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ボーケイ=小人の帽子
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ボーケイ、それは始めは球体かと思ったが、土の上にあるそれは縦長に見える。
懸命に立っている姿が微笑ましい。
「これ、何ですか?」
「ボーケイは種別ですと植物です」
カークの問いに神父様が迷いなく答える。
「キノコ、ですか?」
「いえ、乾いた土地に生えるサボテンと言う植物の一種です。葉を出さず筒状か金貨のような平たい肉厚な体がコブの様に連結します」
「想像が、難しい、です」
「このボーケイは頭頂部にピッグ色の花が咲き、その頭頂部から同じ形の子株が出来て増えます」
縦に積み重なって増えるのか。面白い習性だな。
「子株は一度に三個以上できる事もあるそうです」
あ~上が重くなって根元の親株がプルプルする姿が想像できた。
「多くのキャッタスは外向けに棘を生やしているんですが、ボーケイは棘が横に伸びているので触っても安全で、見た目も星がひしめいているようでキレイです」
ほうほう。
「他にも草スライムを植物にしたような見た目のキャッタスはウリャンシーと言います。
緑色の下地を埋めつくすように細かい白い斑点のあるキャッタスのカワイルズは美しいです。
他にもまるで糸玉のような柔らかく長い棘を体に纏うジェロセファラは芸術的です!」
神父様にキャッタス愛を語られてしまった。
しかし、スライムの核から植物が生えるとは……不思議だ。
「スライムは、詳しい事、わかってない」
不思議そうに見ているとこを見ると、そうなんだろうな。
しかしキャッタスは肥料がいらないので放置らしい。
植物だからケイとセンに叩かれても動きはない。
これは放置だな。
翌朝、いつもよりざわついている。
こんな朝早くから人間が集まっているのか?
カークが顔を洗いに井戸まで出て来たので人間の声がする方を見る。
畑の方だ。
カークはとりあえず顔を洗い、ケイとセンも水をかけてから磨いてくれる。
「よし、良いぞ」
放してもらった二匹は今度は自分で持っている羽根を水で洗う。
セキ達もいつの間にか居て、濡らした手で顔を拭っている。
畑の人間が減る様子はない。
羽根の輝きに満足した二匹が畑の方に移動を開始した。
見回りかなと思ったが、二匹が人間に蹴飛ばされないか心配になった。
「厨房の仕事、まだ、時間ある」
カークが気を利かせてくれて、二匹に付いて行くことにした。
移動速度は人間の子供が歩くくらい。
教会の学習部屋に来る子供達と並んで歩けるくらいの速度はある。
山の中にいる頃は比較されることが無かったからもっとゆっくりだった気がする。
セキ達も今日はカークの肩にいる。
本当に人間たちは何してるんだろうな。
ケイとセンは人間たちの塊に向かって進んでいく。
「どうしました?」
到着を待たずにカークが声をかけると、振り向いた中に神父達教会の人間もいた。
足を動かす様子はないから蹴飛ばされることはないかな?
「カークさん、あれです……」
神父様が視線を向けた先には白くて丸い物体。
昨日見たボーケイだな……んん?
そのボーケイにケイとセンが寄っていく。
ちょっと待て、一晩しか経ってないよな?
「一晩しか、経ってない」
そうだよな!
何だよあれは。
ケイ達と同じ大きさになってるじゃないか!
懸命に立っている姿が微笑ましい。
「これ、何ですか?」
「ボーケイは種別ですと植物です」
カークの問いに神父様が迷いなく答える。
「キノコ、ですか?」
「いえ、乾いた土地に生えるサボテンと言う植物の一種です。葉を出さず筒状か金貨のような平たい肉厚な体がコブの様に連結します」
「想像が、難しい、です」
「このボーケイは頭頂部にピッグ色の花が咲き、その頭頂部から同じ形の子株が出来て増えます」
縦に積み重なって増えるのか。面白い習性だな。
「子株は一度に三個以上できる事もあるそうです」
あ~上が重くなって根元の親株がプルプルする姿が想像できた。
「多くのキャッタスは外向けに棘を生やしているんですが、ボーケイは棘が横に伸びているので触っても安全で、見た目も星がひしめいているようでキレイです」
ほうほう。
「他にも草スライムを植物にしたような見た目のキャッタスはウリャンシーと言います。
緑色の下地を埋めつくすように細かい白い斑点のあるキャッタスのカワイルズは美しいです。
他にもまるで糸玉のような柔らかく長い棘を体に纏うジェロセファラは芸術的です!」
神父様にキャッタス愛を語られてしまった。
しかし、スライムの核から植物が生えるとは……不思議だ。
「スライムは、詳しい事、わかってない」
不思議そうに見ているとこを見ると、そうなんだろうな。
しかしキャッタスは肥料がいらないので放置らしい。
植物だからケイとセンに叩かれても動きはない。
これは放置だな。
翌朝、いつもよりざわついている。
こんな朝早くから人間が集まっているのか?
カークが顔を洗いに井戸まで出て来たので人間の声がする方を見る。
畑の方だ。
カークはとりあえず顔を洗い、ケイとセンも水をかけてから磨いてくれる。
「よし、良いぞ」
放してもらった二匹は今度は自分で持っている羽根を水で洗う。
セキ達もいつの間にか居て、濡らした手で顔を拭っている。
畑の人間が減る様子はない。
羽根の輝きに満足した二匹が畑の方に移動を開始した。
見回りかなと思ったが、二匹が人間に蹴飛ばされないか心配になった。
「厨房の仕事、まだ、時間ある」
カークが気を利かせてくれて、二匹に付いて行くことにした。
移動速度は人間の子供が歩くくらい。
教会の学習部屋に来る子供達と並んで歩けるくらいの速度はある。
山の中にいる頃は比較されることが無かったからもっとゆっくりだった気がする。
セキ達も今日はカークの肩にいる。
本当に人間たちは何してるんだろうな。
ケイとセンは人間たちの塊に向かって進んでいく。
「どうしました?」
到着を待たずにカークが声をかけると、振り向いた中に神父達教会の人間もいた。
足を動かす様子はないから蹴飛ばされることはないかな?
「カークさん、あれです……」
神父様が視線を向けた先には白くて丸い物体。
昨日見たボーケイだな……んん?
そのボーケイにケイとセンが寄っていく。
ちょっと待て、一晩しか経ってないよな?
「一晩しか、経ってない」
そうだよな!
何だよあれは。
ケイ達と同じ大きさになってるじゃないか!
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