85 / 97
第85話汚れた水には変わりない
しおりを挟む
別に、ここで犯されても良いのではないか?
死ぬよりはマシだ。
それに私なんかが犯された所で所詮は既に汚れ腐った身体なのだ。
今更であろう。
こんな所で離婚した元夫に操を立てて何になると言うのだ。
汚れた水に、同じ種類の汚れた水を注いだ所で汚れた水には変わりないではないか。
そう、私の中の弱い部分の私が囁いてくる。
その言葉に従って逃げるのを止めて楽になりたい。
ほんの一時間耐え忍ぶだけではないか。
そう思うのだが、もうそんな誘惑に負ける方がよっぽど苦痛であるしあの激高具合ではどの道殺されると、諦める考えを振り払い、殴られ蹴られたせいで体中痛みが走るのも構わずに這い逃げようとする。
動くたびに口から口笛が吹けない人の吹く口笛の様な変な呼吸音が聞こえてくる。
「捕まえた。そんな状態で逃げれるとでも思っているのは滑稽だね。さぁて、腕を噛み千切りやがってどうしてくれようかな?」
「ぐふっ!?」
しかし、満身創痍な状態で床を這って逃げれる訳もなく直ぐに追いつかれ、ドスンと背中から馬乗りされ、その衝撃が胸に激痛を走らせる。
「ねぇ? 俺はどうすれば良い?」
「痛っ!?」
普通であれば腕を噛み千切られたら警察と救急車を呼ぶのが普通であると思うのだが激高してそこまで頭が回らないのか、それ以上に私へその怒りをぶつけたいのか、自分の悪事がバレる可能性があると冷静に判断して呼ばないのか、どちらにせよ地雷社員は警察も救急車も呼ぶつもりは無いらしく、私の髪の毛を掴み強引に持ち上げて身体をエビ反り状態にさせられる。
「君自身はどう思うのかね?」
そんな時、私の前に人影が現れ、その人影は地雷社員へそう問い返す。
「は?」
「君自身はどう思うかと聞いているっ!!」
「ぐふへぇっ!?」
その声の主はスーパーの店長であったらしく、某サングラスをかけたアニメキャラクターも驚きそうな程の怒声を地雷社員へ浴びせながらタックルの要領で私の背中に馬乗りしている地雷社員を吹き飛ばした後流れる様な動きとスピードで関節を固めて動きを封じる。
「警察っ!! 誰でも良いから警察を呼べっ!!」
「は、はいっ!!」
そして店長の警察を呼べと言う叫び声に真面目社員君が震える指でスマホを操作して警察へ電話をかける。
「おかしいと思ったんだよ。こんな変な時間にお前が休憩を取るだなんてな」
「誤解ですっ! 見てくださいこの腕の怪我をっ!! むしろ襲われたのは僕の方ですよっ!!」
「お前の前の職場での悪行の数々を知られてないと思っていたのか?それにいくら嘘を並べても良いがこの休憩室には監視カメラもある。後でそれを確認させてもらえばお前の言い分が正しいかどうか分かるさ」
死ぬよりはマシだ。
それに私なんかが犯された所で所詮は既に汚れ腐った身体なのだ。
今更であろう。
こんな所で離婚した元夫に操を立てて何になると言うのだ。
汚れた水に、同じ種類の汚れた水を注いだ所で汚れた水には変わりないではないか。
そう、私の中の弱い部分の私が囁いてくる。
その言葉に従って逃げるのを止めて楽になりたい。
ほんの一時間耐え忍ぶだけではないか。
そう思うのだが、もうそんな誘惑に負ける方がよっぽど苦痛であるしあの激高具合ではどの道殺されると、諦める考えを振り払い、殴られ蹴られたせいで体中痛みが走るのも構わずに這い逃げようとする。
動くたびに口から口笛が吹けない人の吹く口笛の様な変な呼吸音が聞こえてくる。
「捕まえた。そんな状態で逃げれるとでも思っているのは滑稽だね。さぁて、腕を噛み千切りやがってどうしてくれようかな?」
「ぐふっ!?」
しかし、満身創痍な状態で床を這って逃げれる訳もなく直ぐに追いつかれ、ドスンと背中から馬乗りされ、その衝撃が胸に激痛を走らせる。
「ねぇ? 俺はどうすれば良い?」
「痛っ!?」
普通であれば腕を噛み千切られたら警察と救急車を呼ぶのが普通であると思うのだが激高してそこまで頭が回らないのか、それ以上に私へその怒りをぶつけたいのか、自分の悪事がバレる可能性があると冷静に判断して呼ばないのか、どちらにせよ地雷社員は警察も救急車も呼ぶつもりは無いらしく、私の髪の毛を掴み強引に持ち上げて身体をエビ反り状態にさせられる。
「君自身はどう思うのかね?」
そんな時、私の前に人影が現れ、その人影は地雷社員へそう問い返す。
「は?」
「君自身はどう思うかと聞いているっ!!」
「ぐふへぇっ!?」
その声の主はスーパーの店長であったらしく、某サングラスをかけたアニメキャラクターも驚きそうな程の怒声を地雷社員へ浴びせながらタックルの要領で私の背中に馬乗りしている地雷社員を吹き飛ばした後流れる様な動きとスピードで関節を固めて動きを封じる。
「警察っ!! 誰でも良いから警察を呼べっ!!」
「は、はいっ!!」
そして店長の警察を呼べと言う叫び声に真面目社員君が震える指でスマホを操作して警察へ電話をかける。
「おかしいと思ったんだよ。こんな変な時間にお前が休憩を取るだなんてな」
「誤解ですっ! 見てくださいこの腕の怪我をっ!! むしろ襲われたのは僕の方ですよっ!!」
「お前の前の職場での悪行の数々を知られてないと思っていたのか?それにいくら嘘を並べても良いがこの休憩室には監視カメラもある。後でそれを確認させてもらえばお前の言い分が正しいかどうか分かるさ」
10
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
鎌倉古民家カフェ「かおりぎ」
水川サキ
ライト文芸
旧題」:かおりぎの庭~鎌倉薬膳カフェの出会い~
【私にとって大切なものが、ここには満ちあふれている】
彼氏と別れて、会社が倒産。
不運に見舞われていた夏芽(なつめ)に、父親が見合いを勧めてきた。
夏芽は見合いをする前に彼が暮らしているというカフェにこっそり行ってどんな人か見てみることにしたのだが。
静かで、穏やかだけど、たしかに強い生彩を感じた。
すこやか食堂のゆかいな人々
山いい奈
ライト文芸
貧血体質で悩まされている、常盤みのり。
母親が栄養学の本を読みながらごはんを作ってくれているのを見て、みのりも興味を持った。
心を癒し、食べるもので健康になれる様な食堂を開きたい。それがみのりの目標になっていた。
短大で栄養学を学び、専門学校でお料理を学び、体調を見ながら日本料理店でのアルバイトに励み、お料理教室で技を鍛えて来た。
そしてみのりは、両親や幼なじみ、お料理教室の先生、テナントビルのオーナーの力を借りて、すこやか食堂をオープンする。
一癖も二癖もある周りの人々やお客さまに囲まれて、みのりは奮闘する。
やがて、それはみのりの家族の問題に繋がっていく。
じんわりと、だがほっこりと心暖まる物語。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
『 ゆりかご 』
設樂理沙
ライト文芸
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
見習いシスター、フランチェスカは今日も自らのために祈る
通りすがりの冒険者
ライト文芸
高校2年の安藤次郎は不良たちにからまれ、逃げ出した先の教会でフランチェスカに出会う。
スペインからやってきた美少女はなんと、あのフランシスコ・ザビエルを先祖に持つ見習いシスター!?
ゲーマー&ロック好きのものぐさなフランチェスカが巻き起こす笑って泣けて、時にはラブコメあり、時には海外を舞台に大暴れ!
破天荒で型破りだけど人情味あふれる見習いシスターのドタバタコメディー!
La vie en rose 〜人生の夜明けはパリの街で〜
蓮
ライト文芸
上司からのパワハラや嫌がらせ、恋人の浮気と、人生上手く行かず疲れ切った岸本美玲は死ぬことを決意する。しかし、せっかくだから死ぬ前にずっと行ってみたかったフランスへ行くことにした。そこで高校時代のクラスメイトである、中川誠一と再会する。
誠一との再会、同じツアーで出会った新しい友人、壮大な歴史的建造物など、日本であったことなど忘れて思いっきり旅行を楽しむ美玲。
これは美玲がゆっくりと生きる希望を見つける物語。
La vie en rose:読み方は「ラヴィアンローズ」です。フランス語で薔薇色の人生という意味です。
楠結衣様(X:@Kusunoki0621)から素敵な表紙をいただきました!
ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる