おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆ｵﾗｵﾗｵﾗｵﾗ

第53話 罪人を捌く為の魔術

　そして我は【炎魔術段位五・火炎牢獄】を行使して、炎の檻で件の二人を閉じ込める事ができたのを確認する。

「どうだ？　もう死ぬしかない状況に陥った感想はっ！？」

　この【炎魔術段位五・火炎牢獄】なのだが、この魔術の檻に閉じ込められた者は、決して檻の外に出る事ができず、じわじわとじっくり死ぬまで焼かれる恐ろしい魔術である。

　まさに皇族が正義の執行人として罪人を捌く為の魔術と言って良いだろう。

　強火で一気に焼き殺すのは簡単であり、少し魔術の才能があればだれでもできる事なのだが、このじっくり焼き殺すというのは『相手を拘束して逃げれないようにする』必要があり、それは宮廷魔術師であったとしてもできる者は片手に収まるほどであろう。

　そして、これがどういう事かと言うと【炎魔術段位五・火炎牢獄】に閉じ込められた件の二人は逃げる事も出来ずに苦しみながら死んでいくしか選択肢が残されていないという事である。

「ふん、初めから謝罪をしていたのであればギロチンで苦しまずに殺してやったというのに、バカはどこまでいっても馬鹿だと良く分かるな」
「ああ、そうだな。　お前みたいな馬鹿はそうそういないから、途中から面白くなってきて泳がせていたんだが、ここまでバカだとは思っていなかったぜっ！！」
「えぇ、そうね。　けれどもそのお陰で私たちは楽しめたのだからその点に関しては褒めてあげるわ」
「…………何強がっているんだ？　それに、この魔術は行使してしまったら最後、術者である我でさえも、檻に入れた者が死ぬまで消す事はできない」

　今檻の中はかなりの熱さでであり、露出している顔の皮などははがれてきていてもおかしくはない。

　そんな状況になっても、熱いだなんだと言うわけでも、謝罪をしてくるわけでもなく、まだ偉そうな事を言えるのはあっぱれと言えよう。

「あ？　まさかお前が言っている魔術ってやつはこの子供のおままごとみたいな、炎でできた檻の事を言っているんじゃぁないだろうな？」
「今までの馬鹿さかげんから見ても本気で言ってそうなのが救えないし、救えない程の馬鹿である事は確かね」
「取りあえず暑くて汗をかいて来たからこの檻ぶっ壊すか」
「それもそうね。　わたしもそろそろこの流れは飽きてきたわぁ」

　そして、ラミアの雌が尻尾を使って、まるで羽虫を払うかの如くいとも簡単に【炎魔術段位五・火炎牢獄】を壊してしまうではないか。

「こんなゴミみたいな使い物にならない魔術で、お前まさか勝った気になっていたとは、滑稽だったよ」