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蒼太編

蒼太の2

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何故だ。
あの合コンメンバーからの連絡が全然無い。

薬剤師は既読スルー、受付嬢は既読すらつかない!あそこ警備が隣にいるから絡めないんだよな…。
パラリーガルは彼氏ができたとか早くね?!まあ奪えそうなら奪えばいいやくらいで。
一番外見が好みの大手企業①は偶然を装って駅で待ってみたり会社に行ってみたけど全然ダメだった。

何故だ…こんなにも高スペックな俺を放っておくなんて考えられない。
残るは大手企業②だけだが挨拶メッセージすら来なかったから会社に行くしかない。

あ~納得いかねぇ!

そうだ!他の奴ら。あいつらはどうだったんだ?!
もしかしてこの俺を差し置いてできてたりしないよな!!
作っていたグループにメッセージを送ってみる。
皆忙しい職業の奴らばかりだから直ぐには既読がつかない。仕方がないから放置しておこう。

よしっ!切り替えよう!!
ここで大手企業②まで逃したら何の為に高い金払ってあの店に行ったのか分からなくなる。
連絡が取れないのが苛立たしいが会社が分かってるのは幸運だ。

だがツテが無いな…大手企業①は営業で行ってるやついたから行きやすかったんだけどな…。
いや、待てよ…俺の飲み仲間にここに彼女がいる奴がいなかったか。そう!そうだよ!!

俺は直ぐにスマホを手に取って電話をした。

「あ、俺だけど今日飲みに行かないか?ん?金がないからやめとく?馬鹿だな!おごってやるよ。うんうん任せとけって。じゃあ一時間後な!」

よし、これで繋がる。
俺は簡単に身支度を済ませて行きつけの店に向かった。

「いらっしゃいませ~。」

「おう!しずか孝宏きてるか?」

「トミーったら私は放置~?」

「悪い悪い。しずかは何時でも可愛いよ。グラスワインをくれないか。」

「まったくぅ!たっくんなら奥にいるよ~。」

俺は上着をしずかに預けカウンターの奥に向かった。
すると呼び出した孝宏がウイスキーグラスを回しながら一人で飲んでいる。

「待たせたな。」

「来たばかりだよ。それで、急にどうしたんだ?」

「孝宏さ、前に彼女の自慢してきただろ?」

「彼女の自慢…?誰だそれ。あ~そいや前に…真奈なら別れたぞ。」

「マジか…ん?真奈?」

偶然か?
あの大手企業②は確か真奈って名前じゃなかったか?
苗字なんだっけ…思い出せ…思い出せ…。

「ふ…ふゆ…冬月…冬月 真奈?」

「?!なんでお前の口から真奈の名前が出るんだよ。」

マジか!
あの大手企業②って孝宏の元カノか!

「いや、ちょっと友達のツテで色々な。それより飲もうぜ!!辛気臭いのは無しだ!!!」

しずかがグラスワインを持って来たので俺は孝宏と乾杯をする。
さすがに知り合いの元カノに手を出すのは不味いか…いや、バレなきゃいいのか?
どうせ別れてるんだし…まあ明日から考えよ。
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