27 / 56
公爵令嬢 ナターリエ
大人のお茶会の招待状
しおりを挟む
夏の暑さも和らいできたある日に、ヒルデからお茶会の招待状をもらった。
「オットー、大人も一緒のお茶会だそうよ。ヒルデのお母様が私の境遇をヒルデから聞いて誘って下さったらしいわ。」
「ヒルデガルド様の母君は存じ上げております。大人しい方で当時の王太子殿下の婚約者のビアンカ・フォン・ダンナー公爵令嬢とローゼマリー様と三人で仲良くされておりました。それぞれの婚約者に注意をするのは、いつもビアンカ様とローゼマリー様でした。ヒルデガルド様の母君はいつもじっと我慢されておりました。」
「そう言えば王太子殿下の元婚約者の方はどうされたの?」
「ビアンカ様は元々ダンナー公爵家の一人娘でした。それを国王陛下がビアンカ様を気に入られてダンナー公爵家は王太子殿下とのお子様の二人目に継がせると言うことで、婚約が成立しました。ビアンカ様には婚約破棄の時に冤罪を着せられるところでしたが、国王陛下の御裁可で王家から謝罪があり、婚約白紙となったはずです。その後どうされたかはわかりません。」
「勝手に婚約破棄しておいて冤罪って酷すぎるわね。まさかそれにお父様が手を貸したりしてないでしょうね。」
「目が眩んでおられたので、或いはしたかも
しれません。」
「最低、最低、ひどい男。そんなのの娘なの私。」
腹が立ってしょうがない。
「お嬢様あくまで仮定です。」
「私、男性の汚いところばかり見て、結婚なんてできそうにもないわ。」
「ですが、お嬢様は公爵家の一人娘、成人したら婿を取ることになります。ベンノ様から何も指示がありませんが、学園に入学したら私がベンノ様はどうしたいか問い詰めてまいります。」
「私なんてどうでもいいと思ってるんじゃないの。」
ぷいと横を向く。ノーラが抱きしめてくれる。
「とにかくお茶会には参加で返事を出しておきますね。」
「お願いね。」
ああ、親の話を聞くとむかむかする。私は一生恋愛とかと無縁でいたい。
ふとミュンターで出会ったあの人の顔が浮かぶ。違う愛とか恋じゃない。これはそんなのじゃない。
「オットー、大人も一緒のお茶会だそうよ。ヒルデのお母様が私の境遇をヒルデから聞いて誘って下さったらしいわ。」
「ヒルデガルド様の母君は存じ上げております。大人しい方で当時の王太子殿下の婚約者のビアンカ・フォン・ダンナー公爵令嬢とローゼマリー様と三人で仲良くされておりました。それぞれの婚約者に注意をするのは、いつもビアンカ様とローゼマリー様でした。ヒルデガルド様の母君はいつもじっと我慢されておりました。」
「そう言えば王太子殿下の元婚約者の方はどうされたの?」
「ビアンカ様は元々ダンナー公爵家の一人娘でした。それを国王陛下がビアンカ様を気に入られてダンナー公爵家は王太子殿下とのお子様の二人目に継がせると言うことで、婚約が成立しました。ビアンカ様には婚約破棄の時に冤罪を着せられるところでしたが、国王陛下の御裁可で王家から謝罪があり、婚約白紙となったはずです。その後どうされたかはわかりません。」
「勝手に婚約破棄しておいて冤罪って酷すぎるわね。まさかそれにお父様が手を貸したりしてないでしょうね。」
「目が眩んでおられたので、或いはしたかも
しれません。」
「最低、最低、ひどい男。そんなのの娘なの私。」
腹が立ってしょうがない。
「お嬢様あくまで仮定です。」
「私、男性の汚いところばかり見て、結婚なんてできそうにもないわ。」
「ですが、お嬢様は公爵家の一人娘、成人したら婿を取ることになります。ベンノ様から何も指示がありませんが、学園に入学したら私がベンノ様はどうしたいか問い詰めてまいります。」
「私なんてどうでもいいと思ってるんじゃないの。」
ぷいと横を向く。ノーラが抱きしめてくれる。
「とにかくお茶会には参加で返事を出しておきますね。」
「お願いね。」
ああ、親の話を聞くとむかむかする。私は一生恋愛とかと無縁でいたい。
ふとミュンターで出会ったあの人の顔が浮かぶ。違う愛とか恋じゃない。これはそんなのじゃない。
10
お気に入りに追加
832
あなたにおすすめの小説
王太子が悪役令嬢ののろけ話ばかりするのでヒロインは困惑した
葉柚
恋愛
とある乙女ゲームの世界に転生してしまった乙女ゲームのヒロイン、アリーチェ。
メインヒーローの王太子を攻略しようとするんだけど………。
なんかこの王太子おかしい。
婚約者である悪役令嬢ののろけ話しかしないんだけど。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
この国の王族に嫁ぐのは断固拒否します
鍋
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢?
そんなの分からないけど、こんな性事情は受け入れられません。
ヒロインに王子様は譲ります。
私は好きな人を見つけます。
一章 17話完結 毎日12時に更新します。
二章 7話完結 毎日12時に更新します。
乙女ゲーのモブデブ令嬢に転生したので平和に過ごしたい
ゆの
恋愛
私は日比谷夏那、18歳。特に優れた所もなく平々凡々で、波風立てずに過ごしたかった私は、特に興味のない乙女ゲームを友人に強引に薦められるがままにプレイした。
だが、その乙女ゲームの各ルートをクリアした翌日に事故にあって亡くなってしまった。
気がつくと、乙女ゲームに1度だけ登場したモブデブ令嬢に転生していた!!特にゲームの影響がない人に転生したことに安堵した私は、ヒロインや攻略対象に関わらず平和に過ごしたいと思います。
だけど、肉やお菓子より断然大好きなフルーツばっかりを食べていたらいつの間にか痩せて、絶世の美女に…?!
平和に過ごしたい令嬢とそれを放って置かない攻略対象達の平和だったり平和じゃなかったりする日々が始まる。
深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
そして乙女ゲームは始まらなかった
お好み焼き
恋愛
気付いたら9歳の悪役令嬢に転生してました。前世でプレイした乙女ゲームの悪役キャラです。悪役令嬢なのでなにか悪さをしないといけないのでしょうか?しかし私には誰かをいじめる趣味も性癖もありません。むしろ苦しんでいる人を見ると胸が重くなります。
一体私は何をしたらいいのでしょうか?
うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?
プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。
小説家になろうでも公開している短編集です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる