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第三章 際限なき悪意

思惑

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「どうやら、うまくいったみたいだね」

 ライハがあの馬鹿を氷漬けにした様子をライハが感知出来ない更に上空から眺めている者がいた。


「どうだい?

 君も見ていて、楽しめたろ?」


「どうだか…………」


 つまらなそうに、そいつの横で胡座を描きながら眼下のライハの姿を見つめているグーラがいる。


「面白い事があると言われて来てみれば…………。


 また、くだらない事をしやがって…………。

 やるなら、陰でこそこそとしないで、真っ向から戦えば良いんだよ!」


「それは君が《不死》だから出来る事だよ。

 私みたいに、か弱いものにはこういったやり方の方が性に合うんだ」


「ちっ…………」


 にこやかに笑顔を向けて来たそいつに、グーラは忌々しげに舌を打つ。


「それで……?

 これから、どうなるかも分かっているんだろう……?


 一体、どう動くつもりなんだ……?」


「…………そうだね…………」


 そいつはジッと、ライハの方を見据えて、思案顔になる。


 数秒程、ライハの方を見つめ続けて、頷いた。


「もう彼は用済みだから、を行う事にするよ。


 そっちの方が面白そうだしね…………。


 きっと、君も満足すると思うよ……?」


「どうだか…………」


 グーラは然程、期待せずに立ち上がると、帝国の方へと飛び立つ、そいつに追随する様に付いて行く。


 まだ、ライハ達は知らない。


 これが、新たな始まりにして、彼らの術中に嵌ってしまっているという事に…………。
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