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第53話 こちら側に引き込める
しおりを挟む国王陛下と言う立場からすればかなり長いバカンスであったと言えるのだが今回の作戦が上手くいったお陰で叱責だけで済めばいいなぁ、と思いながらわたくしはドナドナトされて行くのを眺めるのであった。
「奥方様、お客様が来られたようです」
そしてダイニングでお茶を飲みながらここ最近の出来事を思い出していると、ミヤーコが私にお客様が来たことを教えてくれる。
何を隠そうわたくしは本日、以前仲の良かった貴族令嬢を数名呼んで、シノミヤ家でお茶会をする予定なのである。
勿論、今日のお茶会で出すのは日本の世界のお菓子と飲み物類でおもてなしをする予定である。
その為にわたくしは数日かけてイーオンやスーパー、商店街などで様々なお菓子と飲み物を買って食べ比べや飲み比べをした上で結局絞り切れず、ならば逆に購入してきた物の中でわたくしの合格ラインを超えた物全て出せばいいという結論に至ったわけで……。
そのためにお茶会の会場はダイニングにした(基本的に令嬢のお茶会は中庭でお茶を嗜む場合が多い)のだが、テーブルの上には買って来たお菓子が大量に袋ごと並べられていた。
これでは食いしん坊令嬢と思わらないだろうか? と目の前にあるお菓子の山を眺めながら少しだけ恥ずかしくなるものの、この魅惑のお菓子を一口でも食べればこちら側に引き込めるのだからまぁ良いかとも思ってしまう。
ちなみにわたくしのおすすめは『ふ〇ーちぇ』と『ごでぃ〇のちょこれーと』に『こんびにスイーツ類』である。
ちなみにお土産として『はっぴー〇ーん』を中心に日持ちする菓子を持たせるつもりである。
あぁ、これらわたくし一押しのお菓子類を食べる友達の反応が今からたのしみですわっ!!
そう思いながらわたくしは友達であるマチルダ、ナターシャ、ペトラを玄関まで出迎える。
「全員揃ったみたいですわね」
「えぇ、そうね。私凄く心配しておりましたわ……」
「私も……。だって嫁いだ先が悪い噂しか聞かない男爵でしたもの……」
「ですがまさか本当に国王陛下の親友であり、噂とは違ってビックリするくらいイケメンだったとは……っ!! 元気そうで何よりねっ!!」
そしてわたくしは友達をダイニングへ案内して各々席に座ると会えない間の事を中心に世間話に花を咲かせる。
と言いても話題の中心はやはりわたくしの事が中心になってしまうのだが、それだけ皆さまわたくしの事を心配してくれているのが伝わって来る。
しかし、わたくしがお茶会に誘ったのは勿論皆様に会いたいと言うのもあるのだけれども、それよりも今テーブルの上に並べられているお菓子類を自慢したいという事の方がメインなのである。
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