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壱章 クマさん道場
異端な独唱
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セリアのお店はこのフロアの中央にあり数多の木工品とアクセサリーが飾ってある。それにここにも僅かながら矢が売っておりこっちの矢には色々な効果がある。毒に麻痺そして混乱などといった状態異常を相手に与える追加効果がある。これひょっとして調合も合わさっているのかな。
「ウチの場合は杖とかに使うニスを作るのに使うついでにね。数種類しかないし効き目も弱いから下では売ってないの」
「何故?効果が低いのなら下の方が良いだろうに」
弱い毒が悪いとは言わないがここまで来れる人なら強い方が良いはず。うん?
「矢なのに跳弾ができるのか?」
「戦技やスキルであるわよ。貴方なら素で出来そうだけど」
出来なくもないがアレは超絶技巧だぞ?僕でも習得するのにかなり掛かったし。銃の方が跳弾はしやすい。弓が優れるのは湾曲射撃などの位置を悟らせないタイプが強みだろう。あとは弓闘術。アレは銃では出来ない唯一の強さだと感じている。欠点としては質量が増える、擦過傷のダメージが増える、消耗が大きい弦が切れやすい、作り手が少ないだろうか。
「出来なくもないが調整が巧く効かない。それに銃の方が弾道を読み易い」
コレは矢弾のサイズや形状故に仕方ない。弾道を脳内で予測して思うように行くのは銃だ。だがソレは相手にも言えることで予測できてしまうものは対処がしやすくなる。その上に気流の影響も受け易いのでフレンドリーファイヤになる可能性も捨て切れない。だが銃はダメージが武器や弾丸スペックに依存するし鏑矢や火矢に手紙を送ったりなどとするのは矢だ。
双方にメリット・デメリットが存在するのはなんであろうと当たり前なので致し方なし。みんな違ってみんな良いとはよく言ったものだと感心する。
ちなみに天埜流では感性も養うために詩や短歌に俳句なども詠む。僕はそっちの方は苦手だ。何というか相手を視て分析するのが性に合う。
「コレなんて如何?多分、全て賄えるはずだけど」
渡されたのは漆黒の弓。ただ一般的に知られている弓とは違う。まずは総金属製でありリムと呼ばれる持ち手部分が先の方に行けば行くほど鋭く尖っていく。それに持ち手部分であるハンドルは作りがしっかりとしているが微妙にメイスのようにも見える。そして普通は分からないが弦のハンドル側では無い方が微妙に薄くなっている。
「斬撃・切断・殴打・刺突・射撃と主体物理攻撃が全て出来るようになっているわ。ロマンで作ったのはいいけど使い手が居なかったから今まで外に出していない代物。銘は『デウス・アリア』」
超越と独奏を掛け合わせたのだろう。手に取って見るとズッシリと重たく扱いづらい。弦の弾き方も特殊だが使える。どのレンジでも使えてソロプレイでも使える超越武器…というか異端武器だ。
「その銘に恥じないようにするよ。…ところでなんでこんなモノを?」
こんなギミックだらけかつ技量が必要な武器を必要とする場面が分からないのだが。
「本当はエージにプレゼントしようかと思って私たちの技術を詰め込んだのだけど」
「どうしようもないノーコンだったので諦めたと」
どうも端正出来ないんだよなアレだけは。結論としては刃物の取り扱いはいいので投げナイフに専念させた。レンジ対応力がある槍ならば別だっただろうが。ただそれだとアイツの手札を殺しかねないので剣である。
「辛うじて使えるのが投げナイフだからな。というよりも一対一に異様に才能が傾いているんだよ。前衛攻撃が適任」
僕は遊撃指揮、もしくは前衛指揮。斥候系も多少の知識はあれども本職レベルではない。
「そうね。あのパーティーはメイが指揮取ってるし」
メイ…本名、水谷沙月。彼女は僕のお嫁さん候補の1人でありなおかつあの超人魔境に在籍していることから分かるように異常な才能をもつ。それが何かは伏せておくが戦況把握能力は一番凄い。
「でしょうね。じゃあ代金です」
デウスアリアの代金と矢束を200本買う。その内50本は状態異常付与の矢だ。あと矢筒はおまけして貰った。
「こんなに良いの?」
「こんだけ良い装備が手の入ったわけだし。それにポーションの類も買えたから良かったよ。あと色んな基礎情報も手に入ったから気にしてない」
寧ろ追加で払いたいがどうしても受け取らないと言い張りそうなので自粛した。
「じゃあ行ってらっしゃい!」
「ああ、なるべく早くする」
メモ機能に必要な素材などを写してクラウンを後にした。
「ウチの場合は杖とかに使うニスを作るのに使うついでにね。数種類しかないし効き目も弱いから下では売ってないの」
「何故?効果が低いのなら下の方が良いだろうに」
弱い毒が悪いとは言わないがここまで来れる人なら強い方が良いはず。うん?
「矢なのに跳弾ができるのか?」
「戦技やスキルであるわよ。貴方なら素で出来そうだけど」
出来なくもないがアレは超絶技巧だぞ?僕でも習得するのにかなり掛かったし。銃の方が跳弾はしやすい。弓が優れるのは湾曲射撃などの位置を悟らせないタイプが強みだろう。あとは弓闘術。アレは銃では出来ない唯一の強さだと感じている。欠点としては質量が増える、擦過傷のダメージが増える、消耗が大きい弦が切れやすい、作り手が少ないだろうか。
「出来なくもないが調整が巧く効かない。それに銃の方が弾道を読み易い」
コレは矢弾のサイズや形状故に仕方ない。弾道を脳内で予測して思うように行くのは銃だ。だがソレは相手にも言えることで予測できてしまうものは対処がしやすくなる。その上に気流の影響も受け易いのでフレンドリーファイヤになる可能性も捨て切れない。だが銃はダメージが武器や弾丸スペックに依存するし鏑矢や火矢に手紙を送ったりなどとするのは矢だ。
双方にメリット・デメリットが存在するのはなんであろうと当たり前なので致し方なし。みんな違ってみんな良いとはよく言ったものだと感心する。
ちなみに天埜流では感性も養うために詩や短歌に俳句なども詠む。僕はそっちの方は苦手だ。何というか相手を視て分析するのが性に合う。
「コレなんて如何?多分、全て賄えるはずだけど」
渡されたのは漆黒の弓。ただ一般的に知られている弓とは違う。まずは総金属製でありリムと呼ばれる持ち手部分が先の方に行けば行くほど鋭く尖っていく。それに持ち手部分であるハンドルは作りがしっかりとしているが微妙にメイスのようにも見える。そして普通は分からないが弦のハンドル側では無い方が微妙に薄くなっている。
「斬撃・切断・殴打・刺突・射撃と主体物理攻撃が全て出来るようになっているわ。ロマンで作ったのはいいけど使い手が居なかったから今まで外に出していない代物。銘は『デウス・アリア』」
超越と独奏を掛け合わせたのだろう。手に取って見るとズッシリと重たく扱いづらい。弦の弾き方も特殊だが使える。どのレンジでも使えてソロプレイでも使える超越武器…というか異端武器だ。
「その銘に恥じないようにするよ。…ところでなんでこんなモノを?」
こんなギミックだらけかつ技量が必要な武器を必要とする場面が分からないのだが。
「本当はエージにプレゼントしようかと思って私たちの技術を詰め込んだのだけど」
「どうしようもないノーコンだったので諦めたと」
どうも端正出来ないんだよなアレだけは。結論としては刃物の取り扱いはいいので投げナイフに専念させた。レンジ対応力がある槍ならば別だっただろうが。ただそれだとアイツの手札を殺しかねないので剣である。
「辛うじて使えるのが投げナイフだからな。というよりも一対一に異様に才能が傾いているんだよ。前衛攻撃が適任」
僕は遊撃指揮、もしくは前衛指揮。斥候系も多少の知識はあれども本職レベルではない。
「そうね。あのパーティーはメイが指揮取ってるし」
メイ…本名、水谷沙月。彼女は僕のお嫁さん候補の1人でありなおかつあの超人魔境に在籍していることから分かるように異常な才能をもつ。それが何かは伏せておくが戦況把握能力は一番凄い。
「でしょうね。じゃあ代金です」
デウスアリアの代金と矢束を200本買う。その内50本は状態異常付与の矢だ。あと矢筒はおまけして貰った。
「こんなに良いの?」
「こんだけ良い装備が手の入ったわけだし。それにポーションの類も買えたから良かったよ。あと色んな基礎情報も手に入ったから気にしてない」
寧ろ追加で払いたいがどうしても受け取らないと言い張りそうなので自粛した。
「じゃあ行ってらっしゃい!」
「ああ、なるべく早くする」
メモ機能に必要な素材などを写してクラウンを後にした。
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