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姉弟の複雑な関係(前編)
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リンデルが教会で寝泊まりするようになって数日、リンデルは教会の掃除、孤児たちの世話などをシスターから教わりすっかり教会での暮らしに馴染んでいた。
司祭はリンデルが教会に居てくれる事が皆に良い影響を与えている事がとても嬉しかった。
そしてリンデルに会いにクララが来てくれるのを心から待っていた。
そんな司祭の想いが通じたのか、クララは教会にやってきた。
「クララさんよくいらっしゃいました。」
「司祭様、この度は弟がご迷惑をおかけしております。」
「いいえ。リンデルさんには教会の手伝いも積極的にしていただいて、とても助かっていますよ。
ずっと居ていただきたい程です。」
「そう言っていただけると嬉しいです。」
司祭はこの瞬間もリンデルに感謝し、本当に永住してくれないかと考えていた。
クララとの談話を楽しんだ司祭はクララを連れリンデルの元向かったが、リンデルは孤児たちと遊んでいた為、遠慮したクララとまた暫く安らぎの時間を過ごした。
(神とリンデルさんに感謝します!)
「姉さん、待たせてごめん。」
「気にしてないわ。貴方が元気そうで良かった。」
司祭は二人を談話室に案内しお茶を出すと二人を部屋に残し部屋を出ようとしたが、二人に居てくれと言われ留まることにした。
「リンデルとは5年振りくらいかしら。全然会いに行けなくてごめんね。」
「気にしてないよ。姉さんだって大変だったんでしょ?」
二人は会えなかった時を埋めるかのように話に花を咲かせた。
司祭はそんな二人を微笑ましく思い話に極力入らないようにしていたが、ふと笑顔がぎこち無く思えた。
司祭は二人の話が弾んでいるうちに時間を理由に切り上げ、クララを屋敷に帰した。
「リンデルさん。宜しければ少し二人でお話しませんか?」
司祭はリンデルを誘い庭を歩きながら話をする事にした。
「司祭様、どうかされたのですか?」
「いえ、先程クララさんとお話されている様子がどうも気になりましてね。良ければ私に話してみませんか?」
リンデルは驚いたようすだったが、少し悩んでから重い口を開いた。
「司祭様、実は俺と姉さんは血が繋がっていないんです。父と母は再婚同士で姉さんは父の、俺は母の連れ子なんです。」
「なるほど、それは複雑ですね。」
「俺は姉さんに対して家族という気持ちがあまり……」
(やはり連れ子とは複雑なのですね)
司祭は二人のわだかまりを何とかしてあげたいと思った。
しかし、こればかりは必ず上手くいくなんて事はない。
難しい問題に司祭として出来る事は無いかと必死に考えた。
「リンデルさん。私はこの地で二人が再会したのは運命だと思います。これを機に本当の貴方をクララさんに見ていただいてはいかがですか?」
「司祭様……明日、ついてきていただけませんか?」
「喜んでお供いたしましょう。」
司祭はリンデルが教会に居てくれる事が皆に良い影響を与えている事がとても嬉しかった。
そしてリンデルに会いにクララが来てくれるのを心から待っていた。
そんな司祭の想いが通じたのか、クララは教会にやってきた。
「クララさんよくいらっしゃいました。」
「司祭様、この度は弟がご迷惑をおかけしております。」
「いいえ。リンデルさんには教会の手伝いも積極的にしていただいて、とても助かっていますよ。
ずっと居ていただきたい程です。」
「そう言っていただけると嬉しいです。」
司祭はこの瞬間もリンデルに感謝し、本当に永住してくれないかと考えていた。
クララとの談話を楽しんだ司祭はクララを連れリンデルの元向かったが、リンデルは孤児たちと遊んでいた為、遠慮したクララとまた暫く安らぎの時間を過ごした。
(神とリンデルさんに感謝します!)
「姉さん、待たせてごめん。」
「気にしてないわ。貴方が元気そうで良かった。」
司祭は二人を談話室に案内しお茶を出すと二人を部屋に残し部屋を出ようとしたが、二人に居てくれと言われ留まることにした。
「リンデルとは5年振りくらいかしら。全然会いに行けなくてごめんね。」
「気にしてないよ。姉さんだって大変だったんでしょ?」
二人は会えなかった時を埋めるかのように話に花を咲かせた。
司祭はそんな二人を微笑ましく思い話に極力入らないようにしていたが、ふと笑顔がぎこち無く思えた。
司祭は二人の話が弾んでいるうちに時間を理由に切り上げ、クララを屋敷に帰した。
「リンデルさん。宜しければ少し二人でお話しませんか?」
司祭はリンデルを誘い庭を歩きながら話をする事にした。
「司祭様、どうかされたのですか?」
「いえ、先程クララさんとお話されている様子がどうも気になりましてね。良ければ私に話してみませんか?」
リンデルは驚いたようすだったが、少し悩んでから重い口を開いた。
「司祭様、実は俺と姉さんは血が繋がっていないんです。父と母は再婚同士で姉さんは父の、俺は母の連れ子なんです。」
「なるほど、それは複雑ですね。」
「俺は姉さんに対して家族という気持ちがあまり……」
(やはり連れ子とは複雑なのですね)
司祭は二人のわだかまりを何とかしてあげたいと思った。
しかし、こればかりは必ず上手くいくなんて事はない。
難しい問題に司祭として出来る事は無いかと必死に考えた。
「リンデルさん。私はこの地で二人が再会したのは運命だと思います。これを機に本当の貴方をクララさんに見ていただいてはいかがですか?」
「司祭様……明日、ついてきていただけませんか?」
「喜んでお供いたしましょう。」
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