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お仕置き

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リリンはマックスの膝の上にフルーツの乗った皿を持って座っていた。いつもはシンプルなAラインのワンピースを着ているが、今はマックスの要望でフリルがたくさんついたスカート丈が膝上の藍色のオフショルダーワンピースを着ている。
いつもより大胆な装いにモジモジ恥ずかしがりながらもリリンはマックスの言うがままだった。

「さあリリン、君の唇の様に赤いチェリーを食べさせてくれる?」

リリンはマックスに言われ皿からチェリーを摘むとマックスの口持っていく。口元に届けられたチェリーをリリンの指ごと食べると、マックスはニッコリ微笑む。

「次は君の肌の様に真っ白なモモが食べたいな。」

リリンは潤んだ眼で解放を訴えかけるが、マックスは口を開けて待つのみだった。仕方なくモモがを口元に運ぶとまた指ごと食べられる。

「次はどうしようかな…君の瞳と同じ様に大粒で瑞々しいなぶどうかな?それとも君の髪のように艶やかなブラックベリーにしようかな…。」

「ゔゔ…マックス、もう恥ずかしくて無理っ!!」

とうとう根を上げたリリンは皿を膝に置き両手で顔を隠した。耳まで赤くして小刻みに震える様子がマックスの心を掴んではなさい。

「リリン、コレは言いつけを破ったお仕置きなんだから途中で投げ出したらダメだよ。ほら、まだお皿にフルーツが残ってるよ。」

緩む口元を右手で隠しながら左手でリリンの髪を弄ぶマックスはこの甘い時間を手放すような事はしない。
リリンは羞恥に耐えながら続行するしか無かった。


ようやく皿のフルーツを全て食べさせたリリンは、皿が空になるとすぐにマックスの膝から降りようとした。
しかしマックスはリリンのウエストを両手でガッチリホールドし離そうとしない。

「もうフルーツは無くなったわ…。」

「無くなったら降りて良いなんて言ってないよ。それとも…リリンはこうしてくっついているのは嫌?」

「い、嫌だなんて事はないけど……この服を着替えたいの!!」

無理やりマックスの膝から逃亡したリリンは自室に向かって走った。マックスがその後ろ姿をニヤニヤしながら見送っていると玄関ドアがノックされる音がし、外から男の呼びかける声が聞こえた。
リリンとのマックスは現実に引き戻したその声に苛立ちながら玄関に向かう。

「マックス!ここにリリンが居ることは分かってるぞ!!」

ドアの外から叫ぶベタマルの声に、今度はどう黙らせるか思案するマックスはとりあえず部屋から出てこないようにリリンに言いに行く事にした。
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