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髙﨑 レイ

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壱章 クマさん道場

ジョブ

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 まず先に冒険者ギルドに登録する必要がある。何せジョブの転職や就職に必要なクリスタルはこの街では冒険者ギルドにしかないとの事。ちなみに死に戻りの地点は待ち合わせの噴水との事。
「昔の小説では荒くれ者の酒場ってイメージだけどな」
 それよりも早くアイツを絞めたい気分だが今はそうするわけにはいかないしな。
「まさかこんな位置にあるとはなぁ」
 そりゃあ変な奴にも絡まれるわ。というか何で気付かなかったんだろうか?

 噴水広場を含めた此処らは通称ギルド街と呼ばれている。生産ギルドと冒険者ギルドとその関連施設で固められているわけで。
「疲れてたか?まあ良いけど」
 両ギルドは3階建てである。冒険者ギルドのシンボルは剣と杖が交差しており生産ギルドのシンボルは六芒星だ。何故六芒星かは誰も知らないとの事。

 ギルドの扉を開くとあんまり人は居ない。都合が良いから良いけどさ。受付に行くと可憐な女性であった。うん受付ってこんなもんだよな。…いやこの人裏の技持ちだわ。
「初めまして来訪者様。クエストの受注ですか?それとも素材の登録ですか?」
「いや、ギルドの登録で。後はジョブに就きたいんですけど」
 何でその二択。ああそういえば無職状態でレベルカンストしていたわ。
「畏まりました。ではこちらの水晶に手を当ててください」
 言われた通りに水晶に手を当てる。すると水晶が明滅する。こう何と言うか全身にナニカが駆け巡る感覚がある。
【スキル 魔力察知 を入手しました】
【スキル 魔力操作 を入手しました】

 おう。此処でもスキルが入手出来るのか。ソレは意外だ。
「もう良いですよ。って継承者でしたか。ではこちらがギルドカードです。再発行の際には5万Gが掛かります。無くさないようにしてください。ソレとジョブクリスタルがある場所に案内します」
 受付の人が立ち上がると裏から回ってこちらに来る。ふむ。悟られないようにグローブを装備する。

 そこはギルドの一番奥にあり重質な封印が施されている。
「ここは継承者の専用クリスタルが安置されています。コレまでは【処女宮】のセリアさま以外は使用されておりません」
 鍵を外しながらそう告げてソレを飛ばしてくる。予め買っていたナイフを取り出して切り捨てる。そのナイフをそのままサイドスローで投擲する。ただそれは短剣に阻まれる。
「流石に駄目ですか。セリアさまにも効かなかったわけですし」
「テストか…。で続けるか?」
 この距離だと直接肉弾戦以外はなしだな。主に威力の問題で。にしても投げ針か。しかも毒塗りだし。いやー怖い怖い。
「いえコレ以上は意味がないので」
 何故かその場で一回転すると服装がレディーススーツから巫女服へと変化する。
「私は繋げる者。ソレではこちらに」
 開かれた扉の奥に進む。そこにはとてつもない質量の水晶が宙に浮いてる。その精緻な光の輝きに目を奪われる。ただ心臓と水晶が共鳴している。そっと近づいてその水晶に触れる。するとインベントリから4冊の本…恐らくは報酬のスキルブックと魔導書が宙に踊り出てパラパラと捲れていく。

【スキル 並列詠唱 を入手しました】
【スキル 飛翔 を入手しました】
【スキル 竜魔法 を入手しました】
【スキル 時空魔法 を入手しました】
【称号 辰之刻継承者候補 を入手しました】
【特殊ジョブ 辰之刻継承者候補に就職しました】


 わお。急に増えた。にしてもいきなり特殊ジョブとか。今更だがなんか色々とやっかみ受けそうだな。ただその水晶はそのまま光って僕に情報を流してくる。

【第一ジョブ選択可能 冒険者 剣士 格闘家 銃士 魔法使い 回復術士 付与術士 狩人 神官 盗賊】
 多いな。ただなぜかnextと書かれた部分があるのでタップする。
【派生ジョブ選択可能 異能者】
 それはジョブなのか?うーむ悩ましい。一番合うのは何となくだが冒険者だと思う。その他はその名前に沿うように成長していくとの事だが冒険者は成長速度こそ遅くジョブスキルも少ないがステータス補正も全て均一だ。うん冒険者だな。

【第一ジョブ選択完了を確認。蓄積経験値を解放】
【カオルはLV.30になった。冒険者LV.30になった】
【経験値を使い切りました】


 えっ!?
「継承者さまコレにて転職は終了です。ソレとこちらがギルドカードになります。それではこれからの活躍をお祈りしています」
 なんか釈然としないけど良いかな。

 さて狩りの時間だ。
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