41 / 72
40
しおりを挟む「カンパーイ!!!!」
一斉に声を発して始まった打ち上げ会。
俺と有馬の席は端っこ通しで、俺の隣は孝之さんだった。
よかった・・・・有馬が近くじゃなくて・・・・
和「あまり飲み過ぎるなよ?蒼は酒弱いんだから」
蒼「あ、でも今日はちょっと飲みたい気分なんです・・・」
和「そうか。でも、飲めなかったら俺が代わりに飲んでやるから言えよ?」
蒼「はい・・・分かりましたっ」
俺は珍しく自分から進んでお酒を飲んでいた。
嫌な事も、有馬の事も全て お酒を飲んで綺麗さっぱり忘れてしまいたかった。
お酒を飲んで綺麗さっぱりなんて出来る筈がないけど、お酒の力がなければ俺は平然と有馬とこの同じ空間に居ることなんて出来ないだろう。
それから飲みながら孝之さんといろいろな話をした。
お酒の力はやっぱり凄い、孝之さんが喋る度に笑いが込み上げてきて、面白くない事でも自然と笑みが溢れてしまう。
いつもこんな俺だったらいいのに。
俺は孝之さんと話をしながら、ふと有馬が気になり、目線を移した。
有馬は女子社員と少しくっつくように話していて、その女子社員に対して優しい笑みを向けていた。
・・・・・・っ・・・・・・・・
分かっていても耐えられなかった。
あの目、あの声、あの唇、全てが俺に向けられていない事くらい。
蒼「俺、お手洗いに行ってきます・・・・・」
和「お、おい、大丈夫か?」
見ていられない俺はたまらず立ち上がった。
やっぱりお酒を飲んでいるせいか、足元がおぼつかない。
孝之さんは俺を心配してか、俺の腕を引いてトイレに俺を連れてきてくれた。
蒼「すみません・・・俺・・・結構、酔っちゃいました。」
俺は、有馬でざわついた心を落ち着かせるようにそう言った。
和「蒼って本当に分かりやすいよな・・・・」
蒼「え?・・・何が・・・ですか?」
和「本当は蒼が振り向いてくれるまでずっと待つつもりだったけど・・・・やっぱりお前、俺の事なんか意識してなさそうだから」
そう言いながら孝之さんは俺に不敵な笑みを浮かべると、酒で足がおぼつかない俺をゆっくりと壁に追い詰め、俺は壁と孝之さんに挟まれた。
えっ・・・・孝之さん・・・どういうつもりっ・・・・・
蒼「た、孝之さん?・・・な、何してるんですか?孝之さんも・・・ちょ、ちょっと、お、お酒・・・飲み過ぎじゃないですか?」
俺はしどろもどろになりながらそう言った。
俺は、孝之さんの胸に両手を突っぱねると、胸を押した。
が、酔っている俺は手に力が入らなかった。
孝之さんは自分のネクタイを片手で外すと、俺の両手首をいとも簡単に拘束した。
その拘束された俺の両手首を掴むと、 俺の頭上の壁に押さえつけた。
蒼「いやっ!孝之さん!!な、何するんですかっ!」
和「何って・・・・言わなきゃ分かんない?」
孝之さんはまた俺に笑みを浮かべると、空いている手で俺の顎を掴んだ。
その瞬間俺は孝之さんに唇を塞がれた。
蒼「んっ!んっ!ぅんっんっ!」
孝之さんのキスは荒々しく、俺の息つく暇もなく 俺の口内を犯すように舌が出入りする。
やめてっ・・・やだっ・・・・こんなのやだよっ・・・・
俺は孝之さんにキスされて嫌だと感じた。
その時ふと、俺の頭の中には有馬の顔が浮かんだ。
俺は孝之さんのそのキスから逃れようと体を捻ったり、顔を背けようとするが、手で顎をガッチリと掴まれていて逃れられない。
俺の抵抗に対抗するように、孝之さんは俺から顔を離すと、俺の首筋に舌を這わせた。
蒼「あっ・・んっ・・や、いやですっ・・や、やぁっ・・」
和「ふふ、感じてるの?」
孝之さんは鼻で笑いながらそう言うと、俺の首筋を吸ったり甘噛みした。
ピリっとした痛みが何度も俺を襲う。
そして俺のシャツのボタンを器用に片手で外し俺のTシャツを捲くりあげた。
蒼「や、やめてくださいっ・・・本当に俺、孝之さんとはこんな事したくないんですっ!」
和「俺はずっと・・・蒼とこうしたいって思ってたんだよ?」
蒼「でもっ!こんなの間違ってる!!!」
頬から何かが伝った。
俺は気付かないうちに泣いていた。
和「うるさい黙れ!!」
っ・・・・・こんなの・・・こんな人っ・・・孝之さんなんかじゃないっ・・・・・
いつも俺に笑顔を向けてくれていた孝之さんはそこに居なかった。
そこに居たのは俺を蔑むような目で見る男。
・・・・・誰か・・・・・助けてっ・・・・
俺は心の中で何度もそう叫んだ。
0
お気に入りに追加
92
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
部室強制監獄
裕光
BL
夜8時に毎日更新します!
高校2年生サッカー部所属の祐介。
先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。
ある日の夜。
剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう
気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた
現れたのは蓮ともう1人。
1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。
そして大野は裕介に向かって言った。
大野「お前も肉便器に改造してやる」
大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる