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隠れんぼでした?

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 前から歩いて来るのって、コーダーダ様とモラヴィア姫だよね? アレって変装したフレデリック様じゃないわよね?

「マリア嬢、もうヴィルヘルム卿に見つかってしまったのかい? 城での 隠れんぼは楽しんでくれたかな?」

 ああ、隠れんぼをしていたことになっているのね?

「モラヴィア殿下、マリア嬢にの挨拶をさせて貰えないか?」

「ああ、そうだったな。マリア嬢、彼は隣国、オーガスタの皇太子。ウインターゴールドクレストのコーダーダ殿下だ」

 髪の毛を綺麗に結って下さった方は、オーガスタ国の皇太子様だったの?!  恥ずかしいわ!  私、この方に、色々見られてしまっているのよ?!

「えっと?  ?  マリアです」

 顔が上げられないわ!  ヴィルヘルム様、お願いします。
 マリアは、影になりますので、どうか後はお願い!  お任せ致しますぅ!

マリア嬢。コーダーダです。私の婚約者であるジョージからお可愛いらしい方だと聞いていました。彼女と仲良くしてくれて構わないよ?」

 私は影です。どうかお気使い無く。

「コーダーダ殿下、恥ずかしがり屋我だが、私の妻、マリアだ。殿下の婚約者は、オゲイン家養い子、ラインハルトの娘、ジョージ嬢で間違いないかな?」

「そうだ。《オゲイン家のラインハルト殿とカスガ殿》両名がジョージ嬢の両親だ。手出しは無用願うぞ? ヴィルヘルム卿」

「異常能力者と異世界人を両親に持つ者を王族に? オーガスタ国は認めますかな?」

「私の妻をオーガスタのゴタゴタに巻き込ませたりはしないよ。何度も言うが気遣いは無用だ」

「ヴィルヘルム卿、コーダーダ王子は我がセントレーアに帰化した。女王陛下に譲爵の話しをしておかんとな!」

「モラヴィア姫はベーレン領を独立させるおつもりか?」

「ふん。ハイドリヒ次第だと思うぞ? あの男は『聖女さえ良ければ、それで良い』とか言いそうだろう?」

「政治的な話しはもういいでしょう。マリア嬢がお暇そうだよ、ヴィルヘルム卿?」

「コーダーダ王子……。まあいいでしょう。マリア、モラヴィア姫とあまり遊ぶんじゃないよ? 彼ともね?」

 私に何と言えと?! 私はただ今影です! ヴィルヘルム様。
 後ろに隠れておりますでしょう?!

「ん?  マリア?  クッ、可愛いことを! では、モラヴィア姫、コーダーダ殿下、失礼する。私はマリアを可愛いがる用事が出来たのでね『移転』!」

 きゃあ! ヴィルヘルム様ったら、恥ずかしいです~!
 抱っこで『移転』された!

「さあマリア。『隠れんぼ』は楽しんだかい?」

「ひうっ!」

 ヴィルヘルム様の笑顔が恐い~!



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