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第88話 いや、なんでっ!?

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「え? なんて?」

 とりあえずなんとかバルシャワ帝国の属国化にてあれやこれやとやるべきことを終わらせて私は今自室に籠ってベッドの上でごろごろ自堕落生活をしていた。

 いつぶりだろうか? こんなに毎日ゴロゴロできたのは。

 前世? では当然部落暉企業に勤めていた為一日どころか数時間ですらゴロゴロする時間は無かったし、この世界に来てからは確かに数日はゴロゴロできたりしていたのだが、定期的に仕事というか帝国側が私の天空城へちょっかいをかけてきたお陰でその都度解決する為に動かなければならなかったので数か月にも渡ってゴロゴロ生活を満喫できたのは、なんだかんだで初めての経験かもしれない。
 
 学生時代であってもここまでゴロゴロ生活は出来なかったしね……。

 何をするでもなくベッドでゴロゴロと過ごし、側仕え担当になったメイドや仕事を終えたメイドたちと世間話をしたりお菓子を食べたりボードゲームやトランプに興じたり、天気が良くて私に動く気力があるときは中庭に割く花を見にいったり変装して下町へいったりと、実に充実した日々を過ごしていた。

 そんな、私にとって文句なしの自堕落生活を過ごしていたとき、イプシロンがノックをして私の許可を取った後部屋へと入って来て告げた内容を聞いた私は思わず聞き返してしまう。

 というか普通に考えてありえないというか、冗談抜きで私の聞き間違いであるという方がまだ納得がいく。

「ボルネア王国が天空城アマテラス帝国の属国となる旨を表明しており、ボルネア王国から使者がバルシャワ帝国の帝都へ属国に向けての話を纏める為に来る事になっております」

 うん、聞き間違いでは無かったようだ……いや、なんでっ!?

「……そう。 それでボルネア王国はなんと言っているのかしら?」
「はい。 『一日でも早く属国できるように我々にできる事があれば最善を尽す』と申しております。 バルシャワ帝国元皇帝カイザルもこのボルネア王国現国王のように初めから動けていれば今頃ミサト様の庇護下の元で幸せに生きていたであろうに……」

 そう言うとイプシロンは頷く。

「ち、ちなみに向こうはどうして天空城の属国になる事を決めたのかなどは聞いているの?」
「勿論でございます。 ボルネア王国は我ら天空城アマテラスが帝国を倒し属国化するスピードと、それを実現したミサト様の手腕に軍事力、そして属国化した後の急速なバルシャワ帝国の発展を目の当たりにした結果属国化した方が得策であると判断したようです」
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