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蒼太編

蒼太の1

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「よっ!久しぶり~!」

今日は大学時代の連れと合コンだ。
俺は昔からモテたから今回も総ゴチするつもりだったけど皆何だか身なりが良くなって悪くない見た目になっている。

「蒼太は変わらないな。」

「相変わらず派手好きだな~。」

「そうか?そんなつもりは無いけどな。」

今日着ているスーツは名高いブランドの物ではあるが色合いはダークブルーと落ち着いたものだ。確かに小物はゴールドにしているが……まあ皆の無難な格好に比べたら派手に見えるのかもな。

「学生の時は安い店で騒いでたけど今日は高い店だからな。」

「がっつりいい男演じてやるさ。」

「……そうだな。」

「なんだよ。相変わらず梶はノリが悪いな。」

「まあまあ。とりあえず行くぞ。」



これは今日は当たりだな。
いや素晴らしい!系統が被らない美人揃いだ。
ん~全員とお近づきになりたいが、順番を間違えるとハーレムルートに入らないからな。まずは様子見か。

「美女達との素晴らしき出会いと美味しい料理に、乾杯。」

お前誰だよ!
そんな挨拶するような奴じゃなかっただろ?!
まぁそんなけ気合いが入ってるって事か。

パラリーガルに?そこそこ大きいクリニックの受付嬢?薬剤師に大手企業の勤務が二人。
ん~薬剤師からの受付嬢パラリーガル、大手企業の二人かな。いや、大手企業①パラリーガル、大手企業②だな。

下品にならないラインでの話題の提供と喋り方に気をつけて…距離感もこれくらいか?
俺の会話運び完璧すぎるな~順調順調!
そろそろ大手企業②にって、ん?なんか梶が珍しくたくさん話してるな……。
ま、気にしなくていっか。

「随分楽しそうですね。俺も仲間に入れてもらっても?」

「え、ええ。」

「俺は富岡 蒼太です。君は…。」

「冬月 真奈です。」

うんうん控え目美人ちゃん良いですよ~。
こういう子はグイグイ押してみるかな。
ん~従順そうでこの子も良いな真奈ちゃんね。頑張って覚えとくわ。

「今日はとても有意義な時間でした。そろそろこの場は解散にしましょう。」

程よい時間で締めの挨拶がされて俺は名刺を用意する。
俺ほどの上級者になると連絡先交換の機会は複数つくって成功率を上げるのは常識。

受付嬢と大手企業①は会話中に交換済み。渡す名刺の裏には“また連絡するよ”と記入済み。
パラリーガルと薬剤師はスマホにQRを表示させながら名刺を渡しコッソリ耳元で呟く。

「今度は二人で食事でもどうでしょうか。」

スマホの画面をチラ見せして返事を待てばきちんと釣れた。名刺の裏には“君ともっと話たい”と記入済み。
あとは大手企業②だけどあえて何も言わずに名刺の裏書のみにしてみる。
“連絡をくれると信じてます。080-****-####”

さて、この後は男だけで二次会だ。
本音トークといこうじゃないか。
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