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第二部
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ジークハルトは王太子とミケーレの婚儀が済んですぐ、ユリウスとボーウ王国を訪れることになった。
某国、某国と言っていたが、ボーウ王国が正式名称だ。ボーウ王国は我が国より歴史が古い。歴史があるとも言うが、そのために封建的でもある。王族や貴族の結婚は親が決めた政略結婚が普通なのだそうだ。それで上手くいっていれば良いが、相性が良くない場合は愛人が普通なんだそうだ。おお怖いと思うジークハルト。我が国は王族だけが王妃に子供ができなければ、側妃が認められるが、現王妃が早々に王子を産んだので、現国王には側妃はいない。王太子には…これから先、王太子はミケーレに言葉で心をえぐられたくなかったら側妃はやめたほうがいいかもしれない……
そんな事考えていたらユリウスに呼びかけられた。
「何ぼーとしてる? ジークハルトは随行員の長なのだからしっかりしろよ」
そうなのだ。ボーウ王国への訪問はクラリッサを護送して行くためでもある。クラリッサは大声で『私は王太子妃よ!』と叫び、ジークハルトを見るとしなだれかかり助けを乞うので錯乱しているとして、医師がついて眠らせて鉄格子のはまった窓と出入口に鍵のかかる馬車で護送して来た。
訪問理由のもう一つはクラリッサによって被害を受けた我が国への補償についての話し合いとクラリッサによって溝の出来た両国の親睦を深めるためである。全権大使はユリウスで随行員はジークハルトと文官達の一行だ。
王太子とミケーレは結婚休暇に入って、離宮に行ったのでカイルが執務室の留守番だ。
カイルもあと半年もしたら恋人と結婚する。文官達もみんな既婚者だ。独身はユリウスとジークハルトの二人だけ。ユリウスは公爵家の嫡子で見目麗しく優秀だ。置いてかれそう……涙目のジークハルトであった。
ボーウ王国との国境までには二泊ほどしなくてはいけない。おかしいクラリッサでもずっと眠らせておくわけにもいかないので、薬の投与の時間を空ける。そうすると護送馬車の中で『私は王太子妃!』と喚き出して本当に迷惑である。護衛で付いてきている騎士団が囲み、クラリッサは供も居ないので斧は出せないので一応ジークハルトの身は安全である。
クラリッサの身分は平民に落とされているけれど、一応ボーウ王国に身柄を引き渡さなくてはいけない。国境でようやくボーウ王国が手配した騎士団に引き渡せてほっとした。
この先クラリッサがどうなるかは、兄の国王次第である。
これからは全権大使一行として、騎士団に守られて楽な旅程だとジークハルトはぼんやりしていた。ユリウスと同じ馬車の対面に座っているがなんだかユリウスが憂鬱そうだ。
「ユリウス様 どうされました?」
ユリウスがため息を付いた。
「ミケーレが結婚して気が抜けた」
は?何をやらせても完璧なユリウスの言葉とも思えない。
「小さい頃から私に付いて歩いて、小さい頃は『お兄様大好き』『お兄様と結婚する』とずっと言っていたのにな。あんな男に取られるとは」
あんな男って王太子殿下なんですけれど。
「私は早くから王太子殿下の側近に決まっていて、殿下は我が家にもよくいらっしゃっていたのだよ。殿下も最初は妹ぐらいに思って付いてくるミケーレと遊んでやっていたのに!年頃になって咲き誇ってきたミケーレによろめきやがった!」
いや あなた臣下ですから言葉使い直して~よろめくってなんですかー
「ミケーレは見た目はいい。勉学も励むし出来もいい。礼儀作法も教師から満点を貰った。が……」
ユリウス妹自慢を始めたかと思ったがそうでもないようだ。
「あの性格だ」
ああ はいはい。そうですね。ミケーレ嬢は至って強気ですね。私も随分やり込められました。
「だから王太子殿下がミケーレに惚れると思わなかった。王太子殿下はマーガレットの様な大人っぽい色気美人が好きかと思っていた」
「マーガレットは年上だから候補に入らなかったのでは?」
「公的には。だが王太子殿下が惚れてしまわれたら身分も容姿も教養も申し分のないマーガレットならそれで通る。マーガレットも王太子殿下が自分に惚れるように婚約者を決めずに頑張っていたのだけど、王太子殿下はデビュタント済ませたばかりのミケーレを選んだ」
それが今回の騒動の大元か。女って怖いなぁ。
「それでもミケーレは人情に厚くて、自分に嫉妬して貶めている女を助けてしまったりする」
まあ そうですね。マルガリータに騙されて凹んでましたね。
あれ?シスコンか?
「ミケーレは一族のものと結婚させて手元に置こうと思っていたのに!」
あれ~それが本音ですか。シスコン決定ですね。でも本当に見た感じはそんなこと感じさせない。上手く隠していたなと感心するジークハルト。
「王太子殿下がミケーレに求婚をはじめたら、あのクラリッサが創国祭から居座って殿下にべったりし出して、ありもしないことをミケーレに言うものだから、あのミケーレが私の前で泣いたのだよ!それで私はクラリッサに地獄を見せることを決めた。ボーウ王国の前国王は王妃より側妃を寵愛していて、側妃の唯一の子供のクラリッサも甘やかして何でも叶えてやっていた。クラリッサはそれを笠にきて好き放題していたので罪はぼろぼろ見つかった」
おお シスコン怖い。
「あの伯爵令息を婚約者がいたのに無理矢理奪ったことですか?」
「それだけではない。自分より人気のある美しい令嬢に不穏な噂をたてて領地に蟄居するように仕向けたり、事故を装って怪我させたり、自分に靡かない貴族令息や騎士は国王に言いつけて左遷したり、難癖で領地を召し上げたりしていた」
「こ、怖い女ですね」
「一度婚約した伯爵令息も婚約者がどうなってもいいのかと脅して、王命を出させて手に入れた」
「それなのに王太子殿下に鞍替えしたんですね」
「王太子殿下がクラリッサには婚約者がいるではないかと指摘してすると、早馬で婚約破棄を伯爵令息に突き付けた。それを知った私は密かにボーウ王国の王太子に繋ぎをとってこれ以上我が国はクラリッサに我慢しないと伝えた。我が国の方が大国だ。ボーウ王国は好き放題乱費している国王と側妃のせいで国政も経済も上手くいってない。貧しい難民が我が国との国境まで出てくるほどだ。我が国はボーウ王国の政権が変わったら援助をすると言う約束をちらつかせた。それで王太子は大元を取り除くことを決めた」
ああ 王太子が実の親を排除したのですか。国のためですか、大変ですね。
某国、某国と言っていたが、ボーウ王国が正式名称だ。ボーウ王国は我が国より歴史が古い。歴史があるとも言うが、そのために封建的でもある。王族や貴族の結婚は親が決めた政略結婚が普通なのだそうだ。それで上手くいっていれば良いが、相性が良くない場合は愛人が普通なんだそうだ。おお怖いと思うジークハルト。我が国は王族だけが王妃に子供ができなければ、側妃が認められるが、現王妃が早々に王子を産んだので、現国王には側妃はいない。王太子には…これから先、王太子はミケーレに言葉で心をえぐられたくなかったら側妃はやめたほうがいいかもしれない……
そんな事考えていたらユリウスに呼びかけられた。
「何ぼーとしてる? ジークハルトは随行員の長なのだからしっかりしろよ」
そうなのだ。ボーウ王国への訪問はクラリッサを護送して行くためでもある。クラリッサは大声で『私は王太子妃よ!』と叫び、ジークハルトを見るとしなだれかかり助けを乞うので錯乱しているとして、医師がついて眠らせて鉄格子のはまった窓と出入口に鍵のかかる馬車で護送して来た。
訪問理由のもう一つはクラリッサによって被害を受けた我が国への補償についての話し合いとクラリッサによって溝の出来た両国の親睦を深めるためである。全権大使はユリウスで随行員はジークハルトと文官達の一行だ。
王太子とミケーレは結婚休暇に入って、離宮に行ったのでカイルが執務室の留守番だ。
カイルもあと半年もしたら恋人と結婚する。文官達もみんな既婚者だ。独身はユリウスとジークハルトの二人だけ。ユリウスは公爵家の嫡子で見目麗しく優秀だ。置いてかれそう……涙目のジークハルトであった。
ボーウ王国との国境までには二泊ほどしなくてはいけない。おかしいクラリッサでもずっと眠らせておくわけにもいかないので、薬の投与の時間を空ける。そうすると護送馬車の中で『私は王太子妃!』と喚き出して本当に迷惑である。護衛で付いてきている騎士団が囲み、クラリッサは供も居ないので斧は出せないので一応ジークハルトの身は安全である。
クラリッサの身分は平民に落とされているけれど、一応ボーウ王国に身柄を引き渡さなくてはいけない。国境でようやくボーウ王国が手配した騎士団に引き渡せてほっとした。
この先クラリッサがどうなるかは、兄の国王次第である。
これからは全権大使一行として、騎士団に守られて楽な旅程だとジークハルトはぼんやりしていた。ユリウスと同じ馬車の対面に座っているがなんだかユリウスが憂鬱そうだ。
「ユリウス様 どうされました?」
ユリウスがため息を付いた。
「ミケーレが結婚して気が抜けた」
は?何をやらせても完璧なユリウスの言葉とも思えない。
「小さい頃から私に付いて歩いて、小さい頃は『お兄様大好き』『お兄様と結婚する』とずっと言っていたのにな。あんな男に取られるとは」
あんな男って王太子殿下なんですけれど。
「私は早くから王太子殿下の側近に決まっていて、殿下は我が家にもよくいらっしゃっていたのだよ。殿下も最初は妹ぐらいに思って付いてくるミケーレと遊んでやっていたのに!年頃になって咲き誇ってきたミケーレによろめきやがった!」
いや あなた臣下ですから言葉使い直して~よろめくってなんですかー
「ミケーレは見た目はいい。勉学も励むし出来もいい。礼儀作法も教師から満点を貰った。が……」
ユリウス妹自慢を始めたかと思ったがそうでもないようだ。
「あの性格だ」
ああ はいはい。そうですね。ミケーレ嬢は至って強気ですね。私も随分やり込められました。
「だから王太子殿下がミケーレに惚れると思わなかった。王太子殿下はマーガレットの様な大人っぽい色気美人が好きかと思っていた」
「マーガレットは年上だから候補に入らなかったのでは?」
「公的には。だが王太子殿下が惚れてしまわれたら身分も容姿も教養も申し分のないマーガレットならそれで通る。マーガレットも王太子殿下が自分に惚れるように婚約者を決めずに頑張っていたのだけど、王太子殿下はデビュタント済ませたばかりのミケーレを選んだ」
それが今回の騒動の大元か。女って怖いなぁ。
「それでもミケーレは人情に厚くて、自分に嫉妬して貶めている女を助けてしまったりする」
まあ そうですね。マルガリータに騙されて凹んでましたね。
あれ?シスコンか?
「ミケーレは一族のものと結婚させて手元に置こうと思っていたのに!」
あれ~それが本音ですか。シスコン決定ですね。でも本当に見た感じはそんなこと感じさせない。上手く隠していたなと感心するジークハルト。
「王太子殿下がミケーレに求婚をはじめたら、あのクラリッサが創国祭から居座って殿下にべったりし出して、ありもしないことをミケーレに言うものだから、あのミケーレが私の前で泣いたのだよ!それで私はクラリッサに地獄を見せることを決めた。ボーウ王国の前国王は王妃より側妃を寵愛していて、側妃の唯一の子供のクラリッサも甘やかして何でも叶えてやっていた。クラリッサはそれを笠にきて好き放題していたので罪はぼろぼろ見つかった」
おお シスコン怖い。
「あの伯爵令息を婚約者がいたのに無理矢理奪ったことですか?」
「それだけではない。自分より人気のある美しい令嬢に不穏な噂をたてて領地に蟄居するように仕向けたり、事故を装って怪我させたり、自分に靡かない貴族令息や騎士は国王に言いつけて左遷したり、難癖で領地を召し上げたりしていた」
「こ、怖い女ですね」
「一度婚約した伯爵令息も婚約者がどうなってもいいのかと脅して、王命を出させて手に入れた」
「それなのに王太子殿下に鞍替えしたんですね」
「王太子殿下がクラリッサには婚約者がいるではないかと指摘してすると、早馬で婚約破棄を伯爵令息に突き付けた。それを知った私は密かにボーウ王国の王太子に繋ぎをとってこれ以上我が国はクラリッサに我慢しないと伝えた。我が国の方が大国だ。ボーウ王国は好き放題乱費している国王と側妃のせいで国政も経済も上手くいってない。貧しい難民が我が国との国境まで出てくるほどだ。我が国はボーウ王国の政権が変わったら援助をすると言う約束をちらつかせた。それで王太子は大元を取り除くことを決めた」
ああ 王太子が実の親を排除したのですか。国のためですか、大変ですね。
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