12 / 29
11、アウズンブラさん?!
しおりを挟む
「えへへ、良い買い物したなぁ。ゲリとフレキもご機嫌だし。垂涎のお酒が楽しみだぜ!」
あれ? 泉に誰かいる?!
巨人?!
って、わあ! フレキが水を飲みに走って行ちゃった。
「あ、え?! 待って、待って! ゲリ、走っちゃダメだ! うわあ! オレを乗せたまま、屈んで水飲まないでぇ~! うわあ! え?!」
「おい、人間。泉の水を汚すな。ゲリも気を付けろ。フレキ、久しぶりだな?」
「くう~ん」「ウオン!」
ヒエッ! 方手で腋の下掴まれてる?! こええ! オレの足がプランってなってるし!
ゲリとフレキを知っているっぽい?
取り合えず、お礼を言おう。
「あ、あの! 助けて頂いて有り難うございます! オレ、リックです!」
「人間、いやリック。何故ゲリの背中に乗っている?」
「オレはこいつらの世話係です。何時も散歩に行く時はゲリとフレキが交代で運んでくれるんです」
「ほう? だが何故ここを通る?」
「今日はお使いでミズガルズに行って来たんです。道はゲリとフレキが知っているって言われて」
「そうか。で? 何をしてきたんだ?」
なんだろう? 尋問されている? まあ、泉の水の話しじゃないからしゃべるけど。
「ヴァルハラのワインが昨日騎士団とワルキューレに飲み尽くされちゃって、お酒を買って来ました!」
「お?! リック、良いワインが手に入ったようだな?」
げ?! 目の色が変わった! カツアゲされちゃう?
「今夜、ミーミルが行くと伝えておけ。久しぶりにオーディンと飲むか」
「はい! じゃあ、オレはこれで失礼します!」
ミーミル。ミーミルさん?! この泉の名前じゃん!
やべえ! 賢くなる水を勝手に飲んだのがばれないうちにトンズラしよう!
「ぶも」
「うわあ!」
な、何?! さっきまでいなかったじゃん?!
「あ、や、やめ、やめて。うわ! 喰われる?! ち、ちょっと?! あ、ダメだ!」
「ほう? アウズンブラ、気に入ったのか?」
「ブモォ~ン!」
「へ?! この牛、ミーミルさんのですか? 何かオレを喰おうとしてない?!」
「いや、リックが気に入ったようだ。彼女の乳は最高だぞ? 気に入られたんだ連れて行け」
「いや、オレ、牛なんて飼えないし! あ、金! そんな最高の彼女を買うお金は持ってないですから!」
「ふん。正直者が。金はとらん。彼女の部屋はグラニと同室でかまわん」
グラニ?! オーディン様の愛馬じゃん! スレイプニルと同室って言われても困るんだよ!
「ん? 何だ? まだ何かあるのか? ああ、彼女の食べ物か? グラニと同じでかまわんぞ? 塩がわりに、たまにお前の小水でもあげておけ」
いや、グラニと同じ餌。
あと、何? オレのショウスイ? 塩でイイんだよね?
「ブモォ~ン!」
あ? ああ! 何でだ! オレの股間が危ない!
あ、ショウスイ! 小水か?! 何でしょんべん?!
「ひいぃ~! あ、やめてぇ~!」
「リック。意地悪はやめて、早く彼女に飲ませてやれ。ほれ」
ズルッ。
「クポ! チュ、チュ、チュ、チュ、チュ~!」
「あ、アアアアッ! ダメぇ~! ち、ちょっと?! 助けて! あ、やめて、アンッ、ツッ! 出ちゃう! ひいぃ~!」
「ぶも! ジュッ、ジュ~ゴクゴクゴクゴクゴクゴクッ、ジュ~!」
出ちゃった。色々と……。人前で、出してしまった。
モノはくわえらてて見えていなかったと思う。
だが、喘いじゃたじゃん、オレ。
恥ずか死ねる。
あ?! ゲリとフレキがよだれ?!
何でだ?!
「あ、こら! お前達まで、どうしちゃたんだよ?!」
「ほう? リックは特別に美味いのか? ああ、すまん。アウズンブラ、横取りなどせん。惜しいことをしたが」
何?! オレ美味しいの?! 怖いわ! アウズンブラがいなかったら、ミーミルさんに喰われてたのかよ?!
気を付けよう!
って、どうやって?!
「「ウオン!」」「ブモォ~!」
あ。こいつらが守ってくれそう。
っていうか、オレ、こいつらに飲ませなきゃダメっぽい?
「ああ、えっと、帰ってからな?」
「「ウオ~ン!」」「ブモォ~ン!」
よだれがすげえ。
飲ませなきゃダメそうです。
がっくり。
「よう! リック、お帰り。その牛はどうしたんだ?」
「ただいま帰って来ました、ヘイムダルさん。牛はミーミルの泉で、好かれちゃって、貰ったんです」
「ん?! なんだって?! ミーミルの牛か?! そいつはアウズンブラか?! すげえモン貰ったな?! 大事にしな!」
え?! 何そのリアクション? この牛そんなに凄いのか?
まあ、なんだ、アレは確かに凄かったけど。違うっぽいし。
あ、『彼女の乳は最高』って言われてたから、そっちか?
「はあ。そうします」
「お帰りリック。ん?! そいつはアウズンブラか?!」
「あ、コモンさんただいま。分かるんですか? アウズンブラですけど。頂いて来ちゃいましたけど、グラニと同じ部屋、借りてイイですか? なんか餌も同じがいいらしくて」
「あ?! そりゃあ、グラニが大喜びするから良いんだが、食事はリックがあげた方が良いぞ?」
「へ? ああ、オレの牛ですから、オレがあげますけど、なんかあるんですか?」
「アウズンブラが気に入った飼い主から食事すると、機嫌が良くなって、超、超、超~!最っ高の乳が出るんだよ」
うわあ。超が三つ。
アレか?『星、三つです!』ってヤツか?
まあ、乳でも搾るか?
飲めば分かるし。
「あ、そうだ。ミーミルさんが今夜行くから、伝えてって言われてたんだ」
「ほう? じゃあ、今日は良い酒が飲めるな。早く知らせに行けってこい」
「あ、はい。じゃあ、アウズンブラ、またね? ゲリとフレキは?……。はい、着いて来るんだよね? ありがと」
「リック! 凄いじゃないか! あそこの酒屋でこれだけの高級品を、こんな値段で買えたのかい?!」
え?! あのオッサンぼったくりじゃなかったの?
そろばん弾いてニヤニヤしてたし。
オレのにだけ変な混ぜモノもあったんだけど?
「え、ええ、まあ。結果的にそんな感じで」
混ぜモノのアレは、オレが買い叩いたせいか?!
まあ、あっちも商売だからな。
だけど《上田 陸、垂涎の酒》は喜んで売ってくれたんだが?
何でだ?
「何はともあれ、オレの酒だ! いただきま~す!」
ん?! すげえうめえ!
何でコレ、売って貰えたんだ?
……。
ミーミルの泉に感謝。
『鑑定』がハンパない仕事をしてくれる
《神々の造りし蜜酒》《効能、学者。詩人。戦闘。等で、優れた者となる》《門外不出であったが一度盗まれている》
アレ? 色々とダメっぽい?
っていうか、盗品じゃん?!
効能の最後の、ダメじゃん?!
何と戦うんだよ?!
身体強化じゃなくて、バーカーサーの方じゃん?!
薄めて飲もう!
こっそり、一人で飲もう!
やっぱりあのオッサンは一癖あったんじゃん!
「まあ、イイか? この酒、めっちゃ美味いし。リュックから、オレが出さなきゃ、誰も分かんねえよな。うん。オッサンは言えねえだろうし。うん。オレは何も見なかった!」
「オオ~ン~ッ!」 「オンオンウオォ~ン! ウオォ~ン!」
ん? ゲリとフレキの遠吠えか?
珍しいな。なんかあったのか?
そう。オレは忘れていた。
あいつらとの約束の事を。
あれ? 泉に誰かいる?!
巨人?!
って、わあ! フレキが水を飲みに走って行ちゃった。
「あ、え?! 待って、待って! ゲリ、走っちゃダメだ! うわあ! オレを乗せたまま、屈んで水飲まないでぇ~! うわあ! え?!」
「おい、人間。泉の水を汚すな。ゲリも気を付けろ。フレキ、久しぶりだな?」
「くう~ん」「ウオン!」
ヒエッ! 方手で腋の下掴まれてる?! こええ! オレの足がプランってなってるし!
ゲリとフレキを知っているっぽい?
取り合えず、お礼を言おう。
「あ、あの! 助けて頂いて有り難うございます! オレ、リックです!」
「人間、いやリック。何故ゲリの背中に乗っている?」
「オレはこいつらの世話係です。何時も散歩に行く時はゲリとフレキが交代で運んでくれるんです」
「ほう? だが何故ここを通る?」
「今日はお使いでミズガルズに行って来たんです。道はゲリとフレキが知っているって言われて」
「そうか。で? 何をしてきたんだ?」
なんだろう? 尋問されている? まあ、泉の水の話しじゃないからしゃべるけど。
「ヴァルハラのワインが昨日騎士団とワルキューレに飲み尽くされちゃって、お酒を買って来ました!」
「お?! リック、良いワインが手に入ったようだな?」
げ?! 目の色が変わった! カツアゲされちゃう?
「今夜、ミーミルが行くと伝えておけ。久しぶりにオーディンと飲むか」
「はい! じゃあ、オレはこれで失礼します!」
ミーミル。ミーミルさん?! この泉の名前じゃん!
やべえ! 賢くなる水を勝手に飲んだのがばれないうちにトンズラしよう!
「ぶも」
「うわあ!」
な、何?! さっきまでいなかったじゃん?!
「あ、や、やめ、やめて。うわ! 喰われる?! ち、ちょっと?! あ、ダメだ!」
「ほう? アウズンブラ、気に入ったのか?」
「ブモォ~ン!」
「へ?! この牛、ミーミルさんのですか? 何かオレを喰おうとしてない?!」
「いや、リックが気に入ったようだ。彼女の乳は最高だぞ? 気に入られたんだ連れて行け」
「いや、オレ、牛なんて飼えないし! あ、金! そんな最高の彼女を買うお金は持ってないですから!」
「ふん。正直者が。金はとらん。彼女の部屋はグラニと同室でかまわん」
グラニ?! オーディン様の愛馬じゃん! スレイプニルと同室って言われても困るんだよ!
「ん? 何だ? まだ何かあるのか? ああ、彼女の食べ物か? グラニと同じでかまわんぞ? 塩がわりに、たまにお前の小水でもあげておけ」
いや、グラニと同じ餌。
あと、何? オレのショウスイ? 塩でイイんだよね?
「ブモォ~ン!」
あ? ああ! 何でだ! オレの股間が危ない!
あ、ショウスイ! 小水か?! 何でしょんべん?!
「ひいぃ~! あ、やめてぇ~!」
「リック。意地悪はやめて、早く彼女に飲ませてやれ。ほれ」
ズルッ。
「クポ! チュ、チュ、チュ、チュ、チュ~!」
「あ、アアアアッ! ダメぇ~! ち、ちょっと?! 助けて! あ、やめて、アンッ、ツッ! 出ちゃう! ひいぃ~!」
「ぶも! ジュッ、ジュ~ゴクゴクゴクゴクゴクゴクッ、ジュ~!」
出ちゃった。色々と……。人前で、出してしまった。
モノはくわえらてて見えていなかったと思う。
だが、喘いじゃたじゃん、オレ。
恥ずか死ねる。
あ?! ゲリとフレキがよだれ?!
何でだ?!
「あ、こら! お前達まで、どうしちゃたんだよ?!」
「ほう? リックは特別に美味いのか? ああ、すまん。アウズンブラ、横取りなどせん。惜しいことをしたが」
何?! オレ美味しいの?! 怖いわ! アウズンブラがいなかったら、ミーミルさんに喰われてたのかよ?!
気を付けよう!
って、どうやって?!
「「ウオン!」」「ブモォ~!」
あ。こいつらが守ってくれそう。
っていうか、オレ、こいつらに飲ませなきゃダメっぽい?
「ああ、えっと、帰ってからな?」
「「ウオ~ン!」」「ブモォ~ン!」
よだれがすげえ。
飲ませなきゃダメそうです。
がっくり。
「よう! リック、お帰り。その牛はどうしたんだ?」
「ただいま帰って来ました、ヘイムダルさん。牛はミーミルの泉で、好かれちゃって、貰ったんです」
「ん?! なんだって?! ミーミルの牛か?! そいつはアウズンブラか?! すげえモン貰ったな?! 大事にしな!」
え?! 何そのリアクション? この牛そんなに凄いのか?
まあ、なんだ、アレは確かに凄かったけど。違うっぽいし。
あ、『彼女の乳は最高』って言われてたから、そっちか?
「はあ。そうします」
「お帰りリック。ん?! そいつはアウズンブラか?!」
「あ、コモンさんただいま。分かるんですか? アウズンブラですけど。頂いて来ちゃいましたけど、グラニと同じ部屋、借りてイイですか? なんか餌も同じがいいらしくて」
「あ?! そりゃあ、グラニが大喜びするから良いんだが、食事はリックがあげた方が良いぞ?」
「へ? ああ、オレの牛ですから、オレがあげますけど、なんかあるんですか?」
「アウズンブラが気に入った飼い主から食事すると、機嫌が良くなって、超、超、超~!最っ高の乳が出るんだよ」
うわあ。超が三つ。
アレか?『星、三つです!』ってヤツか?
まあ、乳でも搾るか?
飲めば分かるし。
「あ、そうだ。ミーミルさんが今夜行くから、伝えてって言われてたんだ」
「ほう? じゃあ、今日は良い酒が飲めるな。早く知らせに行けってこい」
「あ、はい。じゃあ、アウズンブラ、またね? ゲリとフレキは?……。はい、着いて来るんだよね? ありがと」
「リック! 凄いじゃないか! あそこの酒屋でこれだけの高級品を、こんな値段で買えたのかい?!」
え?! あのオッサンぼったくりじゃなかったの?
そろばん弾いてニヤニヤしてたし。
オレのにだけ変な混ぜモノもあったんだけど?
「え、ええ、まあ。結果的にそんな感じで」
混ぜモノのアレは、オレが買い叩いたせいか?!
まあ、あっちも商売だからな。
だけど《上田 陸、垂涎の酒》は喜んで売ってくれたんだが?
何でだ?
「何はともあれ、オレの酒だ! いただきま~す!」
ん?! すげえうめえ!
何でコレ、売って貰えたんだ?
……。
ミーミルの泉に感謝。
『鑑定』がハンパない仕事をしてくれる
《神々の造りし蜜酒》《効能、学者。詩人。戦闘。等で、優れた者となる》《門外不出であったが一度盗まれている》
アレ? 色々とダメっぽい?
っていうか、盗品じゃん?!
効能の最後の、ダメじゃん?!
何と戦うんだよ?!
身体強化じゃなくて、バーカーサーの方じゃん?!
薄めて飲もう!
こっそり、一人で飲もう!
やっぱりあのオッサンは一癖あったんじゃん!
「まあ、イイか? この酒、めっちゃ美味いし。リュックから、オレが出さなきゃ、誰も分かんねえよな。うん。オッサンは言えねえだろうし。うん。オレは何も見なかった!」
「オオ~ン~ッ!」 「オンオンウオォ~ン! ウオォ~ン!」
ん? ゲリとフレキの遠吠えか?
珍しいな。なんかあったのか?
そう。オレは忘れていた。
あいつらとの約束の事を。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
彼女の母は蜜の味
緋山悠希
恋愛
ある日、彼女の深雪からお母さんを買い物に連れて行ってあげて欲しいと頼まれる。密かに綺麗なお母さんとの2人の時間に期待を抱きながら「別にいいよ」と優しい彼氏を演じる健二。そんな健二に待っていたのは大人の女性の洗礼だった…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる