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薬か毒か
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「琥珀さん大丈夫ですか?」
「ゔ~ん…お腹痛いよ~。」
マリアは今、琥珀の家に来ていた。
翠が琥珀の体調が悪そうだとマリアの元に来たので翠と琥珀の家に来てみると、お腹を押さえてぐったりしていたのだ。
「琥珀さん昨日何を食べたか覚えてますか?」
「ゔ~ん分かんない…。昨日は翠が食べてたのと同じのしか……。」
「翠さんが食べてたもの?翠さん心当たりはありますか?」
翠は昨日の事を唸りながら思い出していたが全く覚えがない。むしろ一緒の物を食べているなら自分だって体調が悪くなっているはずなのにピンピンしている。
「翠さん昨日行った場所に案内してくれますか?」
「分かった!!」
翠はマリアを乗せると超特急で飛び出した。
まず来たのは大きな川だった。
結構な激流で落ちたら直ぐに流されてしまいそうだ。
翠はマリアを一旦降ろすと川に入って魚を取った。
「コレ昨日食べたんだ!」
「ん~山女魚ですか…あまり関係無さそうですね。」
翠はションボリしながら川に魚を戻すとまたマリアを乗せて飛び立つ。次に来たのは色とりどりの花が咲き誇る花畑だった。一見何も食べるような物は無いように見えるが、翠はマリアを降ろすと花畑にある黄色い花を詰んだ。
「この花食べれるんだ!昨日も食べてた!!」
「これは……ニッコウキスゲですね。これも関係ないと思います。」
残念そうにする翠を撫でて次に行こうとマリアが声をかけると翠はマリアを乗せて次の場所に向かった。次に来たのは森にあるリンゴの木だった。真っ赤なリンゴが幾つもなっており甘い匂いがしている。
「このリンゴも食べたんだ。」
マリアは沢山実っているリンゴの木をじっと眺める。
すると、中に葉っぱの形が異なる木がある事に気づいた。
「あ…たぶん原因はコレですね。リンゴの木の隣、偽リンゴの木が生えてます。」
「偽リンゴ?何が違うんだ??」
「偽リンゴの木は葉っぱがリンゴの木よりトゲトゲしています。それ以外の見た目は全く一緒で、間違えて食べると腹痛、嘔吐、目眩等が起こります。」
「怖っ?!どうすれば治るんだ?!」
「偽リンゴを正しい方法で調理しまて食べれば治ります。」
マリアは偽リンゴを幾つか取ると翠と急いで家に戻った。
「まずは鍋を雪解け水で満たして沸騰させます。沸騰したら陳皮等の生薬を入れ暫く煮立たせます。」
「なんだか……鍋の中が闇色……。」
グツグツ煮ていくと鍋から強烈な臭いがし始め翠は堪らず鼻を押さえて転げまわった。
「ぐあっ。臭い!!ダメだマリア、失敗して腐ってる!!」
「いいえ。成功です。」
マリアは鍋に偽リンゴを丸ごと入れて更にグツグツ煮ていく。翠が鼻を押さえ鍋の中を覗くと、リンゴが次第に黒く染まっていく。翠にはそれが薬には思えず、今後リンゴを食べに行くのをやめようと強く誓った。
「そろそろいいですね」
鍋から出されたリンゴは黒光りしており異臭を放っている。マリアはそれを収納し鍋を片付けると急いで琥珀の家に向かった。
あまりの異臭に食べるのを拒む琥珀の愚痴をマリアは力づくてこじ開けリンゴを放り込むと、琥珀は気絶した。
目が覚めると腹痛は治っていたが、二匹のドラゴンがリンゴ恐怖症になり暫くリンゴをみると逃げ出した。
「ゔ~ん…お腹痛いよ~。」
マリアは今、琥珀の家に来ていた。
翠が琥珀の体調が悪そうだとマリアの元に来たので翠と琥珀の家に来てみると、お腹を押さえてぐったりしていたのだ。
「琥珀さん昨日何を食べたか覚えてますか?」
「ゔ~ん分かんない…。昨日は翠が食べてたのと同じのしか……。」
「翠さんが食べてたもの?翠さん心当たりはありますか?」
翠は昨日の事を唸りながら思い出していたが全く覚えがない。むしろ一緒の物を食べているなら自分だって体調が悪くなっているはずなのにピンピンしている。
「翠さん昨日行った場所に案内してくれますか?」
「分かった!!」
翠はマリアを乗せると超特急で飛び出した。
まず来たのは大きな川だった。
結構な激流で落ちたら直ぐに流されてしまいそうだ。
翠はマリアを一旦降ろすと川に入って魚を取った。
「コレ昨日食べたんだ!」
「ん~山女魚ですか…あまり関係無さそうですね。」
翠はションボリしながら川に魚を戻すとまたマリアを乗せて飛び立つ。次に来たのは色とりどりの花が咲き誇る花畑だった。一見何も食べるような物は無いように見えるが、翠はマリアを降ろすと花畑にある黄色い花を詰んだ。
「この花食べれるんだ!昨日も食べてた!!」
「これは……ニッコウキスゲですね。これも関係ないと思います。」
残念そうにする翠を撫でて次に行こうとマリアが声をかけると翠はマリアを乗せて次の場所に向かった。次に来たのは森にあるリンゴの木だった。真っ赤なリンゴが幾つもなっており甘い匂いがしている。
「このリンゴも食べたんだ。」
マリアは沢山実っているリンゴの木をじっと眺める。
すると、中に葉っぱの形が異なる木がある事に気づいた。
「あ…たぶん原因はコレですね。リンゴの木の隣、偽リンゴの木が生えてます。」
「偽リンゴ?何が違うんだ??」
「偽リンゴの木は葉っぱがリンゴの木よりトゲトゲしています。それ以外の見た目は全く一緒で、間違えて食べると腹痛、嘔吐、目眩等が起こります。」
「怖っ?!どうすれば治るんだ?!」
「偽リンゴを正しい方法で調理しまて食べれば治ります。」
マリアは偽リンゴを幾つか取ると翠と急いで家に戻った。
「まずは鍋を雪解け水で満たして沸騰させます。沸騰したら陳皮等の生薬を入れ暫く煮立たせます。」
「なんだか……鍋の中が闇色……。」
グツグツ煮ていくと鍋から強烈な臭いがし始め翠は堪らず鼻を押さえて転げまわった。
「ぐあっ。臭い!!ダメだマリア、失敗して腐ってる!!」
「いいえ。成功です。」
マリアは鍋に偽リンゴを丸ごと入れて更にグツグツ煮ていく。翠が鼻を押さえ鍋の中を覗くと、リンゴが次第に黒く染まっていく。翠にはそれが薬には思えず、今後リンゴを食べに行くのをやめようと強く誓った。
「そろそろいいですね」
鍋から出されたリンゴは黒光りしており異臭を放っている。マリアはそれを収納し鍋を片付けると急いで琥珀の家に向かった。
あまりの異臭に食べるのを拒む琥珀の愚痴をマリアは力づくてこじ開けリンゴを放り込むと、琥珀は気絶した。
目が覚めると腹痛は治っていたが、二匹のドラゴンがリンゴ恐怖症になり暫くリンゴをみると逃げ出した。
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