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格の違いは身をもって
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マリアは掌に小さなファイヤーボールをつくりだした。
「皆様ドラゴンのスペックを正しく理解していらっしゃらないようですので教えて差し上げます。まずは彼らのファイヤーブレス!放たれればこの様になります。」
マリアはファイヤーボールを真上に放り投げた。
小さなファイヤーボールは天井に穴を空けながら昇っていき城の屋根を突き破ると爆発し部屋の天井は綺麗さっぱり無くなった。
その威力に皆が口を開け間抜けな顔をしているがマリアはそんな事は構わずまた喋り出す。
「彼らの武器はファイヤーブレスだけではありません。その爪は鋭く切り裂かれれば致命傷ですが、素早く腕を振れば疾風を生むこともできるのです。」
マリアは正面に手をかざすと風の刃を放った。
正面に居た者たちは瞬時にしゃがみこみその刃より逃れたがそれにより壁と壁に飾られていた王族の絵姿が切り裂かれ大きく抉れた壁に皆が顔を真っ青にした。
「貴方が束になってもドラゴンは適う存在ではありません。お分かり頂けましたね?」
最早放心状態の人々はマリアの言葉が頭に入って来ないようだった。しかし、その状態から素早く立ち直ったスワローがニヤつきながらマリアに近寄る。
「確かにこれ程の破壊力があれば私たちは一溜りも無いだろう。しかし、マリアンヌ!貴様ならドラゴンを狩る事など造作もない事だ。喜べ!お前を側室に迎えてやる。今までの非礼は許してやるから私の為にドラゴンを狩ってこいっ!」
マリアは心の中でいっそこの場で殺してしまおうかと思ったが、それを察したのかグラデーン公爵がマリアの肩に手を置き首を横に振った。
「彼らの罪は重い。民に罰を与えてもらおうと思っている。」
「……分かりました。ただこれくらいはさせて下さいね。」
マリアがスワローを指さすとスワローの服のみが燃え上がった。
「服が!!わああああ!!」
スワローが慌てて服をぬぎすて下着のみになると、その滑稽な姿に誰かがクスッと笑った。その笑いはもちろんスワローにも届き「笑ったのは誰だ?!」と怒鳴り散らす。その醜さにマリアはヤレヤレと次々と服を燃やしていく。
悲鳴を上げながら下着姿になっていく王族や貴族達をマリアは茨で拘束し、騒ぎ立てる者達に最後の言葉をかけた。
「もし、貴方達がドラゴン達と私の生活を脅かす事があれば覚悟して下さいね。貴方達が差し出せるものなんて命しかないのですから。」
その言葉はその場が静まり返るには充分だった。
マリアは収納から書状を一つ取り出すとグラデーン公爵に渡す。それを広げたグラデーン公爵は今にも倒れそうな程真っ青な顔色でそれを見詰めた。
「周辺国からの……抗議文書…。」
「次はありませんわ。」
マリアは約束通り部屋を元の状態に修復しその場を去った。
「皆様ドラゴンのスペックを正しく理解していらっしゃらないようですので教えて差し上げます。まずは彼らのファイヤーブレス!放たれればこの様になります。」
マリアはファイヤーボールを真上に放り投げた。
小さなファイヤーボールは天井に穴を空けながら昇っていき城の屋根を突き破ると爆発し部屋の天井は綺麗さっぱり無くなった。
その威力に皆が口を開け間抜けな顔をしているがマリアはそんな事は構わずまた喋り出す。
「彼らの武器はファイヤーブレスだけではありません。その爪は鋭く切り裂かれれば致命傷ですが、素早く腕を振れば疾風を生むこともできるのです。」
マリアは正面に手をかざすと風の刃を放った。
正面に居た者たちは瞬時にしゃがみこみその刃より逃れたがそれにより壁と壁に飾られていた王族の絵姿が切り裂かれ大きく抉れた壁に皆が顔を真っ青にした。
「貴方が束になってもドラゴンは適う存在ではありません。お分かり頂けましたね?」
最早放心状態の人々はマリアの言葉が頭に入って来ないようだった。しかし、その状態から素早く立ち直ったスワローがニヤつきながらマリアに近寄る。
「確かにこれ程の破壊力があれば私たちは一溜りも無いだろう。しかし、マリアンヌ!貴様ならドラゴンを狩る事など造作もない事だ。喜べ!お前を側室に迎えてやる。今までの非礼は許してやるから私の為にドラゴンを狩ってこいっ!」
マリアは心の中でいっそこの場で殺してしまおうかと思ったが、それを察したのかグラデーン公爵がマリアの肩に手を置き首を横に振った。
「彼らの罪は重い。民に罰を与えてもらおうと思っている。」
「……分かりました。ただこれくらいはさせて下さいね。」
マリアがスワローを指さすとスワローの服のみが燃え上がった。
「服が!!わああああ!!」
スワローが慌てて服をぬぎすて下着のみになると、その滑稽な姿に誰かがクスッと笑った。その笑いはもちろんスワローにも届き「笑ったのは誰だ?!」と怒鳴り散らす。その醜さにマリアはヤレヤレと次々と服を燃やしていく。
悲鳴を上げながら下着姿になっていく王族や貴族達をマリアは茨で拘束し、騒ぎ立てる者達に最後の言葉をかけた。
「もし、貴方達がドラゴン達と私の生活を脅かす事があれば覚悟して下さいね。貴方達が差し出せるものなんて命しかないのですから。」
その言葉はその場が静まり返るには充分だった。
マリアは収納から書状を一つ取り出すとグラデーン公爵に渡す。それを広げたグラデーン公爵は今にも倒れそうな程真っ青な顔色でそれを見詰めた。
「周辺国からの……抗議文書…。」
「次はありませんわ。」
マリアは約束通り部屋を元の状態に修復しその場を去った。
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