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リヒャルト殿下
自覚
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ヤンと裏門から帰って来ると、しばらくして、エルマーとギュンターが帰って来た。なんだかぼんやりとして、ソファに崩れてもたれかかってると、エルマーとギュンターが近づいて来て
「で、えっとヨハン、布を買いに行かれたんだって。」
「敬語になってるぞ。」
ギュンターに指摘されるエルマー
「ああ、敬語か。面倒だな。布は俺の母のか?俺も買ってかないと、ヨハンはお優しいからとか言われちゃうな。」
「今度空きの日に三人とヤンで出かけるか、俺も母親に婚約者に土産を買ってくるようにと、言われてるから買って行かないと、母親に嫌味を言われる。母親の説教長いんだよな。」
「ヨハン、どうかしたのか?具合悪いのか?」
二人に顔を覗き込まれる。
「顔が赤い。熱がある?」
顔が赤い?なぜ?彼女のこと考えてるだけなのに。
「なんでもない。王宮はどうだった?」
「うーん、なんか怖かった。俺たち下っ端だから、後ろに下がって控えていたのだけど、式典と式典の間の休憩に女官が声かけて来るんだよ。」
「そうそう、年や爵位や婚約者の有無まで聞かれるんだ。」
「なぜ、そんなこと聞くのか聞き返すと」
「「一目惚れ」」
二人の声が揃う。
「そんなわけないよな。爵位の気になる一目惚れなんてありえない。」
「一目惚れしたやつの告白聞いた事あるけど、とにかく相手しか目に入らなくて、あとで彼女のこと何にも聞いてないって焦ったとぼやいてた。」
その話を聞くと、鼓動が速くなり、胸がずきりと痛む。
二人はさらに言う。
「見合いの身上書みたいな事を聞く、一目惚れなんてありえないよ。」
身体を起こして、二人に聞く
「一目惚れ?一目惚れってどう言う状態?」
「人伝だから詳しく説明できないけど、さっき言ったように、とにかく相手しか目に入らなくなるそうだよ。あとそいつはその子といると動悸がすごくて、身体が熱いとか言ってたな。」
胸に手を当てる。あれはひょっとして、いや私がそんなわけない。思い切り首を振って打ち消す。私に許されることじゃない。
首を振り出した私を二人が訝しげにみてる。
「で、えっとヨハン、布を買いに行かれたんだって。」
「敬語になってるぞ。」
ギュンターに指摘されるエルマー
「ああ、敬語か。面倒だな。布は俺の母のか?俺も買ってかないと、ヨハンはお優しいからとか言われちゃうな。」
「今度空きの日に三人とヤンで出かけるか、俺も母親に婚約者に土産を買ってくるようにと、言われてるから買って行かないと、母親に嫌味を言われる。母親の説教長いんだよな。」
「ヨハン、どうかしたのか?具合悪いのか?」
二人に顔を覗き込まれる。
「顔が赤い。熱がある?」
顔が赤い?なぜ?彼女のこと考えてるだけなのに。
「なんでもない。王宮はどうだった?」
「うーん、なんか怖かった。俺たち下っ端だから、後ろに下がって控えていたのだけど、式典と式典の間の休憩に女官が声かけて来るんだよ。」
「そうそう、年や爵位や婚約者の有無まで聞かれるんだ。」
「なぜ、そんなこと聞くのか聞き返すと」
「「一目惚れ」」
二人の声が揃う。
「そんなわけないよな。爵位の気になる一目惚れなんてありえない。」
「一目惚れしたやつの告白聞いた事あるけど、とにかく相手しか目に入らなくて、あとで彼女のこと何にも聞いてないって焦ったとぼやいてた。」
その話を聞くと、鼓動が速くなり、胸がずきりと痛む。
二人はさらに言う。
「見合いの身上書みたいな事を聞く、一目惚れなんてありえないよ。」
身体を起こして、二人に聞く
「一目惚れ?一目惚れってどう言う状態?」
「人伝だから詳しく説明できないけど、さっき言ったように、とにかく相手しか目に入らなくなるそうだよ。あとそいつはその子といると動悸がすごくて、身体が熱いとか言ってたな。」
胸に手を当てる。あれはひょっとして、いや私がそんなわけない。思い切り首を振って打ち消す。私に許されることじゃない。
首を振り出した私を二人が訝しげにみてる。
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