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第88話学園都市

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 アーシェとの闘いから1週間が経過して、そしてクロは魔法を使えない身体になってしまっていた。

 スキル【最後の灯火】により本来なら無詠唱することができない高段位魔術の無詠唱を連発したことにより身体が故障したのだろう。

 あれから低段位の魔術ならなんとか詠唱できるようになってきているので全快するにはまだまだ時間はかかるだろうが、当初危惧していた魔術を使えなくなってしまうような事は無く、安堵した。

 しかし低段位しか扱えないのにはかわりないので今の俺はこの世界の多少腕が立つ者よりも弱いかも知れないという事実を噛み締める。

 そのためこの学園都市まで大半の現地人と同じくノクタスから馬車などを乗り継ぎここまで来たのだが、馬車には当然のように振動を吸収するなどの処置は施されてなく馬車酔で、馬車での道中はほんとにキツかった。

 そんな体験をして来たからこそ地球並に発展している学園都市の光景に驚きを隠せないでいる。

 そしてクロはアーシェとの会話でアーシェ自ら語った矛盾点“この世界に前世の記憶を持った状態で転生したはずなのに前世にプレイしていたゲーム『ギルティ・ブラッド』で得た硬貨を所持していたという矛盾点”からこの世界について情報を探ってみようと思いノクタスのギルド職員から巨大な図書館がある街を教えてもらうと、今学園都市・ベルホルンに来ており、その町並みに圧倒されていた。

「…何と言うか……スゲーな」

 外景そのものはヨーロッパの古い町並みなのだがその他の目に映るもの…魔力を動力源にしているだろう馬がいない馬車のような乗り物や、電車ならぬ魔力車、街灯らしきものなど数えたらキリがないぐらいなのだが一番驚いたのは、速さこそ出てはいないみたいなのだが空を飛んでいる乗り物まであるのには正直驚いていた。


「そこの兄ちゃん、この学園都市に来るのは初めてかい?この学園都市は武術に優れた者や、魔力総数が多い人が集まり、その中でも錬金術師を目指す若者や、それらを指導する者たちが自然と互いを競うようになった結果が今の学園都市・ベルホルンじゃ」
「なるほど、凄いとは聞いていたのですがまさかこれほどとは思いませんでした」

 そして頭を上げ、町並みを見ながら歩いていると見知らぬ小奇麗な老人が話しかけ、この街について勝手に説明してくれる。

 しかしこの街のマップ機能を開きくと老人を示すアイコンの色が何故か赤色をしている事に気づく。

 そして今の自分を客観的にみた場合を考えてみる。
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