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第二章 新たな策略
情報賢者 サブラク
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私が魔法を発動させると、腕に目の紋様のような魔法陣が浮かび上がり、その目の部分から光の球体が出て来た。
その光は私の目の前で、私の顔ぐらいの大きさの手鏡のような物に変化して、空中を浮遊していた。
私はその空中で浮遊しながら、静止している手鏡に触れて、魔力を流し込んだ。
すると、その手鏡に薄っすらと人の影のようなものが徐々に映し出されて行った。
『ありゃりゃ? そっちから、連絡して来るなんて、珍しいにゃ?』
そんな気が抜けそうな声で、その手鏡に映った人物を見て私は思わず、溜め息を吐いた。
「そういうあなたは、良い加減、《服を着る》という事を覚えたら…………?」
皮肉混じりに、手鏡に映った主、何故か、服も着ず、全裸で胡座を描く巨乳の美女-------------情報賢者のサブラクに言い放った。
情報賢者サブラク-------------
まぁ、裏の世界じゃ結構、名の知れた魔法使いで、どうやってなのかは分からないが、禁忌とされる魔法や秘匿されている情報などのものを報酬次第で売り飛ばす情報屋だ。
もちろん、個人情報なんてものも売り捌いている。
情報は事細かく、正確で詳細な上、依頼したら律儀に調べてくれるので、私も何度か、情報を貰ったりしている。
ちなみに、禁忌である【聖女転生魔法】の情報源はこのサブラクだったりする。
『おっと…………これは失敬だにゃ』
サブラクは興味なさげに、手鏡越しでも分かる様に散らかった床から明らかに埃まみれの白衣を羽織って、向き直って来る。
『それで、何の用だにゃ?』
たまには洗濯もしなさいよ。
本当に呆れるばかりで、色々とツッコミたい気持ちはあるのだが、いつもの事なので、スルーして、本題に入る。
「ルビエイト王国第一騎士団団長クナト・ファームの娘で、ミリヤ・ファームって女の子の事を調べてくれないかしら?」
私が用件を伝えると、何故か、サブラクの目が点になる。
「…………どうしたのよ…………?」
私がいつもと様子が可笑しいサブラクを訝しげに見つめていると、急にサブラクが腹を抱えて笑い出した。
『ほ、ほんとに…………あんたにゃの…………? まるで、別人みたいだにゃあ~…………』
「…………どういう意味…………?」
腹を抑えて、今も笑いを堪えながら、小刻みに震えて、問い掛けるサブラクに、私は不快感を隠さず、問い返す。
すると、サブラクは愉快そうに再び吹き出した。
『くひひ…………可笑しいにゃ…………。だめ、もう息が…………』
「……………………」
何が可笑しいというのだろうか?
その光は私の目の前で、私の顔ぐらいの大きさの手鏡のような物に変化して、空中を浮遊していた。
私はその空中で浮遊しながら、静止している手鏡に触れて、魔力を流し込んだ。
すると、その手鏡に薄っすらと人の影のようなものが徐々に映し出されて行った。
『ありゃりゃ? そっちから、連絡して来るなんて、珍しいにゃ?』
そんな気が抜けそうな声で、その手鏡に映った人物を見て私は思わず、溜め息を吐いた。
「そういうあなたは、良い加減、《服を着る》という事を覚えたら…………?」
皮肉混じりに、手鏡に映った主、何故か、服も着ず、全裸で胡座を描く巨乳の美女-------------情報賢者のサブラクに言い放った。
情報賢者サブラク-------------
まぁ、裏の世界じゃ結構、名の知れた魔法使いで、どうやってなのかは分からないが、禁忌とされる魔法や秘匿されている情報などのものを報酬次第で売り飛ばす情報屋だ。
もちろん、個人情報なんてものも売り捌いている。
情報は事細かく、正確で詳細な上、依頼したら律儀に調べてくれるので、私も何度か、情報を貰ったりしている。
ちなみに、禁忌である【聖女転生魔法】の情報源はこのサブラクだったりする。
『おっと…………これは失敬だにゃ』
サブラクは興味なさげに、手鏡越しでも分かる様に散らかった床から明らかに埃まみれの白衣を羽織って、向き直って来る。
『それで、何の用だにゃ?』
たまには洗濯もしなさいよ。
本当に呆れるばかりで、色々とツッコミたい気持ちはあるのだが、いつもの事なので、スルーして、本題に入る。
「ルビエイト王国第一騎士団団長クナト・ファームの娘で、ミリヤ・ファームって女の子の事を調べてくれないかしら?」
私が用件を伝えると、何故か、サブラクの目が点になる。
「…………どうしたのよ…………?」
私がいつもと様子が可笑しいサブラクを訝しげに見つめていると、急にサブラクが腹を抱えて笑い出した。
『ほ、ほんとに…………あんたにゃの…………? まるで、別人みたいだにゃあ~…………』
「…………どういう意味…………?」
腹を抑えて、今も笑いを堪えながら、小刻みに震えて、問い掛けるサブラクに、私は不快感を隠さず、問い返す。
すると、サブラクは愉快そうに再び吹き出した。
『くひひ…………可笑しいにゃ…………。だめ、もう息が…………』
「……………………」
何が可笑しいというのだろうか?
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