上 下
2 / 15

なくなった婚約

しおりを挟む
魔女の住処にたどり着いたのは日が沈んだ頃だった。

隠れながら移動して2回ほど兵に遭遇してしまい、その都度2人が対処した。

魔女がいるかもわからなければ、あってくれるかもわからない。

妹が起こしたクーデターなら、ここに来ることはわかっているだろう。

扉をのノックする

返事はなかった

「どちら様」

背後から声を掛けられる

振り返ると女性が立っていた

モノトーンの服装に黒くて長い髪

年齢は30代後半くらいだろうか?

私「あなたは・・・」

魔女「わたし?ここの家の・・・あれ?あなたお姫様・・・今日は結婚式じゃ・・・」

私「だったんですが・・・」

魔女「まぁ、中に入ろうか?」

連れている2人を眺めながらカギ開ける

魔女「その姿でここに来たってことは・・・」

私「兵たちの反乱が・・・」

魔女「反乱ね・・・そっちは王子さまと?」

姉「これの姉です」

魔女「そう・・・それで3人で逃げてきたと」

私「はい」

王子「おそらくは東の国と南の国が手を組んで・・・」

魔女「・・・あなたは東の国の第2王子じゃないの?」

王子「ええ・・・たぶん必要なくなったのでしょう」

魔女「そう・・・それで?」

私「え?」

魔女「どうしたいの?」

私「どう?・・・ですか?」

魔女「国を取り返したいのか、他の国に逃げたいのか・・・他に何かある?」

私「あ・・・」

3人で顔を見合わせる

姉「どこかで静かに暮らすのもありか・・・」

魔女「その選択肢が一番いいかもね・・・手伝うこちらも楽でいいし」

私「助けてくれるんですか?」

魔女「あなたのお母さま・・・王妃には借りがあるからね・・・」

私「国を取り返したいといっても助けてくれますか?」

魔女「取り返してどうするの?東と南の国を相手に戦うつもり?」

私「・・・」

たしかに取り返した後どうするか軍と役人のどこまでが絡んでいるかわからない

魔女「王子様は?」

王子「・・・王子ではないが・・・少し考える時間が欲しい」

姉「あなた達・・・国の関係とか意味が無くなったから婚約する必要ないけど・・・どうする?」

私「・・・え?」

そうだった、「愛を誓う」前の問題でこの「結婚の必要」がなくなった

いろいろと心の準備をしたのに全て無意味だった

魔女「そういえばあなた方、歳は?」

王子「俺は22」

姉「私は24」

私「・・・20です」

魔女「・・・そう」

姉「どうかしましたか?」

魔女「いや結婚の話をしてるからいくつかな・・・と思って」

ドアをノックする音が聞こえる

魔女「・・・あなた方のお客さんかしら」

姉と王子が剣を構える

兵が3人部屋に入ってくる

姉が1人と応戦して

王子を2人が襲う

魔女「外でやってほしいな・・・」

そういいながら部屋の隅に置いてあった杖を手に取って魔法を唱え始める

王子が剣をはじかれて倒れた

兵が王子に剣を突き刺そうとした間に割って入る

胸を突かれる

あれ?私は何をしているのだろう・・・

冷たい金属が胸に刺さっている

剣が抜かれる

赤い血が白いドレスを染める

なんだこれ?

その場にいた全員の動きが止まる

崩れ落ちた私を王子が背中から抱いた

剣を引き抜いた兵士に魔女が魔法を打ち込む

兵が後ろの壁まで吹き飛ばされる

兵「姫はやったのか?」

姉と対峙していた兵が声をかける

兵「たぶんな、あれなら助からん」

壁に叩きつけられた兵が答える

兵「なら仕事は終わりだ」

そういって3人は部屋を出ていく

姉「待て」

追って部屋を出ていく

王子「どうして?」

私「だって・・・私の大切な人だもの・・・」

魔女「あらら、これは致命傷かな・・・」

胸から血があふれている

王子「どうにかできないのか?」

魔女「どうにか・・・か、できなくはないかな・・・」

王子「なら」

魔女「なんでもする?」

王子「・・・あぁ」

魔女「なら、私を抱きなさい」

王子「わかっ・・・は?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

オークションで競り落とされた巨乳エルフは少年の玩具となる。【完結】

ちゃむにい
恋愛
リリアナは奴隷商人に高く売られて、闇オークションで競りにかけられることになった。まるで踊り子のような露出の高い下着を身に着けたリリアナは手錠をされ、首輪をした。 ※ムーンライトノベルにも掲載しています。

ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生

花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。 女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感! イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡

【R18】散らされて

月島れいわ
恋愛
風邪を引いて寝ていた夜。 いきなり黒い袋を頭に被せられ四肢を拘束された。 抵抗する間もなく躰を開かされた鞠花。 絶望の果てに待っていたのは更なる絶望だった……

処理中です...