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第58話家族2
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あのお家デートから約二ヶ月程が経った。
水樹は週二回は私の家に来て、私の部屋でイチャイチャ(エロい事は無し)していたのだが、それが少しずつ家族との会話も増えていき、一週間前から夜ご飯も一緒に食べ始め、そして今では私はではなく家族が水樹を家に呼び出すようになり、少し生物委員の仕事で帰りが遅くなってしまって私が一人で帰ったりしたりすると、当然のように家族の輪の中に水樹が入っており、和気藹々とし始めているではないか。
これは、彼女としてどう捉えれば良いのだろうか?難しい案件である。
結婚を考えているのならば、彼氏と家族が仲が良い事は当然良い事であろうし、そもそも彼氏と家族の仲が悪いよりかは全然マシであると言えよう。
しかし、しかしである。
何故だか今、私は無性に腹を立てているのも事実なのだ。
「水樹も何とか言いなさいよっ!」
勢い余って思わず私は水樹に対してそんな事を言ってしまう。
例え水樹が私にぞっこんラブでメロメロで、骨抜きにされているのだとしても、彼女の家族の前で真実を言うのは流石に酷であろう。
でも、ここで本心を言ってこその彼氏だと私は思う。
さあ言うのです。
『俺は彼女である美奈子以外は路傍の石程度にしか思っていない。 ごめんなさい』と。
現実はいつも厳しいのである。
家族には悪いのだがこればかりは譲れない。
「何とか言いなさいと言われてもなぁ、俺は美奈子一筋なのは美奈子も分かっている事だろう?その事はお父さんお母さんに妹さんも知っているから今更言う事でもないような気もするんだが」
「そ、それはそうだけれど……」
美奈子一筋頂きましたっ!!
あぁ、聞きましたか皆様。
先程水樹は『美奈子一筋なのは周知の事実であり、それはまるで太陽が東から上り西へ沈む様に、水は高い所から低い所へ流れて行く様に、当たり前の事である』と水樹は言いましたっ!
「お母さん、お姉ちゃんニヤニヤしてて気持ち悪い」
「こらっ! 見ては行けませんよ。 あれは幸せすぎて周りが見えなくなった愚か者だから奈央子も気を付けなさい」
何やらその他モブ二人が何かぶつくさと言っているのだが、今の私ならば何でも許せる。
しかしながら、言われた事は覚えているからな。
今は大丈夫でも数時間後には家族が減っている可能性もゼロでは無いとだけ言っておこう。
「それに、将来美奈子だけじゃ無くて俺の家族になる人達かも知れないだろ? そりゃ仲良くするさ」
「あら、この歳で息子が出来たわ」
「別にお姉ちゃんじゃなくて私と結婚しても家族になれるよ?私よりお姉ちゃんの方が先に老けるよ?」
「私は君をいつでも家族として歓迎しているよ」
水樹は週二回は私の家に来て、私の部屋でイチャイチャ(エロい事は無し)していたのだが、それが少しずつ家族との会話も増えていき、一週間前から夜ご飯も一緒に食べ始め、そして今では私はではなく家族が水樹を家に呼び出すようになり、少し生物委員の仕事で帰りが遅くなってしまって私が一人で帰ったりしたりすると、当然のように家族の輪の中に水樹が入っており、和気藹々とし始めているではないか。
これは、彼女としてどう捉えれば良いのだろうか?難しい案件である。
結婚を考えているのならば、彼氏と家族が仲が良い事は当然良い事であろうし、そもそも彼氏と家族の仲が悪いよりかは全然マシであると言えよう。
しかし、しかしである。
何故だか今、私は無性に腹を立てているのも事実なのだ。
「水樹も何とか言いなさいよっ!」
勢い余って思わず私は水樹に対してそんな事を言ってしまう。
例え水樹が私にぞっこんラブでメロメロで、骨抜きにされているのだとしても、彼女の家族の前で真実を言うのは流石に酷であろう。
でも、ここで本心を言ってこその彼氏だと私は思う。
さあ言うのです。
『俺は彼女である美奈子以外は路傍の石程度にしか思っていない。 ごめんなさい』と。
現実はいつも厳しいのである。
家族には悪いのだがこればかりは譲れない。
「何とか言いなさいと言われてもなぁ、俺は美奈子一筋なのは美奈子も分かっている事だろう?その事はお父さんお母さんに妹さんも知っているから今更言う事でもないような気もするんだが」
「そ、それはそうだけれど……」
美奈子一筋頂きましたっ!!
あぁ、聞きましたか皆様。
先程水樹は『美奈子一筋なのは周知の事実であり、それはまるで太陽が東から上り西へ沈む様に、水は高い所から低い所へ流れて行く様に、当たり前の事である』と水樹は言いましたっ!
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しかしながら、言われた事は覚えているからな。
今は大丈夫でも数時間後には家族が減っている可能性もゼロでは無いとだけ言っておこう。
「それに、将来美奈子だけじゃ無くて俺の家族になる人達かも知れないだろ? そりゃ仲良くするさ」
「あら、この歳で息子が出来たわ」
「別にお姉ちゃんじゃなくて私と結婚しても家族になれるよ?私よりお姉ちゃんの方が先に老けるよ?」
「私は君をいつでも家族として歓迎しているよ」
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