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聖戦の始動編
答えよう
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俺は嫌な予感を抱きつつも、管制室のコンソールを操作して、データの閲覧作業と接続した端末への情報の転送作業を同時進行で続けていた。
そんで、側にいる聖女には、一応、周辺の警戒をさせて貰っている。
「「……………………」」
女神に関する情報を聞き終えた後、無言になる俺達。
辺りに聞こえるのは、コンソールを操作する機械音のみ。
そんな静寂を破ったのは、ビームソード片手に周辺の警戒をしていた聖女からのこんな質問だった。
「あの…………こちらからも、一つお聞きしたい事があります」
「…………何だ?」
背後を振り向く事なく、コンソールを操作しながら、ぶっきらぼうに返事をする俺。
そんな俺に、聖女はいたく真面目な口調で、こう質問して来た。
「あなたは何故、あの時、助けてくれたのですか?」
「どういう意味だ?」
質問の意図が読めず、思わず、手を止めて、背後にいる聖女の方へと振り返る。
振り返った先にいた聖女と目が合う。
その目には、力強く、確固たる意志のようなものを感じる真剣な瞳だ。
下手な答えは返せない。
そう思える程の強い想いを感じる。
流石は、勇者パーティーの聖女…………とでも言えば良いのか。
聖女様の話によれば、以前、俺が救った最初の街で、勇者パーティーの面々も、あのレギオンタイプと戦っていたそうだ。
そして、苦戦する勇者パーティーの面々を救ったのは、夜の空を駆ける巨大なゴーレムだったそうだ。
まず、間違いなく、俺の愛機《フォートナー》の事だ。
正直、勇者パーティーの面々が、あの街にいたなんて知らないし、助けた覚えもない。
それは聖女の見当違いだ。
ただ、一つ言える事は-------------
「俺はただ、恥じない生き方をしたいだけだ」
「恥じない生き方…………ですか?」
「そうだ」
俺はそう答えた後、再び、コンソールを操作し出した。
「はっきり言って、俺はこの世界の連中の事が嫌いだし、勝手にくたばってくれれば良いと思ってる。滅びるんだったら、さっさと滅べってくらいにな…………」
「……………………」
「けどな…………。それでも、どうしても、譲れない。そんなものが、俺の中にもある。例え、世界を敵に回そうとな…………」
聖女は何も答えない。
けれど、真摯に俺の答えに耳を傾けているのは伝わって来る。
だから、俺は答えよう。
俺が俺らしい答えで、嘘偽りなく、真っ直ぐな答えを-------------
「俺はただ、逃げたくないだけだ。不条理に苛まれる弱い奴を…………理不尽に虐げられる奴を…………。そんな弱者を痛ぶり、我が物顔で、踏み付ける糞みたいな悲劇を-------------俺は許せないから、戦うんだ」
そう…………許せないんだ。
だって、あの人もそうだった。
いつだって、理不尽で、不条理で、助けを求める人達の元へどんな状況だろうと、立ち向かい、救って来たあの人なら、きっと、俺と同じ事をした。
そう確信出来る。
何故なら、あの人は俺の誇りだから-------------
だから、俺は立ち向かいたいんだ。
こんな馬鹿げた悲劇をさっさと終わらせる為に-------------
その為なら、何だって利用してやる。
例え、いけ好かないお前ら、勇者パーティーの奴らであってもな…………。
「だから、まぁ、あんたが気にする必要もないし、気にして欲しいとも思わない。俺は俺で好きなようにする。だから、あんたもあんたで、この状況を利用して、あんたがすべき最善の選択をしろ。それがきっと、あんたが目指すものにも繋がる筈だ」
確証は出来んが、とそう締めくくり、コンソールの作業を終え、端末を無造作に引き抜いた。
欲しい情報は手に入れたからだ。
そして、剣聖様の居場所を見つけた事を背後の聖女に伝え、「行くぞ」と軽く彼女の肩を叩いて、管制室を退室する。
「ふふっ…………」
ふと、退室する際に、背後で聖女が笑う声を耳にした。
立ち止まり、肩越しに振り返る俺の瞳に、柔らかな優しい笑みを浮かべる聖女の姿が映った。
その上で、聖女はこう言ったのだ。
「あなたは、本当はとても、優しい人…………なのですね」
「……………………」
うるせぇよ…………!!!
俺は不機嫌そうに、鼻を鳴らしながら、矢鱈と暑くなる顔を背けて、再び、歩き出した。
そんな俺の後を、優しく見つめる聖女が続くように追って来るのが分かる。
とりあえず、剣聖様の元に向かうとしますか。
そんで、側にいる聖女には、一応、周辺の警戒をさせて貰っている。
「「……………………」」
女神に関する情報を聞き終えた後、無言になる俺達。
辺りに聞こえるのは、コンソールを操作する機械音のみ。
そんな静寂を破ったのは、ビームソード片手に周辺の警戒をしていた聖女からのこんな質問だった。
「あの…………こちらからも、一つお聞きしたい事があります」
「…………何だ?」
背後を振り向く事なく、コンソールを操作しながら、ぶっきらぼうに返事をする俺。
そんな俺に、聖女はいたく真面目な口調で、こう質問して来た。
「あなたは何故、あの時、助けてくれたのですか?」
「どういう意味だ?」
質問の意図が読めず、思わず、手を止めて、背後にいる聖女の方へと振り返る。
振り返った先にいた聖女と目が合う。
その目には、力強く、確固たる意志のようなものを感じる真剣な瞳だ。
下手な答えは返せない。
そう思える程の強い想いを感じる。
流石は、勇者パーティーの聖女…………とでも言えば良いのか。
聖女様の話によれば、以前、俺が救った最初の街で、勇者パーティーの面々も、あのレギオンタイプと戦っていたそうだ。
そして、苦戦する勇者パーティーの面々を救ったのは、夜の空を駆ける巨大なゴーレムだったそうだ。
まず、間違いなく、俺の愛機《フォートナー》の事だ。
正直、勇者パーティーの面々が、あの街にいたなんて知らないし、助けた覚えもない。
それは聖女の見当違いだ。
ただ、一つ言える事は-------------
「俺はただ、恥じない生き方をしたいだけだ」
「恥じない生き方…………ですか?」
「そうだ」
俺はそう答えた後、再び、コンソールを操作し出した。
「はっきり言って、俺はこの世界の連中の事が嫌いだし、勝手にくたばってくれれば良いと思ってる。滅びるんだったら、さっさと滅べってくらいにな…………」
「……………………」
「けどな…………。それでも、どうしても、譲れない。そんなものが、俺の中にもある。例え、世界を敵に回そうとな…………」
聖女は何も答えない。
けれど、真摯に俺の答えに耳を傾けているのは伝わって来る。
だから、俺は答えよう。
俺が俺らしい答えで、嘘偽りなく、真っ直ぐな答えを-------------
「俺はただ、逃げたくないだけだ。不条理に苛まれる弱い奴を…………理不尽に虐げられる奴を…………。そんな弱者を痛ぶり、我が物顔で、踏み付ける糞みたいな悲劇を-------------俺は許せないから、戦うんだ」
そう…………許せないんだ。
だって、あの人もそうだった。
いつだって、理不尽で、不条理で、助けを求める人達の元へどんな状況だろうと、立ち向かい、救って来たあの人なら、きっと、俺と同じ事をした。
そう確信出来る。
何故なら、あの人は俺の誇りだから-------------
だから、俺は立ち向かいたいんだ。
こんな馬鹿げた悲劇をさっさと終わらせる為に-------------
その為なら、何だって利用してやる。
例え、いけ好かないお前ら、勇者パーティーの奴らであってもな…………。
「だから、まぁ、あんたが気にする必要もないし、気にして欲しいとも思わない。俺は俺で好きなようにする。だから、あんたもあんたで、この状況を利用して、あんたがすべき最善の選択をしろ。それがきっと、あんたが目指すものにも繋がる筈だ」
確証は出来んが、とそう締めくくり、コンソールの作業を終え、端末を無造作に引き抜いた。
欲しい情報は手に入れたからだ。
そして、剣聖様の居場所を見つけた事を背後の聖女に伝え、「行くぞ」と軽く彼女の肩を叩いて、管制室を退室する。
「ふふっ…………」
ふと、退室する際に、背後で聖女が笑う声を耳にした。
立ち止まり、肩越しに振り返る俺の瞳に、柔らかな優しい笑みを浮かべる聖女の姿が映った。
その上で、聖女はこう言ったのだ。
「あなたは、本当はとても、優しい人…………なのですね」
「……………………」
うるせぇよ…………!!!
俺は不機嫌そうに、鼻を鳴らしながら、矢鱈と暑くなる顔を背けて、再び、歩き出した。
そんな俺の後を、優しく見つめる聖女が続くように追って来るのが分かる。
とりあえず、剣聖様の元に向かうとしますか。
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