乙女ゲームの結末は

ぐう

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公爵令嬢 ナターリエ

大人のお茶会の招待状

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 夏の暑さも和らいできたある日に、ヒルデからお茶会の招待状をもらった。

「オットー、大人も一緒のお茶会だそうよ。ヒルデのお母様が私の境遇をヒルデから聞いて誘って下さったらしいわ。」

「ヒルデガルド様の母君は存じ上げております。大人しい方で当時の王太子殿下の婚約者のビアンカ・フォン・ダンナー公爵令嬢とローゼマリー様と三人で仲良くされておりました。それぞれの婚約者に注意をするのは、いつもビアンカ様とローゼマリー様でした。ヒルデガルド様の母君はいつもじっと我慢されておりました。」

「そう言えば王太子殿下の元婚約者の方はどうされたの?」

「ビアンカ様は元々ダンナー公爵家の一人娘でした。それを国王陛下がビアンカ様を気に入られてダンナー公爵家は王太子殿下とのお子様の二人目に継がせると言うことで、婚約が成立しました。ビアンカ様には婚約破棄の時に冤罪を着せられるところでしたが、国王陛下の御裁可で王家から謝罪があり、婚約白紙となったはずです。その後どうされたかはわかりません。」


「勝手に婚約破棄しておいて冤罪って酷すぎるわね。まさかそれにお父様が手を貸したりしてないでしょうね。」

「目が眩んでおられたので、或いはしたかも
しれません。」

「最低、最低、ひどい男。そんなのの娘なの私。」

 腹が立ってしょうがない。

「お嬢様あくまで仮定です。」

「私、男性の汚いところばかり見て、結婚なんてできそうにもないわ。」

「ですが、お嬢様は公爵家の一人娘、成人したら婿を取ることになります。ベンノ様から何も指示がありませんが、学園に入学したら私がベンノ様はどうしたいか問い詰めてまいります。」

「私なんてどうでもいいと思ってるんじゃないの。」

ぷいと横を向く。ノーラが抱きしめてくれる。


「とにかくお茶会には参加で返事を出しておきますね。」

「お願いね。」


 ああ、親の話を聞くとむかむかする。私は一生恋愛とかと無縁でいたい。
ふとミュンターで出会ったあの人の顔が浮かぶ。違う愛とか恋じゃない。これはそんなのじゃない。
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