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リヒャルト 二年生 ナターリエ 一年生
役員顔合わせ ①
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SIDE ナターリエ
ヒルデとエマが入寮して来た。
「お久しぶり!待ってたわ。」
「授業登録と役員会の顔合わせまでには行かないとと焦ったけど、なんとか来れたわ。」
「役員会の紹介の日時の方が先よね?」
「そう、明後日よ。」
「今の男子寮の長はリヒャルト殿下よね。」
「どんな方?」
「お会いした事ないからわからないわ。」
「でも、悪名高い王太子妃殿下のお子様よね?ちょっと怖い。」
エマが話に入ってきて
「側近候補のギュンターに聞いたけど、思慮深く潔癖な方だと言ってたわ。去年ダンスパーティーで媚びて婚約をねだった伯爵令嬢はすぐ処分されたそうよ。夏の間にその態度が治っていれば不問に伏すことになっていたのに、夏の休暇明けも殿下を尊称無しで呼んだり、勉強を教えて欲しいと、廊下で待ち伏せたりしたので、国王陛下から親の伯爵にお叱りがあって学園を退学になり、伯爵の一族の爵位なしの男性に嫁がせようとしたら、自分は王妃になるんだ、殿下は私を愛してる、私はヒロインだと暴れるから、精神異常として救護院に入れられたそうよ。」
ヒルデと一緒に顔を見合わせる。
「すごいね。まあ、そんなに男女の仲に潔癖な方なら王太子妃のお子様でも大丈夫かな。」
「それにしてもヒロインて何かしら?」
「主人公という意味よね。小説の。」
SIDE リヒャルト
「明後日は役員顔合わせだな。」
「ギュンター、マイヒェルベック公爵令嬢が入寮して来たから、男達は浮ついているぞ。」
「なぜ?」
「神の如くの美貌だそうだ。しかも公爵家の一人娘だ。爵位を継げない次男三男の希望の星だって。」
「それはミュンターの女官達並みに不純な動機だな。」
「まあ、そうなんだが、爵位を継げない次男三男は婿養子に行くか、文官になるか騎士団に入るかしかないだろ。」
「でも、爵位相続予定の嫡男でも弟がいたら、筆頭公爵家のマイヒェルベック家に入りたい奴出てくるんじゃないか?」
「とにかく美人だから、倍率は高いだろうな。」
「どんな美人なんだ?」
「プラチナブロンド、碧眼、身長は割とあってすらりとしてた。さすが公爵令嬢だから品があって姿勢もいい、一年早い入学らしいからまだこれからだけど、スタイル良さげだったな。」
エルマーとギュンターが話ながら私の私室のリビングに入って来た。
「ギュンター、ガブリエラ嬢入学したんだろう?侯爵令嬢だから役員だし、これから顔を合わせることも多いから、ちゃんと考えているか?」
「うるさいよ。いいんだよ。」
ギュンターが来たばかりなのにさっさと出ていってしまう。それを見て私が
「エルマー、ギュンターの想いびとは、ガブリエラ・フォン・ゾルゲ侯爵令嬢なのか?」
「そうです。マイヒェルベック公爵令嬢の補佐として役員会入りするので、よく会う事になるのですが、ギュンターは往生際が悪くて認めないのです。困ったもんです。」
ヒルデとエマが入寮して来た。
「お久しぶり!待ってたわ。」
「授業登録と役員会の顔合わせまでには行かないとと焦ったけど、なんとか来れたわ。」
「役員会の紹介の日時の方が先よね?」
「そう、明後日よ。」
「今の男子寮の長はリヒャルト殿下よね。」
「どんな方?」
「お会いした事ないからわからないわ。」
「でも、悪名高い王太子妃殿下のお子様よね?ちょっと怖い。」
エマが話に入ってきて
「側近候補のギュンターに聞いたけど、思慮深く潔癖な方だと言ってたわ。去年ダンスパーティーで媚びて婚約をねだった伯爵令嬢はすぐ処分されたそうよ。夏の間にその態度が治っていれば不問に伏すことになっていたのに、夏の休暇明けも殿下を尊称無しで呼んだり、勉強を教えて欲しいと、廊下で待ち伏せたりしたので、国王陛下から親の伯爵にお叱りがあって学園を退学になり、伯爵の一族の爵位なしの男性に嫁がせようとしたら、自分は王妃になるんだ、殿下は私を愛してる、私はヒロインだと暴れるから、精神異常として救護院に入れられたそうよ。」
ヒルデと一緒に顔を見合わせる。
「すごいね。まあ、そんなに男女の仲に潔癖な方なら王太子妃のお子様でも大丈夫かな。」
「それにしてもヒロインて何かしら?」
「主人公という意味よね。小説の。」
SIDE リヒャルト
「明後日は役員顔合わせだな。」
「ギュンター、マイヒェルベック公爵令嬢が入寮して来たから、男達は浮ついているぞ。」
「なぜ?」
「神の如くの美貌だそうだ。しかも公爵家の一人娘だ。爵位を継げない次男三男の希望の星だって。」
「それはミュンターの女官達並みに不純な動機だな。」
「まあ、そうなんだが、爵位を継げない次男三男は婿養子に行くか、文官になるか騎士団に入るかしかないだろ。」
「でも、爵位相続予定の嫡男でも弟がいたら、筆頭公爵家のマイヒェルベック家に入りたい奴出てくるんじゃないか?」
「とにかく美人だから、倍率は高いだろうな。」
「どんな美人なんだ?」
「プラチナブロンド、碧眼、身長は割とあってすらりとしてた。さすが公爵令嬢だから品があって姿勢もいい、一年早い入学らしいからまだこれからだけど、スタイル良さげだったな。」
エルマーとギュンターが話ながら私の私室のリビングに入って来た。
「ギュンター、ガブリエラ嬢入学したんだろう?侯爵令嬢だから役員だし、これから顔を合わせることも多いから、ちゃんと考えているか?」
「うるさいよ。いいんだよ。」
ギュンターが来たばかりなのにさっさと出ていってしまう。それを見て私が
「エルマー、ギュンターの想いびとは、ガブリエラ・フォン・ゾルゲ侯爵令嬢なのか?」
「そうです。マイヒェルベック公爵令嬢の補佐として役員会入りするので、よく会う事になるのですが、ギュンターは往生際が悪くて認めないのです。困ったもんです。」
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