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第13話 わたくし一人で入れますわっ!

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 そしてアンナがわたくしにウナギは美味しいか聞いてくるのだが、その瞬間周囲の空気に緊張感が走しる。

 どうやらわたくしがウナギを気に入ったかどうか気になっているようだ。

「そうですわね……。これほど美味しい魚料理、いえ、今まで食べてきたどの料理よりもおいしいですわっ!!」

 なのでわたくしはウナジュウという料理を食べた感想を素直に言うと、使用人たちはホッとした後嬉しそうな表情をするのだが、こんなにも美味しい料理を食べて『まずい』という感想を抱く者がこの世にいるのだろうか?

 もしこのウナギの食べ方がここの領地で一般的であるというのであれば、わたくしが今まで生活していた王都では捨て値で売られていたウナギが、こちらでは少し高値で売られ始めているという理由も理解できるほどの美味しさであった。

「良かったっ!! 中には見た目が見た目だからちょっと無理って食わず嫌いしている人もいれば、欧米人だと魚の出汁や風味、醤油を食べ慣れてなくて苦手って人もいるから少し心配だったけど、シャーリーが美味しいと言ってくれてホッとしたよーっ!」

 しすてどうやらアンナもこのウナジュウという料理がわたくしの口に合うかどうか心配していたようでホッとしたと言うではないか。

 その事実にわたくしは、何故だか分からないのだがこちらまで嬉しくなって来る。

「よーーしっ!! じゃぁそういう事でこの後は私と一緒にお風呂に入ろぉーっ!!」

「え? え? だ、大丈夫ですわっ!! わたくし一人で入れますわっ!!」

 そして、何がそういう事なのか分からないのだけれどもアンナがわたくしに抱き着いて『一緒にお風呂に入ろう』と言ってくるではないか。

 もしかしたら、アンナは公爵家からきたわたくしはお風呂も一人で入れないと思っているのだろう。

 たしかに公爵家にいた時は偶に使用人が身体を洗ってくれる時もあったのだけれども、お風呂は数少ない『一人になれる貴重な時間』でもあった為基本的には一人で入っていた。

 それに公爵家にいた頃は、小さな頃からわたくしに仕えてくれ、母や姉のような存在に身体を洗ってもらっていたのであり、今日であったばかりの者に裸を見られるのは同じ異性と言えどもやはり恥ずかしいと思ってしまう。

「うん、そうね。 きっとお風呂の使い方とかも初めは分からないでしょうからアンナが一緒にお風呂へ入って使い方とか一通り教えてあげてちょうだい」
「まっかせなさーいっ!!」
「あ、あのっ!! ですからわたくしは一人でお風呂に入れますわっ!!」
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