
「あ…そんな……。」
レン兄さま意外と平気そうな声をしているわね。
良かった。次は素敵な人を見つけて欲しいな。
「レン兄さま、帰りましょう。」
「ミシュ、ごめんよ。こんな醜い場面に立ち会わせてしまった。帰ろう。ヘンリーもすまない。」
「いや、気にするな。それよりレンの悪縁が切れた事を喜ぼう。」
しゃがみこむサラを無視してレン兄さまは私の車椅子を押した。緩やかな坂だけど帰りは傾きが少し怖いな。車椅子から落ちてしまいそう…。
「レン、車椅子で下るのは些か危ない。ミシュミラン嬢を抱き抱えても良いか?」
「ヘンリー…それは俺が担当するから車椅子を頼む。」
「………分かった。」
何だろう。今のやり取り…ヘンリー様の言葉の起伏が激しかったけどレン兄さまはまた怖い感じだったわ。
実は二人は仲が良くないのかしら…。
レン兄さまに横抱きにされると落ちないように首に腕をまわす。
「ああ、待ってくれ。」
私たちを呼び止めたのはサラの浮気相手のフラットだった。
立場的にはフラットの方が上なので無視する事もできず、レン兄さまは仕方なく身体ごと振り返り私もフラットに向き合うかたちになってしまった。
「君の名前を教えてくれないか?」
「俺……ですか?」
「…分かっていて言ってるね?」
何だか二人とも怖い空気だしてる…。
「ああ、僕が名乗っていないのが悪いのか。僕はフラット・バルリヲだ。兄思いの君の名前を教えてくれないかい?」
「私はミシュミラン・ブルノットと申します。」
「ミシュミラン嬢。次は爽やかな空気の場所で会おう。」
「ああ…話を中断してすまないね。続けてくれ。」
何だろう…このフラット様って人の声。興味がまったく無さそうな感じがする。
サラと浮気していたのに何でこの話に興味が無いんだろう…。
「それでは…サラ、婚約は君の有責で破棄させてもらうよ。金輪際、俺達に関わらないでくれ。」
「レン…ごめんなさい。私は真実の愛に目覚めてしまったの。こればかりは誰にもコントロールできないの。だから分かってちょうだい。フラット様、そうですよね。」
「ん?ああ、サラはレンと別れてしまうんだね。だったら僕ともお別れだね。」
「え?」
あれ?何だか予想外の展開になってる気がするわ。
「僕は君が婚約者がいるにも関わらず近寄って来るのが面白くて一緒にいたからね。別れてしまうならただの擦り寄ってくる女でしょう?興味なんてないよ。」
「そんな!嘘よっ!!」
「僕は君みたいに嘘なんてつかないよ。僕は君に愛してるなんて言った?キスやハグをしたかな?自分に酔ってないでちゃんと聞いていたら分かったはずだよ。」
サラもこのフラットって人も酷い…。
人の心を弄ぶなんて最低!
「あ、あぁ…レ、レン!私フラット様に騙されていたのっ!やっぱり私の理解者は貴方だけっ!!」
「気安く呼ばないでくれ。先程の言葉が覆ることは無い。」
「あ…そんな……。」
レン兄さま意外と平気そうな声をしているわね。
良かった。次は素敵な人を見つけて欲しいな。
「レン兄さま、帰りましょう。」
「ミシュ、ごめんよ。こんな醜い場面に立ち会わせてしまった。帰ろう。ヘンリーもすまない。」
「いや、気にするな。それよりレンの悪縁が切れた事を喜ぼう。」
しゃがみこむサラを無視してレン兄さまは私の車椅子を押した。緩やかな坂だけど帰りは傾きが少し怖いな。車椅子から落ちてしまいそう…。
「レン、車椅子で下るのは些か危ない。ミシュミラン嬢を抱き抱えても良いか?」
「ヘンリー…それは俺が担当するから車椅子を頼む。」
「………分かった。」
何だろう。今のやり取り…ヘンリー様の言葉の起伏が激しかったけどレン兄さまはまた怖い感じだったわ。
実は二人は仲が良くないのかしら…。
レン兄さまに横抱きにされると落ちないように首に腕をまわす。
「ああ、待ってくれ。」
私たちを呼び止めたのはサラの浮気相手のフラットだった。
立場的にはフラットの方が上なので無視する事もできず、レン兄さまは仕方なく身体ごと振り返り私もフラットに向き合うかたちになってしまった。
「君の名前を教えてくれないか?」
「俺……ですか?」
「…分かっていて言ってるね?」
何だか二人とも怖い空気だしてる…。
「ああ、僕が名乗っていないのが悪いのか。僕はフラット・バルリヲだ。兄思いの君の名前を教えてくれないかい?」
「私はミシュミラン・ブルノットと申します。」
「ミシュミラン嬢。次は爽やかな空気の場所で会おう。」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
夫の幼馴染が毎晩のように遊びにくる
ヘロディア
恋愛
数年前、主人公は結婚した。夫とは大学時代から知り合いで、五年ほど付き合った後に結婚を決めた。
正直結構ラブラブな方だと思っている。喧嘩の一つや二つはあるけれど、仲直りも早いし、お互いの嫌なところも受け入れられるくらいには愛しているつもりだ。
そう、あの女が私の前に立ちはだかるまでは…
さよなら私の愛しい人
ペン子
恋愛
由緒正しき大店の一人娘ミラは、結婚して3年となる夫エドモンに毛嫌いされている。二人は親によって決められた政略結婚だったが、ミラは彼を愛してしまったのだ。邪険に扱われる事に慣れてしまったある日、エドモンの口にした一言によって、崩壊寸前の心はいとも簡単に砕け散った。「お前のような役立たずは、死んでしまえ」そしてミラは、自らの最期に向けて動き出していく。
※5月30日無事完結しました。応援ありがとうございます!
※小説家になろう様にも別名義で掲載してます。
(完)私を裏切る夫は親友と心中する
青空一夏
恋愛
前編・中編・後編の3話
私を裏切って長年浮気をし子供まで作っていた夫。懲らしめようとした私は・・・・・・
異世界中世ヨーロッパ風。R15大人向き。内容はにやりとくるざまぁで復讐もの。ゆるふわ設定ご都合主義。
※携帯電話・テレビのある異世界中世ヨーロッパ風。当然、携帯にカメラも録音機能もありです。
「君を愛することはない」の言葉通り、王子は生涯妻だけを愛し抜く。
長岡更紗
恋愛
子どもができない王子と王子妃に、側室が迎えられた話。
*1話目王子妃視点、2話目王子視点、3話目側室視点、4話王視点です。
*不妊の表現があります。許容できない方はブラウザバックをお願いします。
*他サイトにも投稿していまし。
旦那様の様子がおかしいのでそろそろ離婚を切り出されるみたいです。
バナナマヨネーズ
恋愛
とある王国の北部を治める公爵夫婦は、すべての領民に愛されていた。
しかし、公爵夫人である、ギネヴィアは、旦那様であるアルトラーディの様子がおかしいことに気が付く。
最近、旦那様の様子がおかしい気がする……。
わたしの顔を見て、何か言いたそうにするけれど、結局何も言わない旦那様。
旦那様と結婚して十年の月日が経過したわ。
当時、十歳になったばかりの幼い旦那様と、見た目十歳くらいのわたし。
とある事情で荒れ果てた北部を治めることとなった旦那様を支える為、結婚と同時に北部へ住処を移した。
それから十年。
なるほど、とうとうその時が来たのね。
大丈夫よ。旦那様。ちゃんと離婚してあげますから、安心してください。
一人の女性を心から愛する旦那様(超絶妻ラブ)と幼い旦那様を立派な紳士へと育て上げた一人の女性(合法ロリ)の二人が紡ぐ、勘違いから始まり、運命的な恋に気が付き、真実の愛に至るまでの物語。
全36話
(完結)私はあなた方を許しますわ(全5話程度)
青空一夏
恋愛
従姉妹に夢中な婚約者。婚約破棄をしようと思った矢先に、私の死を望む婚約者の声をきいてしまう。
だったら、婚約破棄はやめましょう。
ふふふ、裏切っていたあなた方まとめて許して差し上げますわ。どうぞお幸せに!
悲しく切ない世界。全5話程度。それぞれの視点から物語がすすむ方式。後味、悪いかもしれません。ハッピーエンドではありません!
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる