25 / 36
1章 Run after me -若狼-
25.黄金のアルファ
しおりを挟む
輝くような深い金色の毛。深い緑の瞳。逞しい体躯。
「オメガはそういうものだ」
笑みを湛え、堂々と歩み入る、金色の雄。
放たれる圧倒的なものに、みな声を呑み、静寂が場を満たす。
この場の誰もが瞬時に理解しただろう。これは……絶対に勝てない相手、歴然とした強者だ。
みんなくちを噤み息すら止めて……俺も喉の奥が詰まったみたい。声どころか息もできない。
「我が儘を言うものなのだ。務めに障りがあろうが構わずにな。しかも愛しさのあまり、つい許してしまう。逃がれられるものではないのだよ。お客人の責とは言えぬ」
笑みのまま、金色の雄は軽く手を振る。
金の銅色を抑えてた手がスッと離れ、知らない雄たちが一斉に背を丸めて服従を現す。
強者の気配が薄まり、息ができるようになる。カッパの尻の下の俺は地べたに這いつくばってるけど。
金の銅色は立ち上がって、ふぅ、と小さく息を整えると、俺にチラッと目を向け、小さく頷いた。
嬉しくなって見つめ返す俺を見て、目を細める。
そして金色の雄に向き直った。厳しい目だ。
静まりかえった場に、通る声が響く。
「さて、お客人」
「なんでしょう」
俺の金の銅色が、胸を張って応えた。
金色の雄は頷いて笑みを深める。
みんなこの雄に呑まれてる。俺についてきた精霊たちも背中にしがみついてじっとしてる。この郷の精霊は楽しそうに金色の雄にまとわりついてるけど、動いてるのは金の銅色だけ。俺はカッパが重くて動けないけど。
俺の金の銅色だけが、金色の雄に負けてない。
かっこいい。……これが、この堂々とした雄が俺の、俺のなんだ。誇らしい気持ちで胸が一杯になる。
「郷の皆さんも迎えに来ているようですな。これは、我が郷にて学ぶことは無くなった……ということですかな?」
「……それは……」
「どうします? 続けて学ばれますか? それともアレと」
金色の雄はこっちに目もくれず、指だけで俺を指す。
「戻りますか? 我らはどちらでもかまいません。続けて学ばれるというなら、」
ビリッと空気が変わる。今度は分かった。金の雄が威圧を放ったのだ。
「二度とこのようなことはないと誓って頂きたい」
すごい圧。精霊も凍り付き、みな指一本動かせない。俺もまた息ができなくなった。
けれど俺の金の銅色は気圧された様子も無く、胸を張ってる。
「黄金のアルファよ」
特に声を張るでも無く淡々と、しかし目を険しくして言った。
「確かに、あなたの郷に面倒をおかけした。その点は謝罪する。あなたに学んだことが多いのも事実。感謝はしている。けれど俺が、あなたに従う者では無いことはご存じのはず。俺だけでなく、うちの郷の者たちもだ」
「銅の。私は命じていない。提言したまでのこと」
金色の雄は鼻で笑うように銅の、と呼んだ。俺のアウルム・アイスを軽んじてる。
こいつは嫌いだ。
「では威圧なさるのをやめていただきたい」
「おお、これはクセだ。気分を害されたか」
笑うような声と共に、ふっと空気が緩む。
あちこちでホッとしたような吐息が漏れた。……悔しいけど俺もそっと息を吐く。
「学ぶ者として、俺はあなたを師と仰ごう。だが従う者では無い。そのことは肝に銘じていただく」
「もちろん承知しているとも」
微笑む雄に金の銅色は頷き、誰もが目を離せずにいる金色の雄を無視して俺を見た。
こっちに歩いてきてしゃがみ込む。手が届きそうで届かない距離だ。それ以前に、正気に戻ったみんなに腕も肩も押さえつけられてて動けない。
「蒼の雪灰。調子はどうなのだ」
名を呼んでくれた。
「……うん」
じわっと涙が滲んでくる。
なんて心躍る音なんだ。なんて胸に響くんだ。
「だいぶ元気。ガンマが優しくしてくれる」
「そうか」
ホッとしたように息を吐き、優しい瞳で俺を見てる。嬉しい。
金の瞳が優しい。少し枯れた声は甘い響きを耳に伝える。……嬉しい。
嬉しい、嬉しい、嬉しい嬉しい嬉しい。
「蒼の雪灰。俺はまだ戻れない」
「え……」
金の瞳は優しい。
けど真っ暗闇に落とされたみたい。
「おまえは、もう少し時が必要なようだ。俺も学ばねばならない」
金の銅色は、眉尻を下げて笑みながら手を伸ばし、俺の頭をポンポンと叩いた。
「ダメ、なの?」
「ああ、今は、まだ」
「……戻って、来る……?」
しっかりと頷く金の銅色。
「近いうちに」
金の瞳に嘘は見えない。引き締まったくちもとも、一切の歪みがない。
────信じる。
俺は金の銅色を信じる。
その想いを目に乗せて、ウンと頷く。
けど悲しくて、目を落とした。
「良い子だ」
頭を撫でる手が優しい。涙がパタパタと落ちる。
「ほんじゃあ、もう暴れんなよ」
「……分かった」
カッパの声に答えると、重みから解放された。
すぐに起き上がろうとしたけれど、金の銅色が笑みのまま首を横に振る。俺は地に腰を落としたまま、堂々と立つ俺の雄を見上げた。
金の銅色は、頷いて笑みを深める。それでいい、と言うように。
俺を見てる。俺に笑んでる。
胸が、キュウッと絞られたよう。嬉しくて涙が出そう。
金の銅色は片膝を落とし、大きな手が俺の頭に乗り、優しく撫でる。
ああ、この手。この匂い。
「良い子だな。蒼の雪灰」
嬉しい。
嬉しい、嬉しい、嬉しい。
ドキドキしてたまんない。嬉しい、嬉しい、嬉しい。
狼になってたなら、ブンブン尻尾振り回してる。嬉しい、嬉しい、嬉しい……
「蒼の雪灰。俺が戻るまで郷で良い子にしているんだぞ」
「えっ、や、やだ」
思わず言ってた。
「やだ、あんたと一緒にいる。おとなしくしてるから」
だって、やっと逢えたのに、また離れるの? なんで?
なのに金の銅色は、眉を寄せて困った顔になる。
「蒼の雪灰、聞き分けてくれ」
「でっ、でも、アルファの棲まいに行くのはやだ」
「アルファ?」
ビックリしたみたいに目を丸くする。こんな顔もカッコイイ。可愛い。
「おまえはガンマの所にいるのだろう」
「ガンマが、しばらく来るなって」
「どうしてそんな。おまえ、なにかしたのか」
「違うよ! 肉が食いたいって言った、……だけ……」
「肉……?」
少し考え込んだ風になって、眉が寄る。カッコイイ……
「そうなのか。ふうむ……」
けど困った顔になってる?
困ってるのかな。こっちまで眉が寄る。
……ハッとした。
さっきは良い子だって撫でてくれたのに……俺が困らせてる? ワガママ言ってる? でも離れたくないんだ。けど……けどダメなやつだと思われたくない。良い子だって思われたい。
ぐっと奥歯を噛みしめる。
「お、俺」
「なんだ」
見開いた目が見下ろしてくる。
金の瞳は優しい。勇気を貰える。俺は真直ぐ目を見返して言った。
「……あんたのとこに行きたい。あんたの棲まいに」
「俺の? しかし俺の棲まいは決まっていない。シグマやルウと共に寝起きしているんだ」
「え……」
知らなかった。番いない同士で一緒に棲まっているということ?
そうなんだ。じゃあ、どうしたら……
「やはりおまえは、ガンマのところに……」
「あっ!」
思わず声を上げる。
素晴らしい考えが閃いた!
「どうした」
金の銅色は怪訝な顔だけど、眉間の皺は晴れた。ホッとして、声を励ます。
「俺が決めていい?」
「おまえが? なにを」
見開いた金の瞳を見ているだけで力が湧いてくる。
「あんたの棲むところ、決めていい?」
絶対にアルファの所なんて行かない。俺は金の銅色といるんだ。
「そこで俺、おとなしく待ってるよ」
「……そうか」
「ちゃんと待ってるよ。いい?」
「…………分かった。頼んだぞ」
大きな手が俺の頭に乗り、また優しく撫でた。
「うん! いい棲まいにするよ!」
ぱああっと湧きあがる多幸感に声は上擦る。
「だから、早く戻って」
「ああ、分かった」
ちょっと涙ぐんじゃったけど、俺の金の銅色は笑みを深め、頭をポンポンと軽く叩いてくれる。
必死の気持ちを目に込めて見上げた。
「棲まいのことはおまえに頼もう」
深めた笑みのまま、金の銅色がしっかりと頷く。
胸の内に満ちてくる熱いものを感じながら、俺も頷きかえす。
「済まないな。もう少しの間、待っていてくれ」
俺は何度も頷く。涙がパタパタこぼれる。
優しい笑みでひとつ頷いた金の銅色は、俺の頭を撫でてから立ち上がる。
金色の雄に向き直るときは、きりっと鋭い目になった。
「お聞きの通りです。もう面倒をおかけすることはないでしょう」
黄金の雄は、クスリと笑った。
「本当にあなたは面白い。では戻りましょうか。シグマ」
「はい」
「客人を連れて戻るぞ」
「はい」
初老のシグマは素直に頭を下げた。
金の銅色も言われるまま向こうの郷へ歩を進めてる。
その背を眺めているだけで、涙が溢れて頬を伝った。
でも戻って来るって言った。なら俺は信じて待とう。アルファの所なんて行かないで、金の銅色の棲まいを、俺が作るんだ!
「オメガはそういうものだ」
笑みを湛え、堂々と歩み入る、金色の雄。
放たれる圧倒的なものに、みな声を呑み、静寂が場を満たす。
この場の誰もが瞬時に理解しただろう。これは……絶対に勝てない相手、歴然とした強者だ。
みんなくちを噤み息すら止めて……俺も喉の奥が詰まったみたい。声どころか息もできない。
「我が儘を言うものなのだ。務めに障りがあろうが構わずにな。しかも愛しさのあまり、つい許してしまう。逃がれられるものではないのだよ。お客人の責とは言えぬ」
笑みのまま、金色の雄は軽く手を振る。
金の銅色を抑えてた手がスッと離れ、知らない雄たちが一斉に背を丸めて服従を現す。
強者の気配が薄まり、息ができるようになる。カッパの尻の下の俺は地べたに這いつくばってるけど。
金の銅色は立ち上がって、ふぅ、と小さく息を整えると、俺にチラッと目を向け、小さく頷いた。
嬉しくなって見つめ返す俺を見て、目を細める。
そして金色の雄に向き直った。厳しい目だ。
静まりかえった場に、通る声が響く。
「さて、お客人」
「なんでしょう」
俺の金の銅色が、胸を張って応えた。
金色の雄は頷いて笑みを深める。
みんなこの雄に呑まれてる。俺についてきた精霊たちも背中にしがみついてじっとしてる。この郷の精霊は楽しそうに金色の雄にまとわりついてるけど、動いてるのは金の銅色だけ。俺はカッパが重くて動けないけど。
俺の金の銅色だけが、金色の雄に負けてない。
かっこいい。……これが、この堂々とした雄が俺の、俺のなんだ。誇らしい気持ちで胸が一杯になる。
「郷の皆さんも迎えに来ているようですな。これは、我が郷にて学ぶことは無くなった……ということですかな?」
「……それは……」
「どうします? 続けて学ばれますか? それともアレと」
金色の雄はこっちに目もくれず、指だけで俺を指す。
「戻りますか? 我らはどちらでもかまいません。続けて学ばれるというなら、」
ビリッと空気が変わる。今度は分かった。金の雄が威圧を放ったのだ。
「二度とこのようなことはないと誓って頂きたい」
すごい圧。精霊も凍り付き、みな指一本動かせない。俺もまた息ができなくなった。
けれど俺の金の銅色は気圧された様子も無く、胸を張ってる。
「黄金のアルファよ」
特に声を張るでも無く淡々と、しかし目を険しくして言った。
「確かに、あなたの郷に面倒をおかけした。その点は謝罪する。あなたに学んだことが多いのも事実。感謝はしている。けれど俺が、あなたに従う者では無いことはご存じのはず。俺だけでなく、うちの郷の者たちもだ」
「銅の。私は命じていない。提言したまでのこと」
金色の雄は鼻で笑うように銅の、と呼んだ。俺のアウルム・アイスを軽んじてる。
こいつは嫌いだ。
「では威圧なさるのをやめていただきたい」
「おお、これはクセだ。気分を害されたか」
笑うような声と共に、ふっと空気が緩む。
あちこちでホッとしたような吐息が漏れた。……悔しいけど俺もそっと息を吐く。
「学ぶ者として、俺はあなたを師と仰ごう。だが従う者では無い。そのことは肝に銘じていただく」
「もちろん承知しているとも」
微笑む雄に金の銅色は頷き、誰もが目を離せずにいる金色の雄を無視して俺を見た。
こっちに歩いてきてしゃがみ込む。手が届きそうで届かない距離だ。それ以前に、正気に戻ったみんなに腕も肩も押さえつけられてて動けない。
「蒼の雪灰。調子はどうなのだ」
名を呼んでくれた。
「……うん」
じわっと涙が滲んでくる。
なんて心躍る音なんだ。なんて胸に響くんだ。
「だいぶ元気。ガンマが優しくしてくれる」
「そうか」
ホッとしたように息を吐き、優しい瞳で俺を見てる。嬉しい。
金の瞳が優しい。少し枯れた声は甘い響きを耳に伝える。……嬉しい。
嬉しい、嬉しい、嬉しい嬉しい嬉しい。
「蒼の雪灰。俺はまだ戻れない」
「え……」
金の瞳は優しい。
けど真っ暗闇に落とされたみたい。
「おまえは、もう少し時が必要なようだ。俺も学ばねばならない」
金の銅色は、眉尻を下げて笑みながら手を伸ばし、俺の頭をポンポンと叩いた。
「ダメ、なの?」
「ああ、今は、まだ」
「……戻って、来る……?」
しっかりと頷く金の銅色。
「近いうちに」
金の瞳に嘘は見えない。引き締まったくちもとも、一切の歪みがない。
────信じる。
俺は金の銅色を信じる。
その想いを目に乗せて、ウンと頷く。
けど悲しくて、目を落とした。
「良い子だ」
頭を撫でる手が優しい。涙がパタパタと落ちる。
「ほんじゃあ、もう暴れんなよ」
「……分かった」
カッパの声に答えると、重みから解放された。
すぐに起き上がろうとしたけれど、金の銅色が笑みのまま首を横に振る。俺は地に腰を落としたまま、堂々と立つ俺の雄を見上げた。
金の銅色は、頷いて笑みを深める。それでいい、と言うように。
俺を見てる。俺に笑んでる。
胸が、キュウッと絞られたよう。嬉しくて涙が出そう。
金の銅色は片膝を落とし、大きな手が俺の頭に乗り、優しく撫でる。
ああ、この手。この匂い。
「良い子だな。蒼の雪灰」
嬉しい。
嬉しい、嬉しい、嬉しい。
ドキドキしてたまんない。嬉しい、嬉しい、嬉しい。
狼になってたなら、ブンブン尻尾振り回してる。嬉しい、嬉しい、嬉しい……
「蒼の雪灰。俺が戻るまで郷で良い子にしているんだぞ」
「えっ、や、やだ」
思わず言ってた。
「やだ、あんたと一緒にいる。おとなしくしてるから」
だって、やっと逢えたのに、また離れるの? なんで?
なのに金の銅色は、眉を寄せて困った顔になる。
「蒼の雪灰、聞き分けてくれ」
「でっ、でも、アルファの棲まいに行くのはやだ」
「アルファ?」
ビックリしたみたいに目を丸くする。こんな顔もカッコイイ。可愛い。
「おまえはガンマの所にいるのだろう」
「ガンマが、しばらく来るなって」
「どうしてそんな。おまえ、なにかしたのか」
「違うよ! 肉が食いたいって言った、……だけ……」
「肉……?」
少し考え込んだ風になって、眉が寄る。カッコイイ……
「そうなのか。ふうむ……」
けど困った顔になってる?
困ってるのかな。こっちまで眉が寄る。
……ハッとした。
さっきは良い子だって撫でてくれたのに……俺が困らせてる? ワガママ言ってる? でも離れたくないんだ。けど……けどダメなやつだと思われたくない。良い子だって思われたい。
ぐっと奥歯を噛みしめる。
「お、俺」
「なんだ」
見開いた目が見下ろしてくる。
金の瞳は優しい。勇気を貰える。俺は真直ぐ目を見返して言った。
「……あんたのとこに行きたい。あんたの棲まいに」
「俺の? しかし俺の棲まいは決まっていない。シグマやルウと共に寝起きしているんだ」
「え……」
知らなかった。番いない同士で一緒に棲まっているということ?
そうなんだ。じゃあ、どうしたら……
「やはりおまえは、ガンマのところに……」
「あっ!」
思わず声を上げる。
素晴らしい考えが閃いた!
「どうした」
金の銅色は怪訝な顔だけど、眉間の皺は晴れた。ホッとして、声を励ます。
「俺が決めていい?」
「おまえが? なにを」
見開いた金の瞳を見ているだけで力が湧いてくる。
「あんたの棲むところ、決めていい?」
絶対にアルファの所なんて行かない。俺は金の銅色といるんだ。
「そこで俺、おとなしく待ってるよ」
「……そうか」
「ちゃんと待ってるよ。いい?」
「…………分かった。頼んだぞ」
大きな手が俺の頭に乗り、また優しく撫でた。
「うん! いい棲まいにするよ!」
ぱああっと湧きあがる多幸感に声は上擦る。
「だから、早く戻って」
「ああ、分かった」
ちょっと涙ぐんじゃったけど、俺の金の銅色は笑みを深め、頭をポンポンと軽く叩いてくれる。
必死の気持ちを目に込めて見上げた。
「棲まいのことはおまえに頼もう」
深めた笑みのまま、金の銅色がしっかりと頷く。
胸の内に満ちてくる熱いものを感じながら、俺も頷きかえす。
「済まないな。もう少しの間、待っていてくれ」
俺は何度も頷く。涙がパタパタこぼれる。
優しい笑みでひとつ頷いた金の銅色は、俺の頭を撫でてから立ち上がる。
金色の雄に向き直るときは、きりっと鋭い目になった。
「お聞きの通りです。もう面倒をおかけすることはないでしょう」
黄金の雄は、クスリと笑った。
「本当にあなたは面白い。では戻りましょうか。シグマ」
「はい」
「客人を連れて戻るぞ」
「はい」
初老のシグマは素直に頭を下げた。
金の銅色も言われるまま向こうの郷へ歩を進めてる。
その背を眺めているだけで、涙が溢れて頬を伝った。
でも戻って来るって言った。なら俺は信じて待とう。アルファの所なんて行かないで、金の銅色の棲まいを、俺が作るんだ!
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。
偏食の吸血鬼は人狼の血を好む
琥狗ハヤテ
BL
人類が未曽有の大災害により絶滅に瀕したとき救済の手を差し伸べたのは、不老不死として人間の文明の影で生きていた吸血鬼の一族だった。その現筆頭である吸血鬼の真祖・レオニス。彼は生き残った人類と協力し、長い時間をかけて文明の再建を果たした。
そして新たな世界を築き上げた頃、レオニスにはひとつ大きな悩みが生まれていた。
【吸血鬼であるのに、人の血にアレルギー反応を引き起こすということ】
そんな彼の前に、とても「美味しそうな」男が現れて―――…?!
【孤独でニヒルな(絶滅一歩手前)の人狼×紳士でちょっと天然(?)な吸血鬼】
◆閲覧ありがとうございます。小説投稿は初めてですがのんびりと完結まで書いてゆけたらと思います。「pixiv」にも同時連載中。
◆ダブル主人公・人狼と吸血鬼の一人称視点で交互に物語が進んでゆきます。
◆現在・毎日17時頃更新。
◆年齢制限の話数には(R)がつきます。ご注意ください。
◆未来、部分的に挿絵や漫画で描けたらなと考えています☺
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる