207 / 230
15.業務展開
199.超多忙
しおりを挟む
女成別温泉は、明治から昭和にかけての林業の町として栄えていた時代は、かなり人気があった湯治場らしい。
当時は長期逗留型の旅館が何軒かあって、女郎屋なんかもあったんだぞ、なんて町長は言ってたけど、あんたその頃いったい何歳だったの? って感じだよね。
まあともかく、この町が衰退するのと共に、ココも寂れてきてた。
んで十年ほど前、町おこしの一環として、古い湯治場的な建物壊して建て替えして、温泉は冬期間の農業資源としても使われるようになり、ここら辺一帯は様変わりした。
つうわけで、バスで強制的に連れてこられた建物は、こぎれいな健康ランドって感じで、温泉の他に休憩室も兼ねた宴会場があり、ロビーの一角が売店になってて、地元で採れた野菜とか名産らしい蕎麦、木製の人形とか小物や、温泉に必要なグッズなんか売ってる。
レストランという名の食堂には、カニとか海鮮丼なんてのは無くて、ラーメンとかカレーとかそばやうどんとか、定食もあって、大衆食堂って感じだよね。なぜかおいなりさんが並んでたりして、寮の食堂思い出した。
あ、でもジンギスカンと、なぜかスープカレーはあった。ちょい北海道っぽいよな。
そんで二階には宿泊できる部屋がいくつかあって、六田家具一行はそこに泊まることになった。
なぜって、めちゃ歓迎されたから。
今度は正しい社名の垂れ幕下がった宴会場は、ちっちゃい子が走り回ってるし、庭では中高生らしき少年少女が花火やってる、つうアットホームな雰囲気だ。
そんな中、入れ替わり立ち替わりやってくる町の人たちに酒注がれ、並んだご馳走の他にお母さんたちが持ち寄った得意料理を勧められ、……つう、なんのお祭り? て感じの手作り感溢れる歓迎会だったのだ。
こんだけ歓迎されて、しかも一切カネ受け取ってもらえない状況で「大鳥のこと、よろしくお願いします」なんて言われて、
「いや、旭川で遊ぶんで」
なんて無碍に断れるようなひと、六田家具にはいなかった。
みんな苦笑い気味に受け容れて、なし崩しに宴会に巻き込まれてく。てかなにげに溶け込んでた。だから旭川にホテル取ってたし、荷物も置いてたけど、今夜はココに泊まることになっちまったという。
だいぶ遅くなってから照井さんと一緒にやって来た大鳥さんは、
「修行させて下さい」
つって社長に頭を下げた。一旦「降りる」と言った社長だけど、結局大鳥さん達を一時預かることを拒否はしなかった。そんで、ちょいちょいって呼ばれたんで行ったら
「藤枝、責任取れ」
なんてニヤニヤした。つまり丸投げされちまった。
部長は苦笑してたから、少しは手伝ってもらえるかも、なんて思いつつ、実はちょいワクワクしてきてた。
どこで修行するか決まってないけど、うちの伝手使うなら都内になるだろう。どれくらいいるか分からないから、ホテル泊まったんじゃ割高になるし、どうしようって話してたら佐藤さんが言った。
「僕の部屋なら、素敵な木漏れ日を浴びながら鳥の声を聞けるよ。駅まで遠くて交通の便は悪いけど」
「関係ないですよ」
大鳥さんがヘラヘラ言って、周りの町民の皆様も酔っ払いの勢いでどっと笑った。
考えたらここらヘン、移動は全部車なんだもんな。電車の便が悪いとか関係なかったみたい。
「ちょいと厳しくさせてもらいますよ。あのまんまじゃあ使い物にならない」
「あのボンボンは身に染みて覚えなきゃならんことがあると、私も思ってます。町おこしの一端を任せるんですからなあ、ビシビシお願いします」
なんて会話が社長と町長との間で交わされてたことは、大鳥さんに内緒だけど。
◆ ◇ ◆
翌日、女成別温泉のバスに送られて旭川に到着した六田家具社員一同は、そっから北海道観光に突入したわけだが、俺はひとり、帰りの飛行機に乗った。
大鳥さんの件で少しでも早く相談したかったからだ。
誰にって風聯会に。
なにげにこういう時、風聯会は使える。
色んな業界で仕事してるひとがいるんで、直接の人脈じゃ無くても風聯会を通して顔合わせできるんだ。
もちろん、その後どうなるかはお互いの話になるけど、どこの誰に話せば良いかだけでも分かるのは、かなりのアドバンテージになる。
んで俺は、賢風寮で総括部長とか会長とかやってたんで知り合い多い。みんなそれぞれ仕事頑張ってるんで、卒業後五年経って、かなり有用な人脈を持ってる状態なわけ。
なんで空港に到着して、まず電話をかけた。
「ども、藤枝です」
『……また突然だな』
相手は大田原さんだ。お父さんが工務店の二代目社長で、大田原さんは修行中の若社長って呼ばれてるらしい。工務店では個人住宅とかマンションの内装、リフォームとかやってて、仕事で使う都内近郊の職人とか工房や工場とかに詳しい。つまり風聯会をフル活用して広げた人脈をしっかり自分のものにしてる。
「今イイですか」
『なんだい?』
だからこんな風な職人のことは、まず大田原さんに聞いてみて、分かんなかったら風聯会に問い合わせることにしてる。
それで今回の件で使えそうな、木工家具と鉄加工、両方やってそうな工房無いか聞いてみたんだけど。
『う~ん、そういうのはたいてい分業してるからな。うちも建具とか作り付けの内装品でそういう加工は請け負うけど、部品をそれぞれ発注して、うちで組み立ててるんだ。どっちもやってる工房ってあるかな、ちょっと調べてみようか』
「いや大田原さん、風聯会には自分で聞くんで」
『ああ、そうだよな。じゃあ俺は手持ちの工房に心当たり無いか聞いてみるよ』
「お願いします」
そんなこんなで、新しい仕事が動き出した。
◆ ◇ ◆
社員旅行からみんなが帰ってくるまではそうでもなかったのに、通常の業務が動き始めると同時、メチャメチャ忙しくなった。
結局、大鳥さんと照井さんの仕事をいっぺんに教えてもらえる工房は見つからなかったんで、二人揃って木工を覚え、その後で鉄鋼を習ってもらうことにした。ンで木工については、もちろん六田家具で預かる。
うちでしばらく色々やってもらって、その間に鉄工を教えてもらえるところ探すってコトになり、とりあえず二人をコッチに呼んだ。照井さんには木の扱い方の基本、大鳥さんには狂いの無い仕事が大事だっていうトコを叩き込んでやる、とかって半沢がめちゃ張り切ってたから任せることにした。
そうして二人は、車で佐藤さんの家から出勤して、工房で下働き兼修行するっつう生活が始まったわけ。
町ではしぶしぶな感じ満載だった大鳥さんは、意外にもけっこうやる気になってて、朝は誰より早く来てるらしい。てか照井さんと一緒に来るんだけど。
だけど蓋開けたら、照井さんが真面目で器用で、仕事の飲み込み早いしめっちゃ使えるって職人達に褒められまくって、大鳥さんは引きつってる、つう。
もしかして社長か梨田さんの作戦なのかもだけど、さすがな自信家の大鳥さんも焦ったらしく、めちゃ必死に仕事してるらしい。
「いや、ちゃんとやれるんスよ、てっちゃんも、変なコダワリ捨てたら。かなりしぶとくコダワリ見せてた感じだったスけど、ススムと一緒にやってたらそんな場合じゃねえって感じで真面目にやってるし、一緒に修行っての良かったんじゃないスかね」
なんてめちゃ嬉しそうに半沢が言ってた。
ちなみに『てっちゃん』は大鳥さんのこと。下の名前が哲也で、照井さんことススムがそう呼んでるから、同じノリで呼んでるらしい。
半沢は三十代後半だけど工房じゃ一番若手だから、下が出来て嬉しいだけかもだけど、年近いから話しやすいってのもあんだろな。楽しそうだしイイ感じにやってくれてんだろうと信じることにする。
てか問題はソコじゃなく、鉄の方だったんだ。
鉄の加工って言っても鋳物なんか切削なんか溶接なんか、それによって修業先変わってくるだろって思ったら、照井さんがヘラッと
「いや、俺自己流なんで、砂とかで鋳型作って鋳造したモンをくっつけたり、叩いて成形したモンくっつけたりしてなんとなく削って、仕上げに飾り付けたりって感じなんス」
とか言ったから頭抱えた。
それってどういうトコでやり方習えるの? てかそういうのにお手本なんてあんの?
色々聞いてみたけど、鉄加工ってそれぞれの作業で使う機械違うし、いろいろ全部やってるトコはそんな多くない。そもそも機械がデカかったり加工うるさかったりするんで、工場自体が都内にはあんまり無い。あっても専門的な加工やってたりなんで、今回の話には合わない。
でもエクステリアの装飾なんかで、照井さんの造形に近いもの見たことあるような気もするし、どっかでやってる筈なんだ。
なんで風聯会通して聞いてみてるんだけど、なかなか良い情報が来ない。仕方ないから自分でも探してみようってんで前の会社の伝手も頼ってみたりしてたんだけど、はかばかしくない。
つまり通常業務プラスこの仕事やんなきゃなんで、休日も無い状態で残業アリアリで、さらに仕事持ち帰ってたりする。
そんなんが二ヶ月くらい続いてた。
当時は長期逗留型の旅館が何軒かあって、女郎屋なんかもあったんだぞ、なんて町長は言ってたけど、あんたその頃いったい何歳だったの? って感じだよね。
まあともかく、この町が衰退するのと共に、ココも寂れてきてた。
んで十年ほど前、町おこしの一環として、古い湯治場的な建物壊して建て替えして、温泉は冬期間の農業資源としても使われるようになり、ここら辺一帯は様変わりした。
つうわけで、バスで強制的に連れてこられた建物は、こぎれいな健康ランドって感じで、温泉の他に休憩室も兼ねた宴会場があり、ロビーの一角が売店になってて、地元で採れた野菜とか名産らしい蕎麦、木製の人形とか小物や、温泉に必要なグッズなんか売ってる。
レストランという名の食堂には、カニとか海鮮丼なんてのは無くて、ラーメンとかカレーとかそばやうどんとか、定食もあって、大衆食堂って感じだよね。なぜかおいなりさんが並んでたりして、寮の食堂思い出した。
あ、でもジンギスカンと、なぜかスープカレーはあった。ちょい北海道っぽいよな。
そんで二階には宿泊できる部屋がいくつかあって、六田家具一行はそこに泊まることになった。
なぜって、めちゃ歓迎されたから。
今度は正しい社名の垂れ幕下がった宴会場は、ちっちゃい子が走り回ってるし、庭では中高生らしき少年少女が花火やってる、つうアットホームな雰囲気だ。
そんな中、入れ替わり立ち替わりやってくる町の人たちに酒注がれ、並んだご馳走の他にお母さんたちが持ち寄った得意料理を勧められ、……つう、なんのお祭り? て感じの手作り感溢れる歓迎会だったのだ。
こんだけ歓迎されて、しかも一切カネ受け取ってもらえない状況で「大鳥のこと、よろしくお願いします」なんて言われて、
「いや、旭川で遊ぶんで」
なんて無碍に断れるようなひと、六田家具にはいなかった。
みんな苦笑い気味に受け容れて、なし崩しに宴会に巻き込まれてく。てかなにげに溶け込んでた。だから旭川にホテル取ってたし、荷物も置いてたけど、今夜はココに泊まることになっちまったという。
だいぶ遅くなってから照井さんと一緒にやって来た大鳥さんは、
「修行させて下さい」
つって社長に頭を下げた。一旦「降りる」と言った社長だけど、結局大鳥さん達を一時預かることを拒否はしなかった。そんで、ちょいちょいって呼ばれたんで行ったら
「藤枝、責任取れ」
なんてニヤニヤした。つまり丸投げされちまった。
部長は苦笑してたから、少しは手伝ってもらえるかも、なんて思いつつ、実はちょいワクワクしてきてた。
どこで修行するか決まってないけど、うちの伝手使うなら都内になるだろう。どれくらいいるか分からないから、ホテル泊まったんじゃ割高になるし、どうしようって話してたら佐藤さんが言った。
「僕の部屋なら、素敵な木漏れ日を浴びながら鳥の声を聞けるよ。駅まで遠くて交通の便は悪いけど」
「関係ないですよ」
大鳥さんがヘラヘラ言って、周りの町民の皆様も酔っ払いの勢いでどっと笑った。
考えたらここらヘン、移動は全部車なんだもんな。電車の便が悪いとか関係なかったみたい。
「ちょいと厳しくさせてもらいますよ。あのまんまじゃあ使い物にならない」
「あのボンボンは身に染みて覚えなきゃならんことがあると、私も思ってます。町おこしの一端を任せるんですからなあ、ビシビシお願いします」
なんて会話が社長と町長との間で交わされてたことは、大鳥さんに内緒だけど。
◆ ◇ ◆
翌日、女成別温泉のバスに送られて旭川に到着した六田家具社員一同は、そっから北海道観光に突入したわけだが、俺はひとり、帰りの飛行機に乗った。
大鳥さんの件で少しでも早く相談したかったからだ。
誰にって風聯会に。
なにげにこういう時、風聯会は使える。
色んな業界で仕事してるひとがいるんで、直接の人脈じゃ無くても風聯会を通して顔合わせできるんだ。
もちろん、その後どうなるかはお互いの話になるけど、どこの誰に話せば良いかだけでも分かるのは、かなりのアドバンテージになる。
んで俺は、賢風寮で総括部長とか会長とかやってたんで知り合い多い。みんなそれぞれ仕事頑張ってるんで、卒業後五年経って、かなり有用な人脈を持ってる状態なわけ。
なんで空港に到着して、まず電話をかけた。
「ども、藤枝です」
『……また突然だな』
相手は大田原さんだ。お父さんが工務店の二代目社長で、大田原さんは修行中の若社長って呼ばれてるらしい。工務店では個人住宅とかマンションの内装、リフォームとかやってて、仕事で使う都内近郊の職人とか工房や工場とかに詳しい。つまり風聯会をフル活用して広げた人脈をしっかり自分のものにしてる。
「今イイですか」
『なんだい?』
だからこんな風な職人のことは、まず大田原さんに聞いてみて、分かんなかったら風聯会に問い合わせることにしてる。
それで今回の件で使えそうな、木工家具と鉄加工、両方やってそうな工房無いか聞いてみたんだけど。
『う~ん、そういうのはたいてい分業してるからな。うちも建具とか作り付けの内装品でそういう加工は請け負うけど、部品をそれぞれ発注して、うちで組み立ててるんだ。どっちもやってる工房ってあるかな、ちょっと調べてみようか』
「いや大田原さん、風聯会には自分で聞くんで」
『ああ、そうだよな。じゃあ俺は手持ちの工房に心当たり無いか聞いてみるよ』
「お願いします」
そんなこんなで、新しい仕事が動き出した。
◆ ◇ ◆
社員旅行からみんなが帰ってくるまではそうでもなかったのに、通常の業務が動き始めると同時、メチャメチャ忙しくなった。
結局、大鳥さんと照井さんの仕事をいっぺんに教えてもらえる工房は見つからなかったんで、二人揃って木工を覚え、その後で鉄鋼を習ってもらうことにした。ンで木工については、もちろん六田家具で預かる。
うちでしばらく色々やってもらって、その間に鉄工を教えてもらえるところ探すってコトになり、とりあえず二人をコッチに呼んだ。照井さんには木の扱い方の基本、大鳥さんには狂いの無い仕事が大事だっていうトコを叩き込んでやる、とかって半沢がめちゃ張り切ってたから任せることにした。
そうして二人は、車で佐藤さんの家から出勤して、工房で下働き兼修行するっつう生活が始まったわけ。
町ではしぶしぶな感じ満載だった大鳥さんは、意外にもけっこうやる気になってて、朝は誰より早く来てるらしい。てか照井さんと一緒に来るんだけど。
だけど蓋開けたら、照井さんが真面目で器用で、仕事の飲み込み早いしめっちゃ使えるって職人達に褒められまくって、大鳥さんは引きつってる、つう。
もしかして社長か梨田さんの作戦なのかもだけど、さすがな自信家の大鳥さんも焦ったらしく、めちゃ必死に仕事してるらしい。
「いや、ちゃんとやれるんスよ、てっちゃんも、変なコダワリ捨てたら。かなりしぶとくコダワリ見せてた感じだったスけど、ススムと一緒にやってたらそんな場合じゃねえって感じで真面目にやってるし、一緒に修行っての良かったんじゃないスかね」
なんてめちゃ嬉しそうに半沢が言ってた。
ちなみに『てっちゃん』は大鳥さんのこと。下の名前が哲也で、照井さんことススムがそう呼んでるから、同じノリで呼んでるらしい。
半沢は三十代後半だけど工房じゃ一番若手だから、下が出来て嬉しいだけかもだけど、年近いから話しやすいってのもあんだろな。楽しそうだしイイ感じにやってくれてんだろうと信じることにする。
てか問題はソコじゃなく、鉄の方だったんだ。
鉄の加工って言っても鋳物なんか切削なんか溶接なんか、それによって修業先変わってくるだろって思ったら、照井さんがヘラッと
「いや、俺自己流なんで、砂とかで鋳型作って鋳造したモンをくっつけたり、叩いて成形したモンくっつけたりしてなんとなく削って、仕上げに飾り付けたりって感じなんス」
とか言ったから頭抱えた。
それってどういうトコでやり方習えるの? てかそういうのにお手本なんてあんの?
色々聞いてみたけど、鉄加工ってそれぞれの作業で使う機械違うし、いろいろ全部やってるトコはそんな多くない。そもそも機械がデカかったり加工うるさかったりするんで、工場自体が都内にはあんまり無い。あっても専門的な加工やってたりなんで、今回の話には合わない。
でもエクステリアの装飾なんかで、照井さんの造形に近いもの見たことあるような気もするし、どっかでやってる筈なんだ。
なんで風聯会通して聞いてみてるんだけど、なかなか良い情報が来ない。仕方ないから自分でも探してみようってんで前の会社の伝手も頼ってみたりしてたんだけど、はかばかしくない。
つまり通常業務プラスこの仕事やんなきゃなんで、休日も無い状態で残業アリアリで、さらに仕事持ち帰ってたりする。
そんなんが二ヶ月くらい続いてた。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説
淫愛家族
箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。
事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。
二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。
だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
番だと言われて囲われました。
桜
BL
戦時中のある日、特攻隊として選ばれた私は友人と別れて仲間と共に敵陣へ飛び込んだ。
死を覚悟したその時、光に包み込まれ機体ごと何かに引き寄せられて、異世界に。
そこは魔力持ちも世界であり、私を番いと呼ぶ物に囲われた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる