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聖剣の秘密

閑話 ありえないでしょ…………?!

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~アルダート視点~


 どうして、がここに…………!?

 わたくしは、あまりにも信じられない光景に、、言葉を失った。

 今、わたくしの目の前にいるのは、聖女の後を追って、ベリンキューム帝国へと転移した筈の如月湊の姿だった。

「どうして、ここにいるんだ…………?

 何て、顔してんな…………。

 なる程、それがお前の本性だった訳だ」

「くっ!!」

 わたくしは、地面に転がっている魔剣に手を伸ばそうとして、例のビームとかいう攻撃で、魔剣が遠くへと弾き飛ばされる。

「そんな簡単に取らせる訳ねぇだろ…………?

 本性晒したんだったら、意地でも取りに行けや…………」

 柄の悪いヤクザのようなメンチきりで、威嚇する湊に対し、わたくしは刻々と苛立ちを募らせて行く。

 何で!?

 どうして!?

 何処で、計画が狂った!?

 確かに、あいつが転移した後、転移装置は機能を切っておいた筈だ!!

 なら、元から、転移系のスキルや魔法を持っていた?

 いや、そんな情報は鼻からなかった。

 それ以前に、先生を逃さない為に、この要塞内では、如何なる転移系の類を封じる結界を展開しておいた。

 中どころか、外からでも要塞には、絶対に入れない。

 あいつが持っているのは、たった一つのスキルだけの筈。

 もしかして、新たなスキルの隠し機能か?

 そうか、それなら、このありえない状況も理解出来る。
 
 戦闘兵器を一瞬にして、プラモとかいう小型にし、組み替える事で改造する-------------

 なんて、あんな理解の超えた隠し機能を持っているスキルなのだ。

 それくらい、簡単に出来ても可笑しくはない。

「何考えてるか、大体、察しが付くが……………………俺はいつも通りのものしか使ってねぇぞ…………?」

「……………………は…………?」

 思わず、間の抜けた声を出したわたくしに、あいつは呆れたようにため息を吐いた。

「だから、俺はいつものように、スキルでプラモを作って、変身して飛んで来ただけだ…………」

「………………………………」

 理解出来ない。

 そう思わず、わたくしの思考がフリーズした。

 いつものように、プラモというものを作って、変身して飛んで来た?

 此処から、ベリンキューム帝国まで、どれだけの距離があると思っているんですか?

 しかも、あなたが転移してから、まだ十分も経っていないんですが-------------

「まぁ、信じられねぇわな…………。

 だからさ-------------」

《スキルリンク:プレイヤーワン》

『その身で、じっくり感じとけ…………』

「ぶっ!!!」

 顔面の装甲が凹む程の強烈な衝撃が走った。

 気付いた時には、わたくしは鋼鉄の拳によって、殴られていた。

 胴体から離れた頭のみが、宙を飛び、要塞のブリッジの壁に激突して、半壊して行く。

 わたくしの高機能のセンサーを持ってしても、捕らえらない謎の速さ。

 そして、この尋常じゃない威力のパンチは一体-------------



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