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第2章
No.242
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「何ですって?」
「ですから、アルフォンス様がマコ様とお出掛けになる様です。直ぐに、出掛ける準備をする様にとの事です」
リディアが聞き返すと、アルフォンスに呼び出された使用人とは別のメイドがもう一度説明する。現在真琴達がいる部屋は、防御魔法が施された例の部屋では無い。あの部屋への道順はを知るのは四人…いや、エルザを含めて五人しかいない。その為、何かあった時に情報が回ってこない為に近くの空いている部屋に移動したのだ。
本来なら、直ぐにでも真琴の部屋に戻りたい。
しかし、先程まで真琴の部屋には拘束されている常闇の二人が居た。今は、既に地下に移動させられているだろうが、犯罪組織の者達がいた部屋だ。何かしらの危険は無いか事後処理班が確認している頃だろう。
それに同時進行で、もしも真琴が今後その部屋を使用するのを嫌がった時の為の別の部屋の準備も進んでいるはずだ。
「ーー全くっ!一体、アルフォンス様は何を考えているのかしら」
そう言って、リディアは少し怒りながら言われた通りに真琴の出掛ける準備を始める。真琴は、先程まで誘拐のターゲットにされていたのだ。真琴自身は、安全な場所で過ごし危険はなかったとは言っても、一度本当に誘拐された事のある真琴だ。きっと、言葉には出さないが不安だった筈だ。
「あんなにマコ様を心配していたのに、それは表面上だけですの?内面の心の事は、ちゃんと考えてるのかしら?」
「アルフォンスさんは、私に酷い事をした事が無いですよ。だがら、今回の事もきっと何か理由があるんだと思いますよ」
真琴は髪を整えられながらそう言うが、リディアは不満の様だ。
「それは、勿論分かっています。アルフォンス様は、マコ様をとても大事にしていますから。ーーですが!それとコレとは話が別です!せめてもう少し時間を開けるとか、そう言う事をして欲しかったですね」
すると、それまで部屋の壁の一部の様に静かに話を聞いていたエルザもリディアの言葉に同意を示す。
「それには、私も同意します。以前、同じ様な経験をしたマコ様の事を考えると、もう少し時間を開けるべきかと…」
「エルザさんまで…」
まさか、敬愛する上司であるアルフォンスにエルザが難色を示すとは思わなかった。敬愛するアルフォンスに難色を示すほど、エルザは護衛対象である真琴の事を好きになっていたのだ。
「さっ、出来ました。大変不服ではありますが、行きましょう。アルフォンス様も既に待っている筈ですから」
そうして、リディアに促されながら部屋を出ようとした時、少し前に出て行った精霊達が姿を現したのだった。
「ですから、アルフォンス様がマコ様とお出掛けになる様です。直ぐに、出掛ける準備をする様にとの事です」
リディアが聞き返すと、アルフォンスに呼び出された使用人とは別のメイドがもう一度説明する。現在真琴達がいる部屋は、防御魔法が施された例の部屋では無い。あの部屋への道順はを知るのは四人…いや、エルザを含めて五人しかいない。その為、何かあった時に情報が回ってこない為に近くの空いている部屋に移動したのだ。
本来なら、直ぐにでも真琴の部屋に戻りたい。
しかし、先程まで真琴の部屋には拘束されている常闇の二人が居た。今は、既に地下に移動させられているだろうが、犯罪組織の者達がいた部屋だ。何かしらの危険は無いか事後処理班が確認している頃だろう。
それに同時進行で、もしも真琴が今後その部屋を使用するのを嫌がった時の為の別の部屋の準備も進んでいるはずだ。
「ーー全くっ!一体、アルフォンス様は何を考えているのかしら」
そう言って、リディアは少し怒りながら言われた通りに真琴の出掛ける準備を始める。真琴は、先程まで誘拐のターゲットにされていたのだ。真琴自身は、安全な場所で過ごし危険はなかったとは言っても、一度本当に誘拐された事のある真琴だ。きっと、言葉には出さないが不安だった筈だ。
「あんなにマコ様を心配していたのに、それは表面上だけですの?内面の心の事は、ちゃんと考えてるのかしら?」
「アルフォンスさんは、私に酷い事をした事が無いですよ。だがら、今回の事もきっと何か理由があるんだと思いますよ」
真琴は髪を整えられながらそう言うが、リディアは不満の様だ。
「それは、勿論分かっています。アルフォンス様は、マコ様をとても大事にしていますから。ーーですが!それとコレとは話が別です!せめてもう少し時間を開けるとか、そう言う事をして欲しかったですね」
すると、それまで部屋の壁の一部の様に静かに話を聞いていたエルザもリディアの言葉に同意を示す。
「それには、私も同意します。以前、同じ様な経験をしたマコ様の事を考えると、もう少し時間を開けるべきかと…」
「エルザさんまで…」
まさか、敬愛する上司であるアルフォンスにエルザが難色を示すとは思わなかった。敬愛するアルフォンスに難色を示すほど、エルザは護衛対象である真琴の事を好きになっていたのだ。
「さっ、出来ました。大変不服ではありますが、行きましょう。アルフォンス様も既に待っている筈ですから」
そうして、リディアに促されながら部屋を出ようとした時、少し前に出て行った精霊達が姿を現したのだった。
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