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第一章 憎き聖女との邂逅

闇の聖女

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 何で魔族が此処にっ!?

 っと、言いたい所だが、このクソ迷惑な第二騎士団長様が隠れ家にいる時点で、ツッコム気が失せる。

「逃げるぞ」

 迷惑なあんただけ逃げろよ。

 きっと、こんなクソ迷惑な奴といるから、こういう面倒ごとに巻き込まれる。

 うん。

 きっとそうだ。

 だから-------------

「ぐふっ!?」

 振り向きざまに、腹パンで気絶させておくね。

 そんじゃ、後は逃げ失せるだけだ。

「「「逃がさん!!!」」」

 あっ…………やば…………。

 冷や汗を流しつつも、咄嗟に、吹き飛んだ小屋の残骸に突き刺さっていた刀を掴んで、ついでに、その他に散乱していた適当な投擲武器を魔族共に投げ付ける。

 そして、剣で斬り掛かって来た奴には、刀の刀身で受け流し、切り返して、反撃する。

 続けざまに、三体程、両断して、刀を構え、とある方へと走り出した。

 確か、こっちの方に-------------

「行けっ!!! 【闇の聖女】を取り逃すなっ!!! 絶対に捕まえるのだ!!!」

 ん?

 【闇の聖女】って、私の事?

 ある地点に向けて、刀を振るいながら、駆け出した私は、ふと、指揮をしている指揮官らしき魔族が、何やら、意味深な言葉を口している事に気付いた。

 先程、第二騎士団長様が【狙いは私だ】と断言していた。

 普通に考えるなら、そういう事なのだろう。

 でも、そう簡単に捕まるものか。

 何せ、此処は私の隠れ家がある土地。

 何処に、どのような仕掛けをしておいてあるのか、手に取るように分かる。

 だから-------------

「な、何だ!?」

「何っ!?」

「ぐわっ!!!」

 こんな風に、串刺しにされる。

 念のため、追われた際に、地中から長細い無数の杭が飛び出るトラップを作っておいたのよね。

 そして、それが発動すると同時に-------------転移魔法を仕掛けたトラップもあったりするんだな…………。

「っ!? しまった!!」

「それじゃあね~♪」

 私は柔かに手を振って、その場から逃げ去った。

 何か、最近、こういう事、多くないかな?
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