上 下
151 / 163
闇の息吹

よし、殴ろう

しおりを挟む
「つまり、あなたはリヒト王子に、この装置を渡されたのですね?」

 聖女が優しく尋ねると、例の少女が顔を若干、俯かせながらも首を縦に振った。

 何故、聖女が尋ねているかって?

 そんなの簡単だ。

 俺が問い掛けたら、泣かれたんだよ!!!

 こんちくしょー!!!

 おかげで、剣聖達や、何故か、シスターズの連中に、幼女を泣かせた悪党のようなレッテルを貼られ、事情を説明するのに苦労した。

 ほんと、嫌な日だよ!!!

 まぁ、聖女様がその少女-------------リリアーナからある程度の話を聞き出して貰えたけど。

 何でも、この少女リリアーナは、あのリヒト王子の許婚。

 つまりは親同士が決めた婚約者だそうだ。

 だが、よくあるパターンで、親同士が決めた婚約であっても、二人の関係は良好。

 相思相愛で、ラブラブなんだと-------------

 うん。

 奴は敵だ!!!

 年齢=彼女なしの恨みは恐ろしいぞ!?

 と、脱線はしたので、話は戻すが…………。

 あの日、リヒト王子は俺と別れた後、数日掛けて、祖国へと帰還を果たし、包み隠さず、くだんの件を父に報告した。

 その終わりに、奴ら-------------ロボット兵器軍が襲来。

 瞬く間に、北西方面から進軍し、今も戦闘中。

 今も、王都では、リヒト王子は父や兄と共に戦場を駆け抜け、奮闘中なのだそうだ。

 では、何故、リリアーナが警報端末を所持しているのか。

 答えは至極単純。

 リリアーナを守るべく、リヒト王子の馬鹿が明け渡したのだ。

 これがあれば、君だけでも助かる。

 そんなキザな事を抜かして-------------

「……………………」

 絶対、愛しているとか、ほざいたんだよな…………。

 こんな時だし、良いムードになるかもよ?

 吊り橋効果って奴だ。

 だが-------------

「ひっく…………!!!

 リヒト…………」

 女を泣かせるのは、良くねぇよな…………?

 良くねぇよ。

 よし、殴ろう。

 聖女様が聞き出してくれたおかげで、あの馬鹿のある程度の位置も分かった。

 後は殴り飛ばすだけだ。

「とりあえず、後よろしく…………」

「ちょっ、ちょっと!?」

 俺はプラモ状の《デルタ・アーム》を取り出して、変身した。

 んで、高速で飛んで行く。

 そして、フレジスタ王国王都に到着するなり、一言-------------

『リア充爆発しろ!!!!!』

 飛行形態に装備されたコンテナから多数のミサイルが夜空を駆け抜け、大地に綺麗な花を咲かせました。

 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~

夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。 しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。 とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。 エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。 スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。 *小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

ハズレ職業のテイマーは【強奪】スキルで無双する〜最弱の職業とバカにされたテイマーは魔物のスキルを自分のものにできる最強の職業でした〜

平山和人
ファンタジー
Sランクパーティー【黄金の獅子王】に所属するテイマーのカイトは役立たずを理由にパーティーから追放される。 途方に暮れるカイトであったが、伝説の神獣であるフェンリルと遭遇したことで、テイムした魔物の能力を自分のものに出来る力に目覚める。 さらにカイトは100年に一度しか産まれないゴッドテイマーであることが判明し、フェンリルを始めとする神獣を従える存在となる。 魔物のスキルを吸収しまくってカイトはやがて最強のテイマーとして世界中に名を轟かせていくことになる。 一方、カイトを追放した【黄金の獅子王】はカイトを失ったことで没落の道を歩み、パーティーを解散することになった。

お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。 勇者としての役割、与えられた力。 クラスメイトに協力的なお姫様。 しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。 突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。 そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。 なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ! ──王城ごと。 王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された! そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。 何故元の世界に帰ってきてしまったのか? そして何故か使えない魔法。 どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。 それを他所に内心あわてている生徒が一人。 それこそが磯貝章だった。 「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」 目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。 幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。 もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。 そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。 当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。 日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。 「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」 ──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。 序章まで一挙公開。 翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。 序章 異世界転移【9/2〜】 一章 異世界クラセリア【9/3〜】 二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】 三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】 四章 新生活は異世界で【9/10〜】 五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】 六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】 七章 探索! 並行世界【9/19〜】 95部で第一部完とさせて貰ってます。 ※9/24日まで毎日投稿されます。 ※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。 おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。 勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。 ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。

スキル【自動回収】で人助け〜素直な少年は無自覚に人をたらし込む〜

ree
ファンタジー
主人公ー陽野 朝日は(ようの あさひ)は  かなり変わった境遇の持ち主だ。  自身の家族も故郷も何もかもを知らずに育ち、本だけが友達だった。  成人を目前にして初めて外に出た彼は今まで未知だった本の中の世界を夢見て冒険に出る。  沢山の人に頼り、頼られ、懐き、懐かれ…至る所で人をタラシ込み、自身の夢の為、人の為ひた走る。    【自動回収】という唯一無二のスキルで気づかず無双!?小さな世界から飛び出した無垢な少年は自分の為に我儘に異世界で人をタラシ込む?お話…  冒険?スローライフ?恋愛?  何が何だか分からないが取り敢えず懸命に生きてみます! *ゲームで偶に目にする機能。  某有名ゲームタイトル(ゼ○ダの伝説、テイ○ズなどなど)をプレイ中、敵を倒したらそのドロップアイテムに近づくと勝手に回収されることがありませんか?  その機能を此処では【自動回収】と呼び、更に機能的になって主人公が扱います。 *設定上【自動回収】の出来る事の枠ゲームよりもとても広いですが、そこはご理解頂ければ幸いです。 ※誤字脱字、設定ゆるめですが温かい目で見守って頂ければ幸いです。 ※プロット完成済み。 ※R15設定は念の為です。 ゆっくり目の更新だと思いますが、最後まで頑張ります!  

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

ダンジョン都市を作ろう! 〜異世界で弱小領主になった俺、領地にあったダンジョンを強化していたら、最強領地が出来てた〜

未来人A
ファンタジー
高校生、新谷誠司は異世界召喚に巻き込まれた。 巻き込んだお詫びに国王から領地を貰い、領主になった。 領地にはダンジョンが封印されていた。誠司はその封印を解く。 ダンジョンは階層が分かれていた。 各階層にいるボスを倒すと、その階層を管理することが出来るになる。 一階層の管理を出来るようになった誠司は、習得した『生産魔法』の力も使い、ダンジョンで得た珍しい素材をクラフトしアイテムを作りまくった。 アイテムを売ったりすることで資金が増え、領地はどんどん発展した。 集まって来た冒険者たちの力を借りて、誠司はダンジョン攻略を進めていく。 誠司の領地は、『ダンジョン都市』と呼ばれる大都市へと変貌を遂げていった――――

俺だけステータスが見える件~ゴミスキル【開く】持ちの俺はダンジョンに捨てられたが、【開く】はステータスオープンできるチートスキルでした~

平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。 異世界より召喚された者は神からスキルを授かるが、直人のスキルは『物を開け閉めする』だけのゴミスキルだと判明し、ダンジョンに廃棄されることになった。 途方にくれる直人は偶然、このゴミスキルの真の力に気づく。それは自分や他者のステータスを数値化して表示できるというものだった。 しかもそれだけでなくステータスを再分配することで無限に強くなることが可能で、更にはスキルまで再分配できる能力だと判明する。 その力を使い、ダンジョンから脱出した直人は、自分をバカにした連中を徹底的に蹂躙していくのであった。

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件

月風レイ
ファンタジー
 普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。    そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。  そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。  そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。  そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。  食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。  不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。  大修正中!今週中に修正終え更新していきます!

処理中です...