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第53話 今日イチのツッコミ
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「大丈夫だ、問題ない」
そしてマオはわたくしの問いに対して実に簡潔かつ頼もしい回答をくれた。
しかしなぜか全くといって良いほど信用できないのはなぜなのだろうか?
そもそもいくらわたくし達の想像を超える様な、それこそこのダンジョン【双頭の蛇】をわたくしというお荷物を抱えて挑んだとしても余裕で踏破できる力を持っていたとしても、果たして迷子にならない保証はあるのだろうか?
そして迷子になった場合はそれを解決する策はあるのであろうか?
その不安が、ダンジョンの別れ道なども迷わず突き進むマオの姿を見てば見る程大きくなっていく。
「大丈夫ですわよね?迷子になっても大丈夫ですわよね?」
「大丈夫だ、問題ない」
せめて大丈夫と言い切れる根拠を言って頂きたいものだと思うのだがこのダンジョンに置き去りにされるくらいならばマオと一緒に迷子になる事を選ぶしか選択肢が無いのが悲しい現実でもある。
「ほら、ラスボスの部屋の扉の前まで来たぞ」
そんな不安感を抱きながらマオについていくこと一時間弱。
急にマオが立ち止まったかと思うとダンジョンのボス部屋の前まで来たと言うではないか。
いくらなんでも早すぎるのではないか?
攻略済みのダンジョンですらダンジョンのボス部屋までは早くても四時間以上はどうしてもかかってしまう。
それをマオはまだ未踏破であるダンジョン【双頭の蛇】のボス部屋へ小一時間と少しでついたと言うではないか。
「流石にそんな分かりやすい嘘ではわたくしも騙されませんわよ。ほら、先に進むのでしょう? ここまで来たらもうとことんついて行ってあげますから早く先に行ってしまいますわよ」
「あ、おいっ!」
マオにしては雑な嘘を吐くものだと思いながらもわたくしはマオ曰くダンジョンのボス部屋の扉だという部屋の扉を勢いよく開け放つ。
そう言えばここの部屋の扉はほかの部屋の扉と違い少し豪華だった気が致しますわ。
それに遠くの方から巨大な何かが這いずるような音が聞こえてくる様な………。
なんだかとてつもなく嫌な予感が致しますわ。
そしてわたくしの嫌な予感は見事に的中し、目の前にはわたくしの何倍もあろうかという大きさの巨躯を持つ双頭の蛇が姿を現し、その強大な巨躯を上へ伸ばしながらわたくしとマオをその金色の瞳で見つめてくるではないか。
むしろその真っ赤な鱗で覆われた巨躯に厳つい顔付きはどう見ても蛇ではなくでドラゴンだと、わたくし思いますの。
あ、火を吐きましたわ………。
「さぁご主人様。一人で倒してみようか」
「無理ですわよっ!!」
そしてわたくしは今日イチのツッコミを、もはやボケを通り越して迷い事を言うマオへと返す。
そしてマオはわたくしの問いに対して実に簡潔かつ頼もしい回答をくれた。
しかしなぜか全くといって良いほど信用できないのはなぜなのだろうか?
そもそもいくらわたくし達の想像を超える様な、それこそこのダンジョン【双頭の蛇】をわたくしというお荷物を抱えて挑んだとしても余裕で踏破できる力を持っていたとしても、果たして迷子にならない保証はあるのだろうか?
そして迷子になった場合はそれを解決する策はあるのであろうか?
その不安が、ダンジョンの別れ道なども迷わず突き進むマオの姿を見てば見る程大きくなっていく。
「大丈夫ですわよね?迷子になっても大丈夫ですわよね?」
「大丈夫だ、問題ない」
せめて大丈夫と言い切れる根拠を言って頂きたいものだと思うのだがこのダンジョンに置き去りにされるくらいならばマオと一緒に迷子になる事を選ぶしか選択肢が無いのが悲しい現実でもある。
「ほら、ラスボスの部屋の扉の前まで来たぞ」
そんな不安感を抱きながらマオについていくこと一時間弱。
急にマオが立ち止まったかと思うとダンジョンのボス部屋の前まで来たと言うではないか。
いくらなんでも早すぎるのではないか?
攻略済みのダンジョンですらダンジョンのボス部屋までは早くても四時間以上はどうしてもかかってしまう。
それをマオはまだ未踏破であるダンジョン【双頭の蛇】のボス部屋へ小一時間と少しでついたと言うではないか。
「流石にそんな分かりやすい嘘ではわたくしも騙されませんわよ。ほら、先に進むのでしょう? ここまで来たらもうとことんついて行ってあげますから早く先に行ってしまいますわよ」
「あ、おいっ!」
マオにしては雑な嘘を吐くものだと思いながらもわたくしはマオ曰くダンジョンのボス部屋の扉だという部屋の扉を勢いよく開け放つ。
そう言えばここの部屋の扉はほかの部屋の扉と違い少し豪華だった気が致しますわ。
それに遠くの方から巨大な何かが這いずるような音が聞こえてくる様な………。
なんだかとてつもなく嫌な予感が致しますわ。
そしてわたくしの嫌な予感は見事に的中し、目の前にはわたくしの何倍もあろうかという大きさの巨躯を持つ双頭の蛇が姿を現し、その強大な巨躯を上へ伸ばしながらわたくしとマオをその金色の瞳で見つめてくるではないか。
むしろその真っ赤な鱗で覆われた巨躯に厳つい顔付きはどう見ても蛇ではなくでドラゴンだと、わたくし思いますの。
あ、火を吐きましたわ………。
「さぁご主人様。一人で倒してみようか」
「無理ですわよっ!!」
そしてわたくしは今日イチのツッコミを、もはやボケを通り越して迷い事を言うマオへと返す。
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