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第2話 餓えて死ねば上々
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耳に入る噂は全てその様な事ばかりであるからだ。
それでも現国王のご友人という事でそれなりの地位はあるみたいなのだが、未だに誰も自分の娘を嫁がせようとする貴族も、嫁ごうとするご令嬢も現れなかった。
それには彼の悪い噂の数々の他に王国の西の端、辺境の地の貧乏な領主経営しているという事だけではなく、『莫大な資産を持っている』『王都に住んでいる』『良い噂が絶えない』等と言った魅力的な話が彼には何ひとつ耳に入って来ないのが、わたくしをその者の元に嫁がせようと思った一番の要因であろう。
わざわざ王都から離れ、平民同様の暮らしをしなければならないのにも拘わらず添い遂げる相手は変人で有名。
うまみと言えば現国王の友人であるという一点のみであるのだが、この様な男性と国王がご友人である筈がない上に、本当にご友人であるのならば王都から離れた辺境の地の領主経営を国王が任せる筈がない。
国王本人がそう言っているらしいのだが何処まで本当の事か分かった物ではないある種都市伝説の様な物であろう。
そんな男性に本来であれば公爵家の娘であるわたくしが嫁ぐなどあり得ない話なのだが、万が一でも王族との繋がりを持ちたいという父上の考えが透けて見えるというものである。
むしろ隠そうともしていないあたり、わたくしの存在がお父様にとってどの様な存在であるかという事を改めて言われている気がして悲しさが込み上げてくる。
しかし、ここから逃げ出して暮らしていけるだけのサバイバル術がある訳でも、街に出たとしてもお金の稼ぎ方すら分からないたかが小娘一人ではどうする事も出来ないという事くらいは理解しているつもりである。
万が一逃げ出したとしてもそんな貴族令嬢が一人で生きて行ける訳もなく、餓えて死ねば上々とでも思っていることだろう。
わたくしは、そこまで酷い扱いをされたような事をして来たのだろうか?
知らず知らずのうちにシュバルツ殿下や後ろに隠れていたアイリスに対して、これ程の事をしてやろうと思うくらいの事をしてしまったのだろうか?
そう思い、思い出そうとしても心当たりがあるような事は何一つとして思い出す事はできなかった。
そもそも、学園生活の殆どは婚約者であったにも関わらずシュバルツ殿下にお会いする機会すら殆どなく、もっぱら『シュバルツ殿下は今日もアイリスと二人で過ごしていた』というような事ばかり耳に入ってくる程である。
あまり人を疑いたくはないのだけれどもこればかりは、二人は『二人で逢瀬するのにわたくしという存在が目障りだったから』という理由で虚偽の報告で強引に二人の目に入らない場所へと追いやり、他人の目を気にせず逢瀬を重ねようとしているとしか思えない。
それでも現国王のご友人という事でそれなりの地位はあるみたいなのだが、未だに誰も自分の娘を嫁がせようとする貴族も、嫁ごうとするご令嬢も現れなかった。
それには彼の悪い噂の数々の他に王国の西の端、辺境の地の貧乏な領主経営しているという事だけではなく、『莫大な資産を持っている』『王都に住んでいる』『良い噂が絶えない』等と言った魅力的な話が彼には何ひとつ耳に入って来ないのが、わたくしをその者の元に嫁がせようと思った一番の要因であろう。
わざわざ王都から離れ、平民同様の暮らしをしなければならないのにも拘わらず添い遂げる相手は変人で有名。
うまみと言えば現国王の友人であるという一点のみであるのだが、この様な男性と国王がご友人である筈がない上に、本当にご友人であるのならば王都から離れた辺境の地の領主経営を国王が任せる筈がない。
国王本人がそう言っているらしいのだが何処まで本当の事か分かった物ではないある種都市伝説の様な物であろう。
そんな男性に本来であれば公爵家の娘であるわたくしが嫁ぐなどあり得ない話なのだが、万が一でも王族との繋がりを持ちたいという父上の考えが透けて見えるというものである。
むしろ隠そうともしていないあたり、わたくしの存在がお父様にとってどの様な存在であるかという事を改めて言われている気がして悲しさが込み上げてくる。
しかし、ここから逃げ出して暮らしていけるだけのサバイバル術がある訳でも、街に出たとしてもお金の稼ぎ方すら分からないたかが小娘一人ではどうする事も出来ないという事くらいは理解しているつもりである。
万が一逃げ出したとしてもそんな貴族令嬢が一人で生きて行ける訳もなく、餓えて死ねば上々とでも思っていることだろう。
わたくしは、そこまで酷い扱いをされたような事をして来たのだろうか?
知らず知らずのうちにシュバルツ殿下や後ろに隠れていたアイリスに対して、これ程の事をしてやろうと思うくらいの事をしてしまったのだろうか?
そう思い、思い出そうとしても心当たりがあるような事は何一つとして思い出す事はできなかった。
そもそも、学園生活の殆どは婚約者であったにも関わらずシュバルツ殿下にお会いする機会すら殆どなく、もっぱら『シュバルツ殿下は今日もアイリスと二人で過ごしていた』というような事ばかり耳に入ってくる程である。
あまり人を疑いたくはないのだけれどもこればかりは、二人は『二人で逢瀬するのにわたくしという存在が目障りだったから』という理由で虚偽の報告で強引に二人の目に入らない場所へと追いやり、他人の目を気にせず逢瀬を重ねようとしているとしか思えない。
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