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第二章 魔王は再び蘇る?

癒しの神聖

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『これが私の神聖《安らぎの研鑽けんさん》になります~…………』

 再び、目を覚ました俺は、怯えてながらもシリウスから神聖の入った光の球状を渡された。

 どうやら、俺が気を失っている間にお仕置きは終わったらしい。

 とりあえず、今頂いた神聖の説明を聞いてみたが、これはパワードスーツに実装するのは難しそうだ。

 《安らぎの研鑽》

 その効力は、神聖による代償を治療及び再生魔法へと変換するというものなのだが…………。

 この神聖の代償のみ、変換出来ない上、その代償というのが…………。

 『あらゆる武器の所持、使用が出来なくなる』というものだった。

 カードデバイスも、銃も、武器となるもの全てに触れようとしても、その瞬間に弾かれてしまうのだ。

 しかも、代償の期間は丸一日を要する事も分かった。

 つまり、俺はこの神聖を使ったら最後、丸一日、戦闘能力の殆どを失うに等しいのだ。

 これは流石に、パワードスーツに組み込んだら、完全に戦えなくなる。

 もし組み込むとしたら、メディカルポッドにするべきだな…………。

 あれは元々、治療用だし、問題はない。

 それに工房なら、防衛能力もあるし、安全だ。

 何せ、女神を除けば、工房はこの世界の連中にはにある訳だし…………。

 さっそく、組み込んでみよう。

 と…………その前に…………。

「ねぇ~…………。

 確か、あの悪魔の巣穴に付いて話してたよねぇ~……?」

『は、はぃいい~…………!

 た、確かに、話しましたよ~!!』

 いや、そんなに怯えなくても…………。

「それって、教えて貰う事って出来ますかぁ~……?」


------------------------------------------

「なるほどねぇ~…………」

 あの後、快く教えて貰った暴食の悪魔の住処。

 そこは何と、俺が最初に立ち寄った坑道----------------から少し離れた森の中。

 その森の中で、白昼堂々と昼寝をしていたのだ。

 しかも、見分けが付かないように、保護色を用いて、周りの景色に溶け込んでいる。

 探査機の熱源センサーがなければ、分からない程、無駄に凝っている。

 センサーの反応からして、こいつは手足である分身体達よりも、かなり小さいな…………。

 大きさは、ちょうど、分身体の半分くらいってところかな……?

 それにしても、散々、喰い散らかしておいて、呑気に昼寝とは…………。

 敵ながら、肝の座った奴だ。

「あっ…………」

 映像が途切れた。

 偵察機がやられたようだ。

 どうやら、勘も良いらしい…………。

 大体、偵察機がやられた距離は半径六メートル弱。

 それを超えると感知して、攻撃をしてくるみたいだな…………。

 特に、あの速さは分身体と比べても、桁違いだ。

 これは中々、良い収穫だったと思う。

 後は《神電》の全体修理を終わらせないといけない。

 そういえば、シリアスが《魔力伝達回路》を強化するのに、最適な素材を取って来るとか言ってたが…………。

 その素材って、一体何だ……?

『お待たせしました~…………』

「おぉ~、噂をすればぁ~…………」

 そう何気なく、振り返って、凍り付く。

 あの姉も姉だが、妹の方も場を乱すのは得意な方らしい。

「お久しぶりですわ!」

 何せ、工房内に勇者パーティーっていう面倒な連中を引き連れて来やがったんだから…………。

 


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