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第二章 水の都市の大罪

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《アブソーバー》

 水蛇に向けた刀の刀身の周りに、極上サイズの光の球が無数に現れ、刀身に集まり出した。


 その光は刀身に吸い込まれるようにして、吸収されていき、淡い炎を灯す。

「行くよぉ~…………!」

 強く踏み込むと、刀を横に振った。

 その刃は衝撃を吸収される事なく、その身を難なく切り裂き、手を返して、斬り上げる。

 そして、頭と胴体を切り離された水蛇は頭を潰さないと死なないので、その上に飛んで、そのまま、脳天に刀の切っ先を突き立てた。

 それで、水蛇はしばらく、もがきながらも、次第に動きが緩慢かんまんになって行き……………………そのまま、絶命した。

「《オフモード》」

 《神電》をカードデバイスに戻して、空中でキャッチすると、自然な動作でコートの懐にしまう。

「とりあえず、成功って所だな…………」

 今回、《神電》に実装した新装備《アブソーバーシステム》--------


 《神電》の主武装《雷電》に新たに搭載された《魔力供給装置》で、大気中の魔力を《雷電》に吸収蓄積。

 《雷電》の神聖《死への誘い》の起動エネルギーに変換する。

 要約するとこうだ。



 周辺魔力を《雷電》に吸収。
    ↓
 《死への誘い》の起動エネルギーに変換。
    ↓
 《死への誘い》起動。
    ↓
 魔法の無効化。



 といった感じだ。
 
 これにより、《雷電》はパワードスーツから魔力供給しなくても、神聖が使えるようになり、問題だった《魔力伝達回路》の負荷も解消された。

 元々、性質の違う神聖同士が反発して起きた問題だ。

 供給源を別々してしまえば、関係ない。


 まあ、その分、《アブソーバーシステム》を作るのに苦労したが…………。

 は、うまく起動したのだ。

 それで良しとしよう。
 
 うん。


 とりあえず、素材を回収しておくか…………。

「動かないでください」

「…………は……?」

 水蛇の死骸に手を伸ばそうとして、光の矢に取り囲まれた。

 その矢は俺の周囲を円を描くように、至近距離で、浮かんでいて…………。

 いつでも、発射可能な態勢だった。

 おいおい…………この魔法は…………。

 その矢には、見覚えがあった。

 何せ、辺境の町で、散々、これを撃ち込まれたのだ。

 そして、それを放ったであろう人物。

「やっぱり、あなたもこの都に来ていたんですね」

 笑顔で俺の背後に近付く女。

 勇者パーティーのメンバーにして、聖女の称号を持つ者。

 ビルへルミナその人であった、

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