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 ・・・・・ガチャンッ・・・・・・・・




 俺はその音でハッと目が覚める。

 時刻は午前11時30分頃を指していた。




 ・・・・・・トントン・・・・トン・・トン・・・




 まさか、拓海帰ってきてる・・・・?

 いや、待てよ・・・拓海がこんな時間に帰ってくるはずない・・・・

 もしかして・・・・泥棒?!




 俺は、寝室から出ると、ゆっくりとその音のある方へ歩いていった。

 どうやらその音はリビングから聞こえるらしい。

 ゆっくりとそのドアを開けると・・・・・






 「高橋様。おはようございます。」




 俺の前に居たのは、見知らぬ男だった。

 男は、キッチンで包丁を手に持ったまま 俺にそう言った。

 その男は 包丁を置くと、"こちらへどうぞ"と言ってダイニングに俺を呼び寄せた。




 蒼「あ、あの・・・・あなたは・・・」



 「申し遅れました。私は、有馬 拓海様の執事をしております、城崎と申します。本日は、拓海様に高橋 蒼様のお食事のご用意と身の回りのお世話を、とのお申し付けがありましたので、お邪魔させて頂いておりました。」



 蒼「あ、そ、そうだったんですね!あ、あの、その・・・俺の事は、そんな、様なんて付けなくていいですよ?」



 城「かしこまりました。それでは・・・・高橋さんと呼ばせて頂いてもよろしいでしょうか?」



 蒼「あ、はいっ」




 ・・・・本当に執事居たんだ・・・すごい・・・本物だ・・・・




 城崎さんは少し拓海よりも年上?・・・だろうか。

 髪をピッチっとオールバックにして、頭が良さそうな眼鏡を掛けている。

 背も拓海よりは少し小さいが、そのモーニングコート(執事服)姿はバッチリ決まっている。




 城「風邪を引いていらっしゃるとのことでしたので、お粥にしてみました。お加減はいかがでしょうか?」



 蒼「朝に薬飲んで寝たらだいぶ良くなりました・・・お腹空いたので、少し早いですけど食べてもいいですか?」



 城「えぇ、どうぞ。すぐに 御用意致しますね。」




 城崎さんは少し笑ってそう言うと、俺の背中に手を添えて 椅子へ座るように優しく誘導する。

 俺はそれに素直に応じて、椅子に座った。

 城崎さんは キッチンへ向かうと、手際よく何かを刻む。




 蒼「あ、あのっ」



 城「はい?どうかされました?」



 蒼「あの・・・城崎さんって・・・俺と拓海の関係とか・・・な、何か聞いてたりします・・・?」



 城「えぇ、大切な恋人だと聞いておりますよ。」



 蒼「あ、そ、そうですか・・・」




 まあ、自分の執事になら話したりするよな・・・

 ・・・・・・・・・でも・・・拓海は抵抗ないのかな・・・自分が男と恋愛してるってことがバレるの・・・・




 城崎さんは少し俺に微笑むと、俺の前にお粥を置いた。

 たまご粥の上にはネギが少し乗っていて、食欲をそそるいい匂いがした。




 蒼「わぁ・・・美味しそうですねっ・・・頂きますっ」




 俺はそう言うと、ゆっくり フーフーと息を吹いてそれを一口食べた。

 その味は、鶏だしが効いていて凄く美味しかった。お腹が減っていた俺は、それをペロッと平らげた。




 蒼「城崎さんっ、すごく美味しかったですっ!」



 城「ご満足頂けたようで良かったです。」




 城崎さんはそう言って俺に微笑んだ。




 蒼「あのっ・・・・・・城崎さんに せっかくスーツ用意してもらったのに、着た初日から汚してしまいました・・・本当にごめんなさいっ」



 城「いいんですよ。服は汚れるものです。それに、高橋さんのお陰で、最近の拓海様は生き生きしておられます。私はそれが嬉しいのです。」



 蒼「そ、そうなんですか・・・?」



 城「えぇ。なので・・・・どうか拓海様をよろしくお願いいたします。・・・・・・・・・例えどんなことがあっても、高橋さんだけは、あのお方のお傍に居てください。」



 蒼「そ、そんな大袈裟ですよっ!」



 城「・・・・約束して頂けますか?」



 蒼「や、・・・・約束しますっ」




 この時の俺はまだ気付いていない。

 俺と拓海の人生を左右する重要な真実に。







 城「それでは、失礼いたしました。」



 俺が城崎さんに"もう俺は平気ですから帰ってもいいですよ?"と言うと、城崎さんは少し躊躇した顔をして、承知しましたと言った。

 城崎さんは少し微笑んで俺に一礼すると、家を出て行った。




 ふぅ・・・・何か分かんないけど緊張したなぁ・・・

 でも、城崎さんのあの言葉なんだったんだろう・・・拓海からは別に変な話なんて聞いたとき無いし・・・・・ま、いっかっ




 俺はベットに寝転ぶと、枕をギューッと抱きしめる。

 その枕は拓海の枕で、少し男臭いような拓海の匂いがした。

 その匂いだけで、俺はすごく安心する。

 次第に、薬が効いてきたのか、俺はまたウトウトとすると、そのまま吸い込まれるように眠りについた。









 夢の中で俺は拓海にキスをされている。

 それはすごく甘くて、蕩けるようだ。

 徐々に俺の息が上がる。

 それと同時に 拓海の舌はより深く俺の口内を犯していく。

 酸素を奪われるその激しいキスに、脳が痺れるような感覚に陥る。




 ・・・・リアルな夢・・・・・・・




 そんなことを思っている俺は、徐々に肺が苦しくなってくる。




 ・・・・・夢なのに息がっ・・出来ないっ・・・・・・・・・・?!?!




 目を開けると、俺は拓海にキスされていた。




 蒼「んっ!んっんぁったっんぅくんみぃっ」




 その一方的に犯されている口で喋ろうとするが、それは言葉にならない。

 俺は、仰向けになっていて、拓海に両手首をベッドに縫い付けられるように掴まれていた。

 拓海は俺が起きたのに気付くと、俺を抱きかかえて、対面座りにさせた。

 移動される間にも、ずっと唇は俺から離れずに、俺の口内を犯し続ける。




 蒼「んぁったくっんんっ・・んふっ・・んっ」




 拓海は俺の腰に手を回すと、それはゆっくりと服の中に侵入してきた。

 その手は、体をまさぐるようにゆっくりと背中に登ってくる。

 その登ってくる手に、俺はゾワゾワと鳥肌が立った。

 拓海は 俺の背中を何度か撫でると、そのまま胸の方に移動した。

 俺の服は、胸まで上がり、露わになった俺の両乳首を拓海は摘まんだ。




 蒼「んんっっ!んふっんっ・・んっ」




 いきなり摘ままれると、俺は体を少し前に丸めて感じた。

 俺は、その快感から逃れようと、拓海の腕を掴む。

 が、拓海の力に敵うわけもなく、俺は何度も体をピクピクと反応させた。

 拓海はそんな俺の反応を見るなり、俺の口内から糸を引きながら出ていく。

 やっと解放された俺の口からは、涎が溢れ出ていた。

 そんな俺の涎を拓海はすべて綺麗にするように舐めとると、俺の耳元で甘く囁く。




 拓「可愛い」




 その言葉に 体が一気に熱くなる。




 蒼「んっはっあっ・・・やっ、ち、ちくびっ・・・あっ・・」




 キスが終わった後も、俺の乳首はずっと弄られた。

 昨日 拓海にかなり弄られたせいで 左の乳首が特に感じやすくなってしまい、その俺の反応を見た拓海は、俺の左乳首を口の中に含んだ。

 右は優しく指でグリグリと弄られ、左は痕が付くほど強く吸われた。

 吸われると少しピリっとした。

 そのピリッとする感覚さえ、もう俺にとってはただの快感にしかならない。




 蒼「あっ・・あぁっ・・・だめっ・・・あっ・んっああっ・・」




 今日の拓海は一段と激しい。

 拓海はじゅるじゅると音を立てるように俺の乳首を吸ったり、舌で弾いたりする。

 その逃げられない快感に、俺のモノはもう既に固くなっていて、ズボンは反り上がったそれで膜を張っていた。




 蒼「たくみっ・・・あっ・・っ・・・あっ・・きょうっ・・あっ・・はげしぃっ」




 拓海はそんな俺の言葉を無視するかのように、夢中で俺の乳首を吸ってくる。

 俺の左乳首はさらに一段と赤くなり、ぷっくりと腫れていた。




 蒼「あっ・・どっ・・どうしたのっ・・・あぁっ・・た、たくみぃっ・・あっ」




 俺は拓海にそう問いかけると、拓海は俺の乳首から唇を離した。

 その間にも、右の乳首はずっとグリグリと弄られている。




 拓「誰のせいだと思う?」



 蒼「あっ・・・だれ・・・ってっ?・・・あっ」



 拓「蒼せいだよ」



 蒼「あっ・・な、なんでっ・・・なんでっ・・おれっ・・あっ」



 拓「俺の枕 抱いて寝てただろ?・・・・・俺の匂いを嗅いでたんだよな?」



 蒼「やっちがっ・・・あっ・・・あぁっ・・・」



 拓「そんなに俺のことが好きなのか?」




 俺の嘘はすぐに見抜かれてしまい、恥ずかしさから顔を赤くした。

 拓海はまたその甘い声で囁くように言うと、俺の乳首に爪を立てる。




 蒼「あっ!あぁっ・・・たくみぃっっ」



 拓「蒼・・・・抱きたい」



 蒼「っ・・・・・・うんっ・・あっ・・・いいよっ・・・たっ、たくみとっ・・・あっ・・気持ちよくなりたぃっっ」




 拓海はそう言うと、俺を抱きかかえた。




 蒼「・・・ま、待って拓海っ・・・・俺・・・先に・・・ト、トイレ行きたいっ・・・・降ろしてっ・」




 ずっと寝ていた俺は、膀胱が結構 限界に近かった。

 そして俺は拓海にそう言うが、降ろしてくれない。

 そのまま 拓海は、俺をトイレまで連れてきた。

 拓海は俺を抱きかかえたまま トイレに入ると、俺を降ろした。

 そしてガチャっと鍵が閉められる。




 蒼「えっ?!たっ・・・拓海?」




 俺は、てっきり出て行くと思っていたため、びっくりして拓海の顔を見上げた。

 その顔はすごく意地悪そうにニヤニヤとしながら俺を見下ろしていた。




 ・・・・・嫌な予感しかしない・・・・・



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