192 / 400
第192話【閑話】スムージー1
しおりを挟む
◇◆◆◇
ミキサー……若しくはジュウサーと呼ぶらしいその見たこともない道具を使い今、セラ様が紫色をしたこれまた見たこともない物体をこの世に産み落とそうとしていた。
どうしてこうなった……。
この世の誰がこうなると、今目の前で繰り広げられている錬金術を予測できたであろうか?いや無理であろう。
だからこそ私は今刻々と刻まれる時と共に近づく処刑の執行を待つ身に落ちてしまったのである。
「ミセル……貴女の屍はちゃんと弔ってあげるわ……」
そんな私の心境を知ってか知らずか………いや、あの顔は間違いなく私の心境を理解し上で「ヨヨヨ…」とわざとらしい泣き真似を入れながら宣う。
ゴポウ……
初めは固い物を砕く音が徐々に高速で液体をかき混ぜる音とそれを回転させている音に変化するのだが……先程明らかに件のミキサーから聞き逃せない音が聞こえてきた気がする。
………ゴポポウっ!!
聞こえない。私は聞こえない。
「ご…ゴポポウ………だって」
そんな私の心境をまたしても見透かしレイチェルが笑うのを必死で我慢しながらも先程聞こえた音を嬉しそうに真似る。
レイチェルは後で殴ると心に刻み、どうしてこうなったと再度ミセルは頭を悩ませる。
事の発端は今から半刻ほど前まで遡る。
丁度その時私達は美肌の維持と秘訣について姦しくも話し合っていた。
やれヤルムの若葉を食すのが良い、やれ虫蜜が良い、やれ瓜を顔に寝る前貼るのが良い等盛り上がっていた時である。
「そういえば思い出したのですが、昔クロ様達の会話で健康と美肌の秘訣は毎朝のスムージーだそうです」
そうセラ様が発言し、ウィンディーネ様とルシファー様がスムージーなる物を今まで忘れてたと悔しそうにしだす。
しかしスムージーなる物を見たことも聞いたことも、それが食べ物かどうかなんて勿論知らない私はレイチェルの方を向き目線で「知ってるか?」と聞いてみるもやはりレイチェルも知らないみたいである。
それから十分ほど経過した時、セラ様がストレージからエールを飲むときによく見るジョッキのような物を取り出して来る。
ようなものと表現したのは、セラ様が取り出した物はジョッキであってジョッキではなかったからである。
本来飲み口である部分には蓋がされており、下に何か金具が取り付けられていた。
「スムージーは飲み物なのですか?」
ミキサー……若しくはジュウサーと呼ぶらしいその見たこともない道具を使い今、セラ様が紫色をしたこれまた見たこともない物体をこの世に産み落とそうとしていた。
どうしてこうなった……。
この世の誰がこうなると、今目の前で繰り広げられている錬金術を予測できたであろうか?いや無理であろう。
だからこそ私は今刻々と刻まれる時と共に近づく処刑の執行を待つ身に落ちてしまったのである。
「ミセル……貴女の屍はちゃんと弔ってあげるわ……」
そんな私の心境を知ってか知らずか………いや、あの顔は間違いなく私の心境を理解し上で「ヨヨヨ…」とわざとらしい泣き真似を入れながら宣う。
ゴポウ……
初めは固い物を砕く音が徐々に高速で液体をかき混ぜる音とそれを回転させている音に変化するのだが……先程明らかに件のミキサーから聞き逃せない音が聞こえてきた気がする。
………ゴポポウっ!!
聞こえない。私は聞こえない。
「ご…ゴポポウ………だって」
そんな私の心境をまたしても見透かしレイチェルが笑うのを必死で我慢しながらも先程聞こえた音を嬉しそうに真似る。
レイチェルは後で殴ると心に刻み、どうしてこうなったと再度ミセルは頭を悩ませる。
事の発端は今から半刻ほど前まで遡る。
丁度その時私達は美肌の維持と秘訣について姦しくも話し合っていた。
やれヤルムの若葉を食すのが良い、やれ虫蜜が良い、やれ瓜を顔に寝る前貼るのが良い等盛り上がっていた時である。
「そういえば思い出したのですが、昔クロ様達の会話で健康と美肌の秘訣は毎朝のスムージーだそうです」
そうセラ様が発言し、ウィンディーネ様とルシファー様がスムージーなる物を今まで忘れてたと悔しそうにしだす。
しかしスムージーなる物を見たことも聞いたことも、それが食べ物かどうかなんて勿論知らない私はレイチェルの方を向き目線で「知ってるか?」と聞いてみるもやはりレイチェルも知らないみたいである。
それから十分ほど経過した時、セラ様がストレージからエールを飲むときによく見るジョッキのような物を取り出して来る。
ようなものと表現したのは、セラ様が取り出した物はジョッキであってジョッキではなかったからである。
本来飲み口である部分には蓋がされており、下に何か金具が取り付けられていた。
「スムージーは飲み物なのですか?」
0
お気に入りに追加
116
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。
いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成!
この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。
戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。
これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。
彼の行く先は天国か?それとも...?
誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。
小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中!
現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。
記憶喪失の転生幼女、ギルドで保護されたら最強冒険者に溺愛される
マー子
ファンタジー
ある日魔の森で異常が見られ、調査に来ていた冒険者ルーク。
そこで木の影で眠る幼女を見つけた。
自分の名前しか記憶がなく、両親やこの国の事も知らないというアイリは、冒険者ギルドで保護されることに。
実はある事情で記憶を失って転生した幼女だけど、異世界で最強冒険者に溺愛されて、第二の人生楽しんでいきます。
・初のファンタジー物です
・ある程度内容纏まってからの更新になる為、進みは遅めになると思います
・長編予定ですが、最後まで気力が持たない場合は短編になるかもしれません⋯
どうか温かく見守ってください♪
☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
本当にありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる