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第77話 自ら行動したくなる
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するとコーネリアは私の言いたいことを理解してくれたようで一緒になって考えてくれるのだけれども、なんか私とコーネリアの間で大事な部分がすれ違っているような気がするのだがきのせいだろうか……?
何かが引っかかるような気がするのだが、コーネリアはちゃんと私の伝えたい事は理解してくれているようなのであまり深く考えないようにする。
せっかく上手く相談という形ができているのに、それをわざわざ壊してまで私の感じた違和感を追究する必要もないだろう。
そうこの時の私は思っていたのだが、ブラック企業時代何か分からないのだけれども違和感に思った時は何かしら仕事でミスか何かをしている時であるという事をこの時の私はすっかりと忘れていたのであった。
◆
なるほど、ミサト様が何故ここまで慕われているのかというのが分かった気がした。
つい最近まで敵国側の人間である私にたいしても人道的な態度でもって接してくれるだけではなく、部下にもそれを命令しており、私の待遇は捕虜である事を忘れてしまいそうなほどであった。
むしろ私の事は捕虜というよりかは皇帝カイザルの被害者という風に見てくれていたように思う。
勿論全ての人に対して私と同じような態度ではない事はバルシャワ帝国元皇帝であったカイザルやその息子、そして皇族や貴族という地位を利用してやりたい放題汚職しまくっていた者たちに対しては優しさを見せる事をせずバッサリと切り捨てていくという一面も持ち合わせている。
一国のトップであるのだからそういう一面があるのは当り前なのだが、だからこそ善良の市民から見ればそのギャップがより一層強いカリスマ性として映ってしまうのであろう。
かくいう私も、既にミサト様の剣として一生仕えていきたいと本気で思ってしまうほど魅了されているわけで……。
そんな私にたいしてミサト様は相談という体で接してくれるのだから『私はミサト様には相談される程度には信頼されているんだな』と思う事ができ『なんだかんだ言っても元敵国の騎士であった事には変わりない為、そんな私はミサト様に信頼されているのだろうか?』という不安が一気に吹き飛んでいくのが自分でも分かる。
あぁ、これが国のトップとなる者が持つ本来のカリスマ性とでもいうのであろうか……。
このカリスマ性を知ってしまっては、元皇帝カイザルがこうなってしまったのもなんとなく理解できるというものである。
恐怖で支配するのではなく、ミサト様の場合はそのカリスマ性に魅了され『ミサト様の為に役立ちたい』と自ら行動したくなるのだから。
強制的にやらされるのと自分の意志でやるのとではそれだけで雲泥の差であろう。
何かが引っかかるような気がするのだが、コーネリアはちゃんと私の伝えたい事は理解してくれているようなのであまり深く考えないようにする。
せっかく上手く相談という形ができているのに、それをわざわざ壊してまで私の感じた違和感を追究する必要もないだろう。
そうこの時の私は思っていたのだが、ブラック企業時代何か分からないのだけれども違和感に思った時は何かしら仕事でミスか何かをしている時であるという事をこの時の私はすっかりと忘れていたのであった。
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なるほど、ミサト様が何故ここまで慕われているのかというのが分かった気がした。
つい最近まで敵国側の人間である私にたいしても人道的な態度でもって接してくれるだけではなく、部下にもそれを命令しており、私の待遇は捕虜である事を忘れてしまいそうなほどであった。
むしろ私の事は捕虜というよりかは皇帝カイザルの被害者という風に見てくれていたように思う。
勿論全ての人に対して私と同じような態度ではない事はバルシャワ帝国元皇帝であったカイザルやその息子、そして皇族や貴族という地位を利用してやりたい放題汚職しまくっていた者たちに対しては優しさを見せる事をせずバッサリと切り捨てていくという一面も持ち合わせている。
一国のトップであるのだからそういう一面があるのは当り前なのだが、だからこそ善良の市民から見ればそのギャップがより一層強いカリスマ性として映ってしまうのであろう。
かくいう私も、既にミサト様の剣として一生仕えていきたいと本気で思ってしまうほど魅了されているわけで……。
そんな私にたいしてミサト様は相談という体で接してくれるのだから『私はミサト様には相談される程度には信頼されているんだな』と思う事ができ『なんだかんだ言っても元敵国の騎士であった事には変わりない為、そんな私はミサト様に信頼されているのだろうか?』という不安が一気に吹き飛んでいくのが自分でも分かる。
あぁ、これが国のトップとなる者が持つ本来のカリスマ性とでもいうのであろうか……。
このカリスマ性を知ってしまっては、元皇帝カイザルがこうなってしまったのもなんとなく理解できるというものである。
恐怖で支配するのではなく、ミサト様の場合はそのカリスマ性に魅了され『ミサト様の為に役立ちたい』と自ら行動したくなるのだから。
強制的にやらされるのと自分の意志でやるのとではそれだけで雲泥の差であろう。
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